
千葉の転職希望者動向分析②(株式会社千葉キャリ)
株式会社千葉キャリが、千葉を含む首都圏での転職希望者(できれば千葉県内を希望・千葉県内または東京都内を希望・特に気にしない)向けに、転職活動に関するリサーチを行いました。
内容は、主に現在の就労環境や転職手法、転職における志向に関するものです。
今回は、その中でも、現在、都内に勤務している方と千葉に勤務している方の比較データをご紹介します。
千葉県内で中途採用を行っている中小企業にとっては、現在、千葉県内での勤務している転職希望者は非常に重要度の高いターゲットです。
とても興味深いデータとなっていますので、参考にしてください。
トピックス
- 直近1年で給与UPなしの割合は、千葉勤務者(33.6%)が都内勤務者(30.6%)より高い。
- ボーナス支給なしの割合は、 千葉勤務者(24.8%)が都内勤務者(16.7%)より高い。
- 「残業なし」の割合は千葉勤務者(18.7%)が都内勤務者(12.0%)より高い。また、「月5時間未満」においても、千葉勤務者(16.8%)が都内勤務者(12.0%)より高い。
- 「リモート勤務なし」の割合は千葉勤務者(83.6%)が都内勤務者の(55.6%)よりはるかに高い。
- 同業種・同職種への転職希望は、 都内勤務者(33.3%)が千葉勤務者(28.0%)より高い。「異業種・異職種(いずれも詳細は決まっていない)」への転職希望者は、千葉勤務者(25.7%)が都内勤務者(16.7%)より高い。
- 「人材紹介」を利用する方は、都内勤務者(44.4%)の方が千葉勤務者(26.6%)よりもはるかに高い。
詳細
Q1.直近1年間で、給与が上がったかどうか(賃上げや昇給)について教えてください。
💡給与UPなしの割合は、千葉勤務者(33.6%)が都内勤務者(30.6%)より高い。
また、給与が減少したと答えた方も千葉勤務者(9.3%)が都内勤務者(6.5%)より高い。
都内の企業の方が千葉の企業よりも、賃上げに対する意識や余力が高いことが考えられます。
Q2.夏のボーナス支給(見込み)について教えてください。
💡ボーナス支給なしの割合は、 千葉勤務者(24.8%)が都内勤務者(16.7%)より高い。
「60万円以上」の高額支給者の割合は、都内勤務者(21.3%)が千葉勤務者(11.7%)よりも高い。
都内の企業の方が千葉企業よりもボーナスを支給する企業の比率、ボーナス支給額ともに高いことが伺えます。
Q3.直近3カ月の平均残業時間について教えてください。
💡「残業なし」の割合は千葉勤務者(18.7%)が都内勤務者(12.0%)より高い。
また、「月5時間未満」においても、千葉勤務者(16.8%)が都内勤務者(12.0%)より高い。
一方、「月45時間以上」の長時間労働者の割合は都内勤務者(14.8%)が、千葉勤務者(7.5%)より高い。
千葉勤務者は残業時間が少ない傾向が強く、長時間労働の割合は、都内勤務者の方が高いことが伺えます。
Q4.リモート勤務の状況について教えてください。
💡「リモート勤務なし」の割合は千葉勤務者(83.6%)が都内勤務者の(55.6%)よりはるかに高い。
都内勤務者においては、10.2%の方が「週5日リモート勤務」を実施。
リモート勤務に関しては、都内勤務者の方が圧倒的に整っていることが伺えます。
Q5.転職活動の方向性について教えてください。
💡「同業種・同職種」への転職希望は、 都内勤務者(33.3%)が千葉勤務者(28.0%)より高い。
「異業種・異職種(いずれも詳細は決まっていない)」への転職希望者は、
千葉勤務者(25.7%)が都内勤務者(16.7%)より高い。
都内勤務者は現在のキャリアを活かす傾向が強く、千葉勤務者は現在のキャリアを活かすより、
別の要素(勤務地など)の優先順位を高く設定している可能性が考えられます。
Q6.応募企業を選定する上で重視する要素を教えてください。
💡千葉勤務者は応募企業を選定する要素として、「給与」(83.6%)よりも、「勤務地」(84.6%)を挙げる方が多い。
「リモートワークの有無」を重視する割合は都内勤務者(47.2%)で、千葉勤務者(8.4%)よりも圧倒的に高い。
