異業種からの挑戦│父の働く姿をみて、憧れていたものづくりの仕事へ

生徒の卒業を機に、自分自身も新しい道へ

これまでの経歴を教えてください

最初は全くものづくりとは異なる方面を目指していて、動物看護の専門学校へ進学、そのまま動物関係の仕事へ進みました。が、色々と環境が合わずに3ヶ月で退職。その後は派遣バイトを経て、個別指導塾へ転職をしました。

学習塾に勤めていた期間は約10年ほどで、学習指導だけでなく、教室長も任され、マネジメントなども行っていました。

キャリアを積んだ仕事を辞めて転職しようと思った背景は？

コロナ禍で世の中の状況が変わったこと、あとは、自分が長く受け持っていた生徒が高校を卒業する年だったので「自分自身も心機一転、新しい環境に行ってみようかな」と、考えたからです。勤めていた学習塾は、小学生～高校生まで幅広く在籍していたのもあり、その生徒も小さい時から見ていて。ちょうどいい区切りかなぁと。

「父の背中に憧れ」ものづくりの仕事へのチャレンジ

転職するにあたって、やりたいことなどはあったのですか？

父が電気工事関係の仕事をしていて、プラントだったりレジャー施設だったり、色んな場所の建設に携わっていて。そんな父の姿をずっと見てきて「自分もものづくりの仕事をしてみたい」「いまが目指す時なんじゃないか」と、以前から持っていた”憧れ”をいまこそ実行しようと思ったんです。

では、すぐに転職活動スタートへ？

いえ、憧れているとはいえ、いままで全くものづくりの仕事に関わってこなかった人生ですので（笑）

まずは職業訓練校に通い、設計・製造について学びました。それと同時に、転職サイトのアプリを入れて通学時に見てみたり、ハローワークで案内を受けてみたり、どんな会社・どんな仕事がいいのかを検索しました。

実家から自動車で通えるエリアを希望していたので、香取・小見川・海匝エリアを中心に検索をしていたら、ちばキャリでいくつか募集してる会社を見つけ、そこから何社か応募をさせていただきました。

転職活動の感触はどうでしたか？

やっぱり「ものづくり＝男性社会」という現実に直面しましたね。求人を見ていても「男性が欲しいのかな？」「これは現場の技術者募集か」なんて思うこともありましたし、また、私ができそうな仕事で未経験者を採用している会社も多くないなぁという印象でした。

でも、その中で見つけたのが「福富製作所」。

当時学んでいた内容にほぼ合致した求人内容、門扉製造という全く経験のないジャンル、また、ちばキャリの検索画面にあった大きく目立つ門扉のみの写真にとても惹かれたんです。また、募集職種が「設計補助」であった点でも「補助なら自分にもできそうかも」と感じられて、気づいた時には「ここしかない！」と動いていましたね。

面接での印象など覚えていますか？

面接を担当してくださったのが社長と専務でしたので、かなり背筋は伸びましたね。でも、面接時の印象としては優しく、丁寧に志望動機や職務経歴を聞いていただいたあと、工場内の見学をさせていただき、緊張はしましたが、本当に丁寧に、柔らかく話を引き出してくださって、とても安心したのも覚えています。

仕事について「本当にできるだろうか…」不安があったのも事実ですが、内定をいただいた際に「最後まで訓練校に通ってからの入社でいいですよ」とも声を掛けていただき、少しでも知識を身につけ自信をもって入社日に臨もう、という気持ちが改めて固まりました。

学校へ通っていた期間を含めると9ヶ月ほどのブランクはありますが、転職活動自体は1ヶ月くらいなので、想像より早く転職先が決まったという感触でしたね。

やりたいこと、自分に任せてもらっていること、仕事は日々増えていくもの！

入社後まずはどんな仕事から始まったのですか？

入社当時（2021年12月）は専務が1人で設計を担当していたのもあり、入社後すぐに専務のもとで、CADを使用した門扉設計の補助からスタートしました。専務の直属の部下というポジションであることや、社長とも自席が近いこともあって、日々の業務以外にも会社や業界で必要な知識については「隣や後ろを向けば、すぐに聞ける環境」で仕事を行っています。

設計についてはまだまだ知識もスキルも追いつかない部分はありますが、いまは概要設計を私が担当、詳細な部分や実際に使用される部品の設計など、より高度な技術が必要な部分は専務が設計を行うなど、分担をして作業を進めています。

