タイセーテクニカ株式会社
いまはまだ、スタートライン

いまはまだ、スタートライン

H・Tさん(59歳)
2023年入社
前職:医療機器メーカーでの品質管理
現職:精密機械加工部品の品質管理

30年勤めた大手企業から、新たな環境へ

―まずこれまでのご経歴について教えてください

30年近く、とある医療機器メーカーにいました。

調達・生産管理・品質保証など製造におけるあらゆる工程を経験し、品質保証ではISO対応や顧客監査、社内監査にも対応していました。

―どういったことがきっかけで、タイセーテクニカに?

長く勤めていた医療機器メーカーが、M&Aにより清算となったことがきっかけです。

タイセーテクニカは、当時の会社の取引先でした。黒古社長をはじめ、タイセーテクニカの社員とも親交があり、私の方から「タイセーテクニカで働かせてくれないか」と黒古社長に聞いてみました。

ただ…

―ただ?

実は最初は「いまはHさんを雇える状況じゃない」って断られているんです。でも、その後も黒古社長とは、友人の一人のような感じで連絡を取り合う関係性は続いていて。

間に私は2社、別の製造系企業に転職しているのですが、2年前、黒古社長から「Hさんに相談したいことがある」と連絡をいただいたんです。タイセーテクニカに来てほしいというお話でした。

―当時から入社したいと思えるくらいタイセーテクニカに魅力を感じていたのですか?

何でしょうね、黒古社長の人柄に共感していたのかもしれません。年齢も同じで親近感もあったのか、私にとって特別な存在ではありました。取引先だったときも、互いに色々な話をしていました。

タイセーテクニカという会社自体は、内部がどうなっているかとか、当時は全然知らなかったのですが、それでも、黒古社長とともに仕事をしてみたいと感じました。上手く言葉にはできないのですが、ずっと、私はここに来たいと思っていました。

―ご入社のきっかけとなった「相談」とは具体的にどんなものだったのですか?

相談は「Hさんの経験を活かして、営業の手伝いをしてほしい」といったものでした。

当時は現在の「品質管理課」はなく、「営業部 品質管理担当」というポジションで入社しました。

成長に向けた業務改善を任されました

ー具体的にどんな業務を?

入社後は品質管理課の立ち上げから関わり、既存の検査体制や協力工場の見直し、情報資産の管理方法の見直し、コスト管理など、幅広く改善を進めています。

「品質管理=製品検査」というイメージが強いですが、実際の品質管理は、出来上がった製品を検査するだけではありません。私は「品質=会社の業務そのもの」だと捉えていて、いまの当社での品質管理は、業務全体の仕組み改善に結びついています。

…と、私の仕事は「営業」とか「製造」など一言で言えるようなものではなく、タイセーテクニカの品質管理体制を確立するために、社長とも、営業現場とも近い位置で動いているといったイメージです。

ー働く環境はガラッと変わりましたか?

はい、業態や規模感も全然違いますね。小さな改善提案を一つ行うにも、何人もの承認が必要だった前職と比べ、自分の裁量はとても大きくなりました。それは、やりやすさにも繋がる一方で、はじめは慣れない点でもありましたね。

品質管理自体は前職でも経験していたため、自ずと課題は感じられて、自分のやるべきことは見えていました。

ー入社直後は、どんなことから始めていったのですか?

まず初めにやったのは、営業部の棚の整理。不要なものの仕分けもそうですが、在庫や顧客に関わる書類管理も営業担当ごとに属人化されていたため、まずは「何がどこにあるのか」を社内全体で共有できるように棚番を設定して、管理する仕組みをつくりました。

その後、営業一人一人と相談しながら、少しずつ営業フローについても改善を進めていきました。

ーたとえば、どんな課題があったのですか?

当社は部品の仕入れだけでなく、協力工場と連携して、部品のオーダーメイド加工にも対応しています。私が入社するまで品質管理課はなく、協力工場の選定は営業個人に委ねられていました。しかし、加工精度・納期対応力・経営の安定性など、複数軸で外注先を評価して発注していく必要があると感じました。

現在は営業が受注した内容に対して、品質管理の立場からアドバイスを行い、品質はもちろんコスト面やリスク面なども含めて管理を行うようになりました。

ーHさんが進める業務改善、他の社員様はどのような反応を?

