三立機械工業株式会社
働く時間は、楽しい時間で。

働く時間は、楽しい時間で。

S・T(44)
2007年入社
前職:機械保全
現職:リサイクル装置の製造(工場長)

試しにやってみた機械保全の仕事で…

ーSさんは、どんなお仕事をされているんですか?

入社以来、溶接・製缶スタッフとして、リサイクル装置の製造をしてきました。7年くらい前に工場長というポジションになり、いまはどちらかというとマネジメントの仕事が多いですね。

ーリーダーポジションとして活躍されているんですね。ずっと製造一筋なのですか?

いやいや。自分は、製造の仕事に就くまで「自由な生き方がしたい!」と色々な仕事を転々としてきました。「音楽でご飯を食べたい」という時期もあったし、イス職人に憧れて建築の学校に行ったり、訪問販売の仕事をしていた時期もあります。

ただ、どれもなかなか続かず…。そろそろ定職について、手に職を付けたいと思い、まずは機械保全の仕事をはじめました。

ー機械保全の仕事は、三立機械工業に入る前ですか?

そうです。ただ、そこで自分の知識のなさに打ちのめされました。
機械保全は、機械の点検をして、不具合があれば直す仕事。不具合は毎回同じではないので、知識と臨機応変な対応が求められます。当時の自分には、レベルが高かったんです。

その悔しさをバネに、ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)に通い、電気関係を学びました。その後、三立機械工業に入社しました。

5年、10年後の、スキルが身に付いている自分が見えた。

ー入社後、どんな仕事からスタートしたのですか?

溶接の仕事からはじめました。溶接自体は未経験だったので、先輩や、外注さんにも教えてもらいながら、少しずつ溶接のスキルを身に付けていきました。

ーその後は?

溶接以外にも、組立をするなど、幅広く機械の製造に携わりました。当社は、製品や状況に応じて、色々な製造工程に携わります。その分覚えることは多いのですが、できることがメキメキと増えている実感がありましたね。

ー元々、モノづくり自体は好きだったのですか?

「自分で考えたり、イメージしたものを形にする」っていうのが楽しくて、好きなんだと思います。それは、音楽でも、モノづくりでも、何でも言えると思いますね。

ーそれから17年が経過。どうして続けてこられたのだと思いますか?

5年後、10年後に、自分がどのくらいスキルアップしているのかを、イメージしやすかったのだと思います。

小さな部品製作からはじまって、少しずつ大きな部分をつくれるようになる。溶接以外にも、組立、板金(金属を曲げたりして加工すること)、塗装など、色々な工程にチャレンジすることができる。

つくる製品も、工程も、日々チャレンジの連続で、飽きることはありませんでした。

「自分が必要としてもらえている」と感じるのも、居心地がよかったんだろうなと思います。

「未来」の話をすることが多い。

ーリーダーのポジションになって、仕事は変わりましたか?

変わりました。
ざっくりいうと、自分が手を動かしてモノづくりをすることから、製造部全体の工程や目標を管理する仕事になりました。必要なスキルや知識がまったく違う、別の仕事になりましたね。

ーどんな部分が大変でしたか?

マネジメントを学んだことのない状態からのスタートだったので、不安もありました。ただ、当社はずっと「みんなで意見を出し合う」というのがスタンダードだったので、その流れは変えずに、工場長として「仕組みを作る側」の仕事をコツコツ学んできました。

ー具体的には?

当社では、現場スタッフが日々の業務の中で生まれたアイデアを上司や他部門に伝えやすい環境があります。「もっとこうすれば効率化できるんじゃないか」「こうすればコストを抑えられるんじゃないか」と、小さなことでも共有することで、実際に多くの仕組みや改善が導入されてきました。

考えてみると、「未来」の話をしていることが多いですね。

工場長になってからは、現場で挙がった意見を聞いて、社長に伝えたり、実際に何ができるのかを「仕組みを作る側」として考えるようになりました。

ー最近だと、何か変化したことはありますか?

たとえば、工場においてある製品や資材1つ1つに、名刺のような番号付きのカードをつけたんです。もしその在庫が表記されている数より少なくなったら、そのカードを取って、指定の箱に入れる。そうすることで「○○の在庫が少ないから、発注してください」って意味になる。そのカードが導入される前は、部品の補充の依頼はされているのか、この量は適切なのかを確認する必要がありました。すごく、効率化されたと思います。

仕組みを導入することで、工場全体の生産性が1から10になることもある。工場長になったからこそ、仕組みづくりの大切さをより実感しました。立場が変わることで、新しいやりがいも感じるようになりましたね。

働く時間は、楽しい時間で。

ーリーダーとして、今後の目標などはありますか?

「良いモノをつくることに、ひたすら集中できる環境」をつくること、ですかね。

効率化できる部分はどんどん仕組みをつくり、製造スタッフが楽しみながら、モノづくりに打ち込んでほしいなと思います。

ーそれは、どんな思いからきているのですか?

昔、展示会にどうしても出したい切断機を、夜中までかけて製造スタッフ何人かでつくったことがあるんです。

傍から見れば、夜中までかかるなんて、なんて大変なんだろうと思われるかもしれません。でも、やっと製品が完成したときにすごく嬉しくて、楽しかったんです。「いまから打ち上げにいこうか!」と言いたくなるくらいの気持ちになったのを覚えています(結局、行きませんでしたが…笑)。その切断機は、当社の定番製品にもなりました。

いまは、昔のような、夜中までの残業はありませんよ。伝えたいのは、働く時間が楽しい時間であってほしい、ということ。「仕事が楽しい」と感じられると、活き活きと働き続けられるのかなって。

ー「働く時間は、楽しい時間」素敵ですね。

当社の「電線から銅を取り出す」リサイクル装置は、いまは業界シェア70%(※)。今後は、それを自動車など別のものから銅を取り出せるようにするなど、新製品の開発が本格的にはじまります。

新しい製品をつくるワクワク感。これから仲間になる人も、きっと感じられると思うし、そんな環境をつくり続けていきたいと思っています。

何年やっても、学ぶことが尽きない。三立機械工業でのモノづくりは、楽しいですよ。

(※)日本資源機械工業協同組合調べ

企業担当者の声

モノづくりを楽しんでいる姿が印象的でしたが、工場長(マネージャー)に就任後は、チームとして成果を出すということにもやりがいを感じてくれていて、頼もしく感じます。今後も「それで、これからどうするか?」を意見交換し、価値観をすり合わせながら、製造部を引っ張ってくれることを期待しています。(代表/中根より)

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