都内勤務者は千葉勤務者と比べて、「給与」や「リモートワーク」を重視する比率が高い他、
「会社の成長性」や「自身の成長環境」「会社の規模・知名度」を重視する比率も高く、
キャリア志向が強いと考えられます。
Q7.転職を検討している理由について教えてください。
💡「給与が低い」を理由とする割合は、千葉勤務者(54.2%)が都内勤務者(50.0%)より高い。
「成長できない、キャリアの見通しが立たない」を理由とする割合は都内勤務者(26.9%)が千葉勤務者(22.9%)より高い。
「通勤時間」を理由とする割合は、都内勤務者(24.1%)が千葉勤務者(10.3%)よりはるかに高い。
都内勤務者は、千葉勤務者と比べて、自身の成長性や仕事とのマッチングを転職検討理由とする方の比率が高く、
キャリア志向が強いと考えられます。
Q8.利用している転職活動手法について教えてください。
💡いずれも「求人サイト」を利用する方の割合が一番高い。
「人材紹介」を利用する方は、都内勤務者(44.4%)の方が千葉勤務者(26.6%)よりもはるかに高い。
一方、「公共機関」、「友人・知人・親戚の紹介」においては、千葉勤務者の方が都内勤務者よりも高い。
多くの手法において、都内勤務者の方が比率が高く、都内勤務者の方が多様な転職活動を行っていると考えられます。
また、千葉勤務者の方が、公共機関や友人・知人の紹介、折込求人など、アナログな手法を好む傾向も伺えます。
千葉勤務希望の都内勤務者にアプローチするには、人材紹介やダイレクトリクルーティング、
口コミサイトの利用検討も視野に入れる必要がありそうです。
Q9.求人サービスで必要だと思う情報、充実させてほしい情報があれば、教えてください。
💡都内勤務者が求人サービスに充実させてほしい情報として「想定年収」(72.2%)が一番、
次いで「労働環境の実態」(60.2%)となっている。
一方、千葉勤務者においては「想定年収」、「労働環境の実態」の2つが58.9%と同率で一番となっている。
また、都内勤務者は「人事評価制度」を挙げている方が50.9%と、千葉勤務者(39.3%)よりも多い。
千葉勤務者の方が、職場の雰囲気や労働環境を重視する傾向が強く、都内勤務者は
経営者や社員など、人に関する情報を重視する傾向が強いことが伺えます。
総括
千葉勤務者と都内勤務者で、給与UPや夏のボーナス支給、リモート勤務において大きな差があることがわかりました。
都内企業の方が給与アップや賞与支給の余力がありそうですし、採用競争が激しいため、給与・待遇面の改善意欲が高いことが考えられます。
転職先に関しては、都内勤務者の方が「同業種・同職種」への転職を希望する割合が高く、「異業種・異職種」への転職希望は千葉勤務者が高い結果になっていました。
これは、都内勤務者の方が現在のキャリアを活かして転職先を検討する志向が強く、千葉勤務者は現在のキャリアを活かすことよりも、勤務地や給与、残業時間、職場の人間関係など別の要素を重視する傾向が高いと捉えることができるでしょう。
千葉勤務者はキャリアチェンジへのハードルが低いとも捉えられますので、採用企業にとっては、未経験者募集のチャンスが大きいとも考えられるのではないでしょうか。
また、転職活動においては、都内勤務者の方が多様な方法を利用しているほか、人材紹介やダイレクトリクルーティング、口コミサイトの利用率が高い傾向が現れています。このことから、都内勤務者を採用するには、人材紹介やダイレクトリクルーティングなどの検討も必要だと感じます。
求人サービスに充実させてほしい情報としては、「想定年収」「労働環境の実態」「仕事内容がわかる動画」などが上位に挙げられており、透明性の高い情報の提供が求められていることを感じます。アンケート結果を踏まえて、より質の高いコンテンツの提供に努めたいと思います。
調査概要
(1) 実施期間:2024年5月31日(金)~6月3日(月)
(2) 調査対象:首都圏在住で千葉での転職を視野に入れて転職活動中、転職活動を検討中の方
(3) 回答人数:440人
(4) 調査方法:インターネット調査
※「【千葉県の中小企業様向け】千葉における転職希望者の動向と志向/調査結果」(株式会社千葉キャリプレスリリース)