私の提案にどう思ったのかは、人それぞれだと思います。変化を肯定的に感じた人もいれば、もしかしたら今までのやり方が良いと思っている人も、いるかもしれません。

ただ、私のポジションで業務改善に対して人の顔色を伺ったり、遠慮しても仕方ないと思うんです。また、いくら私が変えようとしても、社員が変わろうとしなければ実現できません。だから、「私はこうしていきたい」という自分の意思ははっきりと伝えて、あとは社員に委ねています。

ーHさんの経験値があるからこそのポジションだとも思います

私も日々、変化の連続ですよ。自分がいままでいた環境と当社は異なるし、私のやり方が正しいとも限りませんから。

私が言うばかりではなく、社員も私に意見が言いやすい環境をつくることも、私の仕事の一つだと思っています。

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ーキャリアは一貫して製造業とのことですが、Hさんにとって製造業はどんな魅力がありますか?

正直、はじめはモノづくりに興味があって製造業に入ったわけではなく、たまたまです。でも、一度やると決めたことは貫こうというのが、私のモットーでもあって。

前職での話にはなりますが、自分が携わった機器がテレビで紹介されていて。もちろん自分の会社名なんかは出ないのですが「この一部におれが携わったんだなぁ」と実感できるのが、製造業の醍醐味ですね。

タイセーテクニカは部品の加工や納品を担っていますが、小さな部品といえど、それが一流メーカーの、誰もが知っている車とか、人々を助ける機械の一部になるわけです。自分が売った部品が使われているわけですから、誇りを持てますよ。

ー機械には欠かせない大切な部品ですものね

あと、工場に出入りする営業と、顧客である担当者の距離が近いところも好きですね。会社によるのかもしれませんが。

製造業は、かしこまった営業よりも、仕事とは直接関係ない話もできるような親しみやすい営業が活躍していることが多い印象です。仲良くなってこそ、本音が話せるようになりますし。私と黒古社長も、そんな"ぶっちゃけられる”関係性でした。

ー本音、たしかに

タイセーテクニカの営業はノルマがなくて、なおかつルート営業がメイン。未経験の方も始めやすいと思いますし、お話が好きな方なら、お客様とも仲良くなれて、やりがいを持てるのではないでしょうか。

ただ、ルート営業は安定している分、仕事がマンネリ化しやすいという側面もあるので、私個人としては今後新規開拓もやってほしいなと思っています。それは大変なものではなく、仕事をもっと面白くするスパイスとして。

どんな仕事もそうですが、自分でいくらでも仕事を面白くしていけると思うんです。

ーたとえば?

当社の営業なら、ノルマがない分、月々の数字に追われることはないので、自分で上手くスケジュールを調整して、提案資料をさらにわかりやすいものに工夫して作ってみたり、外部セミナーを受講して新しい知見を取り入れてみたり。効率的に成果があげていくことが営業の面白さでもあると思うので、そこを追求できるともっと楽しくなるんじゃないかな。

私は営業ではないのですが、今までのキャリアにおいて、そんなふうに「変化を起こすこと」を大切にしてきました。

ーというと?

自分だけじゃなく、部門全体の改善を考えるという立場にいると、周りを変えることが必要になります。でも、私は「人を変えるのではなく、まずは自分が変わる」ということが大切だと思っています。

転職したり、担当するポジションが変わったとき、本当にここでは自分のやり方が合っているのかどうか、自分が足りないものは何なのかを、常に見直して、新しいことにチャレンジしてきました。そうすることで、視野も広がり、周りとのコミュニケーションも工夫できるようになりました。

私ももうすぐ60歳。年齢が高くなると変わることも簡単ではないと実感していますが、それでも変化こそが仕事を最高に面白くすると思っているので、まだまだ、やっていきます。

ーやりがい、ありそうですね

ほんとうに、まだまだです。品質管理課として、やるべきことは山積み。でも、最近やっと、品質管理課をしっかり機能させていくためのスタートラインに立てたような気もしています。

さらなる成長のためには仲間も必要ですし、これからが楽しみです。

企業担当者の声

Hさんは、元々当社のお客様先の担当者でした。私自身、営業として当時のHさんの会社に通っていて、商社営業とメーカー担当者という関係性であっても、年齢が同じだからか、趣味が近い(お互い釣りが好き)ということもあるのか、どこか親近感がありました。

前職ではISOをはじめ、さまざまな責任者を歴任し、経営会議にも参加していた経験のあるHさん。当社でも、品質管理課としての業務だけでなく、人事関係やお金周りのことなどを相談でき、ときには忌憚のない意見を伝えてくれます。社歴はまだ2年といえど、間違いなく当社では大きな役割を担う一人です。

当時、Hさんの方から当社に入社したいと言ってくれたときは素直に嬉しかったですし、現在は経営者に最も近い存在として、とても頼りにしています。(代表・黒古より)

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