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千葉の中小企業がダイレクトリクルーティングを成功させる方法

ダイレクトリクルーティングの成功に一番重要なのは継続性

近年、千葉の中小企業においても、ダイレクトリクルーティング(DR)を採用手法の一つとして取り入れるケースが増えてきています。
従来の求人広告や転職エージェントを活用する採用手法に加え、企業が自ら求める人材に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングは、採用成功の可能性を高める有力な手段となりつつあります。

しかし、千葉の中小企業がダイレクトリクルーティングで確実に成果を上げるためには、いくつかの課題があります。その中でも最も重要なポイントが「継続的にスカウト(オファー)を送り続けること」です。

弊社で数年前から運営しているダイレクトリクルーティングサイト「オファくる千葉」の成功事例を見ていても、短期的な取り組みでは成果が出にくく、継続性を持って実施することが成功の鍵となることをつくづく感じます。

そこで、本記事では、継続的にスカウトを打ち続ける必要性と、その具体的な方法について詳しく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.ダイレクトリクルーティングの成功に一番重要なのは継続性
  2. 2.継続性が重要な3つの理由
    1. 2.1.返信率が低いからこそ、継続的にスカウトを送り続ける必要がある
    2. 2.2. 新規登録者への素早いアプローチと、同じターゲットへの継続送信がカギになる
    3. 2.3.行き詰まらないために、検索条件を定期的に見直しターゲットを広げることが大切
  3. 3.継続的にスカウトを行うための具体的な方法
    1. 3.1.担当者を明確に決め、定期的にスカウトを行う
    2. 3.2.スカウト代行を活用する
  4. 4.まとめ


継続性が重要な3つの理由

ダイレクトリクルーティングを成功させるには、単発的な施策ではなく、継続的にスカウトを送ることが不可欠です。
その理由は、大きく分けて以下の3つです。


返信率が低いからこそ、継続的にスカウトを送り続ける必要がある

一般的に、ダイレクトリクルーティングの返信率は2%~4%程度と言われています。それも、DMのような一括送信ではなく、ターゲットを絞り、個別性の高いメッセージを送ることを前提にした数字です。

例えば、100件のスカウトを送って3件の返信があるのが平均的という認識を持つ必要があります。もちろん、返信があったから採用というわけにはいきません。仮に、5人に1人の採用確率だとすると、1名採用するためには、150件以上のスカウトを送る必要があります。

ただ、それだけの数のスカウトを送るのは簡単なことではありません。希望の検索条件で絞り込んだターゲットリストから実際に送信できるのは、4~5人に1人でしょう。細かい部分をチェックするとスカウト対象者から外れてしまうということは多いですから。
そうすると、1000件近い履歴書を確認して、送信するという作業が必要となるのです。

そのためには、毎日もしくは毎週、継続的にコツコツとスカウトを送ることが大切なのです。

また、求職者は最初の1通目では様子を見ることが多いため、何度かスカウトを受けることで関心を持ち、返信につながるケースも少なくありません。企業の知名度が高くない中小企業ほど、この点を意識することが重要です。


※千葉勤務希望というエリア志向でのマッチング力が強いため、全体の返信率は7%程度と高い傾向があります。千葉の中小企業ということになると、都内の企業に比べて、認知度や規模、労働条件や労働環境で不利になることもあるため、返信率は少なく見積もる必要があるかもしれません。

なみに「オファくる千葉」では、大手のダイレクトリクルーティングサイトほど登録者数が多くないため、100件のターゲットを選出するには工夫が必要ですが、千葉勤務希望というエリア志向でのマッチング力が強いため、全体の返信率は7%程度と高い傾向があります。


新規登録者への素早いアプローチと、同じターゲットへの継続送信がカギになる

求職者がDRサイトに登録するタイミングは、転職への意欲が高まった時期であり、「ホットな状態」にあることが多いです。この時期に個別性の高いスカウトを送ることで、反応率が向上します。
実際に、多くの求職者は登録後1ヶ月以内に最も多くのスカウトを受け取ります。競合他社も同じターゲットにスカウトを送るため、登録直後の迅速なアプローチが成功の鍵となります。

ですので、単純に多くのスカウトを送信するのではなく、毎日、もしくは数日おきに新規の登録者情報をチェックすることが必要となるのです。
※RPO企業のHPなどを見ると、登録から14週間以内のスカウトは返信率が1.5倍になるというようなデータもあるようです。


また、求職者の転職活動には個人差があり、すぐに転職先を決める人もいれば、半年以上かけて慎重に検討する人もいます。そのため、「スカウトを送ってすぐに反応がない=興味がない」と判断するのではなく、長期的な視点で同じ人に何度もスカウトを打ち続けることも必要です。

実際に、「半年以上前に送ったスカウトに、ようやく返信が来た」というケースもありますし、「何度も送信して1年越しでようやく承諾にこぎつけた」というケースもあります。求職者の転職のタイミングに合わせるためにも、長期間にわたってスカウトを継続する仕組みを整えておくことが求められます。


行き詰まらないために、検索条件を定期的に見直しターゲットを広げることが大切

様々なダイレクトリクルーティングサイトで実際に検索してみるとわかると思いますが、採用ターゲットは決して無限にいるわけではありません。

希望する条件で検索すると、表示される候補者が数名しかいないことも珍しくなく、「思ったより少ない」と感じることも多いでしょう。あるいは、最初はある程度候補者がいるように見えても、最初の1~2週間で一通りスカウトを送り終わってしまい、「もう送る相手がいない」と行き詰まってしまうケースも少なくありません。