社長や専務から「ほんと助かっているよ」と嬉しいお声掛けもいただくのですが、自分はまだまだ頼らせてもらっていることが多いので、もっとできるようになりたいという気持ちがありますね…。

でも、いまは設計業務だけでなく、社内の色んな業務に携わらせてもらっています！

どんなことをやられているのですか？

NC加工機の図面製作とプログラム入力、鎌数工場へ注文する部品の展開図作成と部品手配、広告用YouTube動画の撮影と編集です。

そんなに！思っていた倍以上の仕事の幅なのですが（笑）

いえいえいえ、仕事は増えるものですよ！結果、自分のスキルになり、それがお給料に繋がっていく、と思ってます。

NC加工機についても職業訓練校で学んでいたので「学んだことだ！知識が活かせる！」と楽しくやっていますし、昨年（2022年7月）に「Hさん、動画編集やってみない？」と誘われ、気づいたら社長と専務と一緒に広告のセミナーに参加してて。そしたら、YouTubeの撮影と編集が始まり、最初は簡単な投稿だけだったのですが、いまでは日々変わっていくトレンドに合わせて戦略を立てていくことを楽しんでやっています！

時々キャパオーバーになる瞬間もありますが（笑）、前職と比較すると深夜に差し掛かることなんて一切ないですし、頼れる人も近くにいますし、大きなやりがいです。

日々の仕事の中でのやりがいが、とても感じられそうですね。

大きいですね！

製作に携わった門扉が図面と同じ形で出来上がり、お客様の元へ届くこと。その工程も日々精進しなければと奮起していますが、やはり「満足した。ありがとう」という声を聞けると嬉しいですね。

門扉のサイズも大型のものが多いですし、有名な場所に設置されるものや官公庁案件、最近ではお寺に設置する門扉を製作したのですが、木目調の塗装をオーダーされるなど、いままでの扱ったことのない特殊な案件で！複雑な加工で難しんですよ、でも、「福富製作所を頼って」のフルオーダーでのご依頼なんです。ワクワクする瞬間もたくさんありますね。

ちなみに、働き方という面ではどうですか？

受注量での波はありますが、定時でスパッと帰っています！多くても、月に10時間も残業はないです。前職では残業が多かったので、17時退社ができることに感動してます（笑）土日や祝日も休みですし、有休も取りやすくて、嬉しいですね。

YouTubeの撮影もあって私は事務所と工場を行き来する機会が多いのですが、現場の皆さんには「また来たのかよ、YouTuber」「盗撮すんな！笑」なんて、いじってもらうなんてこともあったり。事務所にいる皆さんもなんでも聞けて気軽に話ができるので、人の環境もとても居心地いいと感じています。

日本の中小企業の高い技術力とは、まさに福富製作所のことと実感

私もこの辺が地元ですが「こんな大きなことをやっている会社があるんだ」という印象でした

そうなんですよ！正直な話「旭市＝農業」っていうイメージでした。時々テレビに出る時も、たいだい農業・漁業関係ですし。

最近『日本の中小企業の高い技術力』という言葉をよく聞きますけど「ここにあったんだ！まさに、福富製作所のことじゃん！」と、感じる瞬間がありますね。凄い会社に出会えたな、と。

でも、1つの技術のみを武器にしているだけでなく、「RE門扉事業の展開（※）」や「YouTubeを活用した営業活動」など、自社の強みをさらに強くできるように、常に新しいことをしている会社でもあると感じます。私は苦手なのですが、社長と専務の発想力がすごくて「やれないことはないから。やってみない？」と、その行動力も凄いなぁと感じています。

（※）RE門扉事業：既存の他社製レールをそのまま利用して門扉本体を「福富の連動門扉」に交換するサービスのこと

最後になりますが、これからの目標はありますか？

「一人前になること」というと漠然としてしまいますが、直近の目標だと、手配・設計・製作工程などまだまだ経験不足なところはありますが、専務の1/3くらいの業務量を3年目までにできるようになりたいです。最終的には現場の実測～設計～手配まで任せていただけるような人材になりたいです。

また、YouTubeの方でもワードによっては検索トップのものもあるので、維持＋トップを増やすことを目標にしています！

本日はありがとうございました