日、転職者インタビューの取材に同行してきました。今回の、取材対象企業は株式会社ケンズエージェンシー様。主に不動産業界に特化した広告代理店です。

昨年、「ちばキャリ」を通じて、初めて採用した女性の営業がとても活躍しているとうれしいお話が聞けました。金融機関のテラー(窓口業務)から広告営業職に転職したこの方の転職ストーリーは、後日、転職者インタビュ―サイトに掲載されますのでお楽しみに。

同社においても、昨年までは「女性の営業採用は全く考えられない」と、検討すらしていなかったそうですが、中小企業にでは、まだまだ「営業=男性」という固定観念が強い会社も多いようです。
女性の営業職を敬遠する理由として、「この業界は男社会だから」とか「前例がないから」といったものもよく聞きます。確かに、全く前例がない中で新たな決断をすることにはとても大きな勇気がいることです。

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とはいえ、女性の営業採用は、これまでの常識を抜きにして検討する価値があると思います。実際、強い責任感や高い目標意識を持って活躍している女性営業は多くいます。
弊社でも、正社員として約3年勤務した後、今は地元の館山に戻って業務委託として勤務している20代の女性営業社員がいますが、リモートワークながら営業としてしっかり活躍してくれています。

彼女なんかもそうなのですが、積極的なコミュニケーションが取れたり、行動力がある女性が営業職にハマると強いですよね。男性の営業よりも緊張感や警戒心を与えにくいというメリットもありますし、前例のない成果を出すことも少なくありません。

ただ、女性の営業を採用する際には企業として環境整備をする必要があることも事実です。
営業職としての採用に限らずではありますが、休暇の取りやすい環境残業時間の削減など、肉体的な負荷をかけない配慮が必要ですし、育休や産休などの規定の見直し、結婚、出産を踏まえた長期に渡ったキャリアプラン、ライフプランを描いたり相談したりできる体制づくりをしておかなければ優秀な人材、上昇志向の人材には選択してもらいようがないですから。営業部門においては、管理部門以上に無駄な会議や長い打ち合わせが多くなりがちなので要注意ですね。

一方、これらの環境整備や組織改善をすることで会社が強くなるというメリットもあります。営業活動を根本から見直すことで効率化が図れたり業務フローそのものを改革したり固定概念を払拭するチャンスにもなりますので、これまでの常識で考えないという判断が及ぼすプラスの影響はとても大きいのではないでしょうか。
弊社でも前述の女性が館山に戻ることとなり、出勤のできない中、どうすれば営業職として続けられるかを考えることで、リモートでの営業活動が促進されました。ケンズエージェンシー様においても1名の女性営業を採用した後、今は3名の営業の内、2名が女性とのことですし、これまで取り入れてこなかった1on1ミーティングなどの新しいコミュニケーションも始めたそうです。


そんな女性の営業職採用をお客様にも積極的に提案していきたいところですが、中途市場ではなかなか女性の営業希望者に出会えないことも感じています。新卒での営業希望の女性は多いように思うのですが、実際に営業現場に出て、きついと感じてしまうのでしょうか。
営業職はとてもおもしろい仕事ですが、きついノルマやお願い営業が横行していることも事実。そんな経験をすると、営業とはこういうものと思ってしまいがちですから。
本来、営業はお客様の課題を解決する窓口となる役割ですので、個人的には花形な職種だと感じています。これまた女性に限ったことではありませんが、せっかくの営業希望の新卒を営業嫌いにしないようなサポートがもっとほしいところですね。

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実は、昨日、転職相談を受けた方も、20代の営業職の女性だったのですが、事務職を希望していました。でも、よくよく聞いてみると、営業自体が嫌になったのではなく、がんばりや成果がしっかり評価されず、給与にも正当に反映されていないことによるモチベーション低下が転職希望理由でした。モチベーションが下がっているので、「もう別の仕事に就きたい!」と感じていたのだと思います。
がんばりや成果が評価されない状況が起こり得るのは営業職に限ったことではありません。転職したいと考えている背景を自分自身で自覚しないと、転職しても同じ課題に直面しがちなので要注意ですね。

お話した結果、今の職場で、不満解消のためのアクションが起こせないかを再検討したり、希望職種も事務職だけではなく、取引先を初め、今の業界周辺で実務経験が活かせそうな営業職や営業関連職のしごと研究をすることになりました。とりあえず、不満→即退社ということにならず良かったです。会社側としてはこういう方のケアをしないともったいないですね。

ということで、最後は宣伝ですが、女性の営業希望の方で、今後のキャリアプランに不安のある方は、ぜひ「ちばキャリエージェント」までご相談ください。


種村 剛(ちばキャリ キャリアコンサルタント)

大学卒業後、大手損害保険会社に入社。営業職として4年勤務した後、コンサルティング会社に転職。その後、2003年より現在の会社で営業や制作、キャリアアドバイザーに従事。 数多くの中小企業の採用活動に携わり、企業経営者、人事担当者の視点に立った転職サポートを行うことがモットーにしています。

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