しかし、ここで手を止めてしまうと採用は進みません。
継続的に成果を出している企業ほど、行き詰まった後に「検索条件の見直し」や「ターゲットの再設定」を繰り返しているのです。

例えば、「営業経験者」に限定していた条件を、「接客販売の経験者」や「業界未経験歓迎」に広げることで、一気にスカウト対象者が増えることがあります。
あるいは、「営業希望」と明記していなくても、「コミュニケーション力を活かせる仕事を探している」と自己PRしている人に着目し、履歴書をしっかり読み込んだ上でスカウトすることで、意外な採用につながるケースもあります。

「条件を広げる」と聞くと、「誰でもいいから採用する」というイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。むしろ、「この会社ならではの視点で、活躍の可能性がある人材を見つけ出す」という姿勢が重要です。

※実際に船橋の住宅会社様では、「オファくる千葉」を活用して営業未経験者にスカウトを送り、採用に成功。その方が入社後に営業として大いに活躍していると伺っています。

ちなみに、千葉の中小企業にとっては、関東以外の居住地の登録者に目を向けることも有効かもしれません。地方から都心に出てきたいという人にとっては、千葉は住むのに魅力的な都市です。都心に出たい理由がプライベート面にあるのであれば、千葉に転居し、千葉の企業で勤めることも選択肢となり得ます。大手のダイレクトリクルーティングサイトであれば、居住地にこだわらず、関東勤務希望者にアプローチするのもありだと思います。

スカウト成功企業の多くは、「履歴書を眺めて終わり」ではなく、「この人は接客経験があるから、営業に転用できるかもしれない」「この人は製造業志望だが、モノづくりに関わる営業なら興味を持つかもしれない」と、経験を活かして活躍する未来を想像しながらターゲットを広げています。
実際に弊社「オファくる千葉」でも、ターゲットを見直したことで採用成功につながった事例が多くあります。

ただ、このターゲットを広げる作業は、想像以上に根気が必要です。
貴重なデータベースを使って、職務経歴書や自己PRに目を通し、「自社で活躍できそうな人材はいないか」と試行錯誤を重ねることになります。「一通り探して終わり」ではなく、「こういう人も対象にできないか?」と視点を変えながら探し続けることで、ようやく「この人だ!」と思える人材に出会えるのです。

​​​​​​​そうした柔軟な視点と、継続的に探し続ける姿勢を持っている企業こそが、ダイレクトリクルーティングで着実に成果を上げているのです。


継続的にスカウトを行うための具体的な方法

継続性が重要であると理解しても、実際に中小企業がそれを実行するのは簡単ではありません。そこで、スカウトを継続するための2つの方法を紹介します。

担当者を明確に決め、定期的にスカウトを行う

「スカウト業務を誰が担当するのか」が曖昧だと、忙しい日々の業務の中で後回しになりがちです。そのため、専任担当者を設置するか、定期的にスカウトを行う担当者を明確に決めることが重要です。

具体的には、

  • 週1回のスカウトタイムを設定し、継続的に新規登録者へアプローチする
  • ターゲット条件の見直しを定期的に行い、スカウト対象者を広げる
  • 毎日、検索条件にマッチした新規の登録者情報を必ず確認する
  • スカウトの返信率をチェックし、文面の改善を行う

このように、スカウト業務をルーティン化することで、継続的な取り組みが可能になります。

スカウト代行を活用する

「スカウトを継続するのが難しい」「リソースが足りない」と感じる場合は、スカウト代行サービスを活用するのも一つの手です。

スカウト代行を利用することで、

  • 求める人材の要件に基づいたターゲットへのアプローチができる
  • 採用担当者の負担を軽減できる
  • 一定のペースでスカウトを送り続けられる

ただし、スカウト代行を利用する際は、「どこまで企業の意図を反映できるのか」を事前に確認し、求める人材とマッチするように綿密なすり合わせを行うことが重要です。
そのためにも、求めている人材像を明確にし、言語化できるようにしておくことが大事です。


まとめ

ダイレクトリクルーティングを中小企業が成功させるためには、スカウトを継続的に行うことが最も重要です。そのために、

  • 返信率が低いことを前提に、一定数のスカウトを送り続ける

  • 新規登録者に迅速にアプローチし、競合に遅れを取らないようにする

  • 求職者の転職タイミングに合わせ、長期的にスカウトし続ける

  • 検索条件を定期的に見直し、ターゲットを広げる工夫を重ねる


これらを意識した上で、スカウト担当者を明確にする、または代行を活用することで、継続性を担保する仕組みを整えることがポイントになります。

継続的な取り組みを行うことで、ダイレクトリクルーティングの成功確率を大きく高めることができます。ぜひ、自社に合った方法を取り入れ、長期的な採用戦略を構築してみてください。

株式会社千葉キャリ 代表取締役 種村 剛
株式会社千葉キャリ 代表取締役 種村 剛
大学卒業後、大手損害保険会社に入社。営業職として4年勤務した後、コンサルティング会社を経て、2003年に株式会社千葉キャリを設立。 数多くの中小企業の採用活動に携わり、企業経営者、人事担当者の視点に立った転職サポートを行うことがモットー。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)資格保有。