
転職希望者リサーチ結果(2025年6月)
📊千葉勤務希望者の特徴把握が採用力向上につながる
~首都圏在住の転職希望者の実態と意識に関する調査~
株式会社千葉キャリは、2025年6月20日から6月23日にかけて、首都圏在住の転職希望者414名を対象に、転職活動の実態と意識に関する調査を実施しました。
今回の調査では、千葉県内での勤務を希望する層を中心に、現在の就労環境や転職活動の手法、転職に対する志向や重視点などについて詳細に分析しています。
調査結果には、千葉県内で中途採用を行う企業が人材戦略を考える上で参考となる、多くの有益な情報が含まれていますので、ご紹介します。
1.転職を検討している理由について
❗「給与アップ」だけじゃない。「評価が見えない」ことへの不安が転職の動機に。
千葉勤務希望者の転職を検討している理由の1位は「評価があいまい」となりました。
評価制度を整えること、評価の仕組みをわかりやすくすることが、特に千葉エリアにおいては、採用力の向上につながる可能性があります。

転職を検討している理由については、「評価があいまい」が41.3%、「給与が低い」が36.5%、「仕事が合っていない・つまらない」が30.2%と、上位を占めています。全体平均との差が大きかったのは、「評価があいまい」が5.1ポイント、「仕事が合っていない・つまらない」が7.5ポイント、「職場の雰囲気がよくない」が6.7ポイント高い点です。
このことから、千葉勤務希望者は給与面だけでなく、評価制度の透明性や仕事の適合度、職場の雰囲気といった「働く環境の質」に対する不満や関心が強いことがうかがえます。単なる待遇改善だけでなく、評価の仕組みや職場の雰囲気といった定性的な要素も重視している点が特徴です。
2.応募企業を選定する上で重視する要素について
❗「給与」「勤務地」に次いで問われているのは、「休めるか」「働きやすいか」といった要素。
千葉勤務希者の特徴は、「給与」「勤務地」に加えて、「休日数」や「福利厚生」に関心が高いことがわかります。

応募企業を選定する際に重視する要素については、「給与」と「勤務地」がともに81.0%、「仕事内容」が76.2%と、いずれも高い割合を示しています。また、全体平均と比べて大きな差が見られたのは、「休日数」が全体よりも11.7ポイント高い61.9%、「福利厚生」が13.6ポイント高い57.1%、「雇用形態・働き方の柔軟性」が12.1ポイント高い41.3%でした。
この結果から、千葉勤務希望者は給与や勤務地といった基本的な条件だけでなく、休日数や福利厚生、働き方の柔軟性といったワークライフバランスや働きやすさにも強い関心を持っていることが分かります。他エリア希望者と比べ、「生活の質」や「働きやすい環境」をより重視する傾向が明確です。
3.利用している転職活動手法について
❗千葉勤務希望者はまだまだ公共機関や折込求人広告の利用率が高い
千葉での地域密着型の採用活動として、ハローワークや折込広告、縁故を活用する効果は高そうです。人材紹介やダイレクトリクルーティングサービスの利用率が低い点も注目です。

転職活動で利用している手法については、「求人サイト」が60.3%、「公共機関」が42.9%、「人材紹介」と「友人・知人」がともに20.6%という結果でした。全体平均と比べて「公共機関」は18.3ポイント、「折込求人広告」は8.5ポイント高く、一方で「人材紹介」は19.3ポイント、「ダイレクトリクルーティング」は7.5ポイント低い傾向が見られました。
この結果から、千葉勤務希望者は地元密着型の伝統的な求人情報源を利用する傾向が強く、最新の人材紹介サービスやダイレクトリクルーティングの活用は比較的少ないことが分かります。新しい採用手法はかなり遅れて浸透してくるイメージですので、古い採用手法を軽視はできませんね。
4.求人サービスで必要だと思う情報・機能、充実させてほしい情報・機能
❗千葉勤務希望者は教育体制を重視する傾向が強い
想定年収や労働環境の実態を知りたい転職希望者が多いので、求人原稿でそれらをできるだけオープンにすることが大事です。
また、教育体制への関心が高いのは、勤務地重視で異業種や異職種へのチャレンジが多い千葉勤務希望者だからこそかもしれません。

求人サービスで必要・充実してほしい情報や機能については、「想定年収」が55.6%、「労働環境の実態」が44.4%、「口コミ」「仕事内容がわかる動画」「職場の雰囲気がわかる画像」がいずれも42.9%でした。全体平均との差が大きかったのは、「職場の雰囲気がわかる画像」が9.3ポイント、「仕事内容がわかる動画」が5.5ポイント高い点です。
このことから、千葉勤務希望者は職場の雰囲気や仕事内容を視覚的に把握できる情報へのニーズが非常に高いことが分かります。単なるテキスト情報だけでなく、動画や画像などリアルな職場イメージを重視する傾向が強い点が特徴です。
5.リモート勤務の状況について
❗千葉希望者の実に約9割がリモート勤務なし。
転職を検討する理由にはデータとして現れていませんでしたが、リモート勤務がないことを不便に感じている人も多いかもしれません。

全体として、「リモート勤務なし」の突出した高さが際立っています。その中で、千葉勤務希望者の87.3%が「リモート勤務が全くない」と回答しており、これは全体平均の66.2%よりも21.1ポイント高い結果となっています。
千葉勤務希望者は職場や業種の特性、あるいは地域の雇用環境により、対面型の働き方をしている割合が圧倒的に多い点が特徴です。転職の動機につながっている可能性もありますので、リモートで就業できる環境の整備が採用活動上の差別化につながるかもしれません。
6.総括
千葉県勤務を希望する転職希望者の特徴が色々と出た調査結果となりました。
転職を検討している理由や応募企業を選定する上で重視する要素の上位は大きく変わりませんが、「評価のあいまいさ」や「仕事のつまらなさ」を不満に思っている人が多かったり、「休日数」や「福利厚生」を重視する人が多かったり。
転職活動手法においては、公共機関や求人折込広告、縁故を利用する方がまだまだ多いことも特徴として出ていました。
採用活動環境は厳しさを増していますので、千葉での転職を希望する方の特徴をしっかりつかみ、彼らの望む情報をしっかり提供することで、少しでも採用力の向上につなげられるとよいと思います。