先日、「文系AI人材になる」といいう本を読みました。
キャリア支援に携わる立場として、時代の変化に伴う働き方の変化は常に関心を持っているテーマです。
AIによって仕事がなくなるのではないか、という不安を持っている方も多くいますが、新時代の新しい職種にチャレンジする意欲が湧いてくる参考になる本でした。興味のある方はぜひ読んでみてください。

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本の内容とは直接関係ありませんが、AIの導入がどんどん進んで早く働き方が変わったらいいなあと感じることがありました。
現在、派遣社員として事務職に就いている方の転職相談を受けたときの話です。

調理専門学校を出て、新卒で飲食業界に入り、4年勤務した後転職し、現在の事務職を3年続けているという方でした。
事務職での転職希望だったのですが、話の中でふと、「飲食業界への興味はもうないのか?」と質問したところ、「本当は調理の仕事がしたい」という本音がぽろり。

1社目の調理の仕事は志望していた仕事でもあり楽しかったのだけど、複数店舗の兼務で移動など体力的な問題で退職したとのことでした。本当は調理の仕事を続けたいのだけど、他社にいっても、労働環境が大きく変わるわけではなく、体力的に自信がないため、なくなく諦めたそうです。
飲食業界や介護業界では少なくない話ではありますね。

こんな本音を聞くと、調理師の道を探ってあげたいところですが、ご希望にマッチする環境の会社が見つかる可能性は低く、今回の選択は致し方ないところ。。。
結果、現在の経験を活かしつつ少しでもやりがいの感じられる仕事探しについて一緒に考えて面談は終わったのですが、本当に興味のある分野の仕事が選択できないというのは悔しいですね。

リモートワークが一般的になり、IT系の仕事を中心に、時間や場所にとらわれない働き方ができる環境が徐々に整ってきましたが、飲食や介護、工場などの現場仕事ではまだまだ環境が変わっていないというのが実態です。
この先、代行型のAIの導入が促進することで、現場系の方の働く環境がどんどん改善すればいいなあと思います。

確かにAIにより奪われる仕事もありますが、AIにより新たに生まれる仕事もありますし、AIにより選択するハードルの下がる仕事もあります。この本を読みながら、IT技術の進化をもっと前向きに捉えていきたいと感じました。

ちなみに、AIの活用の話とは違いますが、飲食業界でも劇的な働き方改革を行っている会社がどんどん出てきています。魅力的な業界なので優れた経営者が業界の常識を覆しているのですね。

例えば、パンの業界では、
小麦の奴隷」
 や 「365日
などがよくマスコミなどでも取り上げられていますね。
下の表はカンブリア宮殿のHPの番組解説にUPされていましたが、常識をぶち壊していますね。
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これ以外にも業務フローを改革し、働き方が大きく変わる会社はどんどん出てくるはず。
第一志望ではない職種に就いたとしても、アンテナを高く張りつつ、調理師としてのキャリアの可能性は消してほしくないなあと思いました。



種村 剛(ちばキャリ キャリアコンサルタント)

大学卒業後、大手損害保険会社に入社。営業職として4年勤務した後、コンサルティング会社に転職。その後、2003年より現在の会社で営業や制作、キャリアアドバイザーに従事。 数多くの中小企業の採用活動に携わり、企業経営者、人事担当者の視点に立った転職サポートを行うことがモットーにしています。

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