先月、Newspicksの「THE UPDATE」という番組で働き方に関するテーマで討論を行っていました。

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その中で、ハピキラFACTORYという会社の代表取締役の正能茉優さんが話していた「なのにキャリア」というコンセプトがなかなかおもしろく良いネーミングだなあと思いました。

私は正能茉優さんのことは知らなかったのですが、なんでも、ハピキラという会社の社長をしながらパーソルキャリアの正社員でもあるようです。軽くググると、慶應義塾大学特任助教でもあるようで、「パラレルキャリア女子」という紹介のされ方もありました。

なのにキャリア」というのは、「○○なのに△△」というように、違うカテゴリーのスキルが重なると希少性が生まれて自分のキャリアの市場価値が上がるという意味合いで、例えば、アナウンサーなのに経済に詳しいみたいな事例が紹介されていました。この○○△△の組み合わせに意外性があるとより希少性が高まるということですね。

私も強く感銘を受けた『10年後、君に仕事はあるのか?』の著書の藤原和博さんも1万人分の1となるスキルを3つ組み合わせば、100万人分の1の人材として自身の価値を高めることができると言っていますが、それと同じような考え方になると思います。先日紹介した「転職2.0」の著者の村上さんも番組に出演していましたが、村上さんの伝え方で言うと複数の「タグ」を持つということになりますね。

長く働いていくことを考えると、複数の分野におけるスキルを構築していくことはとても大事です。今回の番組の大きなテーマは「副業」だったのですが、「副業」で稼げるようになるには1つの分野のスキルだけでは難しいかもしれません。例えば、クリエイティブのスキルがあったとしても、そのスキルを知ってもらうための、プレゼンスキルだったり、ネットワーキングスキルと言ったものがないとなかなか「副業」の域までいかないと思うのです。

特に地域の中小企業で勤めている方にとっては「副業」は縁遠いかもしれませんが、「副業」で稼ぐとまではいかなくても「副業」として務まるくらいの別分野のスキルを磨いておくという考え方は持っておいても良いかもしれませんね。
企業の寿命より個人の寿命の方が長い時代ですから、今、転職の意志はなくても転職を余儀なくされる可能性はあるので、今の時代を理解したキャリア思想が求められます。

ちなみに前述の藤原さんは、1つの仕事をマスターするのに、人間は一般的に1万時間かかるといっています。1万時間とは5年~10年といったスパンの時間です。20代~30代で1万時間×3つの仕事にチャレンジすれば、40代でとても貴重な人材になれるということですね。

「なのにキャリア」という視点でいくと、弊社のような求人広告会社でも、「営業なのに原稿制作ができる」人はやはり顧客からの評価も高く成績は良いわけです。そういった意味で、弊社では1万時間までとはいかずとも、営業も初めの1年は原稿制作にも携わることで複数スキルを磨くことを推奨しています。
逆もしかり。「制作なのに採用コンサルできる」人材は求人企業にとっては超貴重なパートナーとなります。
最近は、業務を分担する傾向が増えていますが、自分の仕事の幅を勝手に狭めないことも大事ですね。もちろん1つの分野を極めてから次の分野を極めるということでもよいわけですが。

先日、金融機関に勤める20代の方から、業界的に将来性に疑問を感じているのでこの業界から出た方が良いと感じているのだけど、やりたいことがなにもないので、どうしたらよいかわからないという相談がありました。
確かにその会社の将来性を考えるとビジネスモデルの転換が必要で、目先の業務だけ行っていると危ないということには賛同しますが、かといって、今の状態で飛び出してみたところで、うまくいくはずはありません。

であれば、将来を考えて、自社の中でやれそうな新しいことにどんどんチャレンジしていくということが備えにつながるはずです。幸い、同社には、ビジネスマッチング的な仕事が増えており、新たな商材、サービスを扱うチャンスがあるそうです。そんなチャンスに自ら積極的に向き合って、社内副業のような感じで取り組んでみてはどうかとアドバイスをしたことを思い出しながら番組を観ていました。
2021.6.9



種村 剛(ちばキャリ キャリアコンサルタント )
大学卒業後、大手損害保険会社に入社。営業職として4年勤務した後、コンサルティング会社に転職。その後、2003年より現在の会社で営業や制作、キャリアアドバイザーに従事。 数多くの中小企業の採用活動に携わり、企業経営者、人事担当者の視点に立った転職サポートを行うことがモットーにしています。