株式会社ネオテック
引退後も「好きなことをしよう」と思える場所。

引退後も「好きなことをしよう」と思える場所。

O・Kさん(55歳)
2009年入社
前職:自動車の整備士
現職:空調設備の工事管理/課長(取材当時)

ここに来る前は、仕事がなくなってしまうかもしれないという不安があって、1年先も見えなかった。

―前職は?

ずっと車関係です。整備士を14年くらいやっていました。働きながら整備士の資格を取って、そのあとに自動車の電気整備士も取得しました。

―車がお好きだったんですか?
好きでしたね。若い頃はバイクが好きで、その流れで車も好きになっていった感じです。

―転職を考えたきっかけは?

当時、私は自動車の整備工場で、主にカーエアコンの修理やメンテナンスなどをしていました。その仕事が段々と少なくなっていったんです。仕事は他の整備工場から請けていたのですが、その整備工場自体が閉業してしまうケースもあったりして。お客様が減ってしまって、昇給もしなくなってしまって…

本当に、1年先のこともわからないような状況でした。結婚もしていて、子どももいたので、「もっと安定した仕事に就かないと」と考えて、転職することを決めました。

―今の会社は、どうやって見つけたのですか?

普通に求人を見ていて、見つけました。初めは「家から近い」と思って興味を持ったのですが、空調設備の施工という仕事で、車の整備でエアコンを扱ってきた経験が生かせそうなのも、いいなと思いました。

空調設備って、仕組みを知らないまま設置している人が意外と多いんです。

―入社して、まず何をされたのですか?
最初は空調設備の施工スタッフとして入りました。そのあと会社から、空調設備のメーカーと連携して実施する修理・メンテナンス部門に行ってみないかと誘われて、行きました。

―そこでは何を?

工場などのお客様の空調設備が壊れたときに見に行って、直す。修理です。当然、直すにはエアコンの知識をしっかり学ばないといけないので、メーカー直営の学校みたいなところに数ヶ月通わせてもらって、「冷凍サイクル」の仕組みから、みっちり学ばせてもらいました。

―冷凍サイクル。

難しいんですけどね。簡単に言うと、冷媒っていうガスがすごく低い温度で沸騰するんです。しかも、圧力を加えると沸騰する温度が変わる。その特性を利用して発生させる気化熱で、温度が下がるんです。冷房のときは、その仕組みで室内の熱を吸って、外に排出している。この「熱を室内から拾って、室外へ運ぶ仕組み」を冷凍サイクルと言います。暖房のときは逆で、寒い外から熱を奪って、中に出しています。

―すごい。エアコンが冷たくも温かくもなる仕組みを、初めて知りました。

実は、この原理を理解してエアコンをつけている人って、そんなにいないんですよ。空調屋さん、エアコン工事をしている業者さんでも、仕組みを知らない人はいると思います。

―会社としても、このような知見を持てたことがプラスになったのではないでしょうか。

どうでしょうね。ただ、私としてはちゃんと学べる機会をもらえて、よかったです。車の整備をしていたときもそうでしたが、直すために、ここが壊れているから、こう直す必要があるって、きちんと説明できるようにいたいと思うんです。でないと、直してもらう側としても納得いかないですよね。

―このお仕事を始めたのは何歳のときですか?

38歳です。当時はパソコンもろくに触れなかったんです。WordやExcelの使い方も知らなかった。だから、勉強するのも大変じゃないと言えば嘘になりますけど、お客様にちゃんと説明したいから、ちゃんと学びたいと思いました。

―今は、どんな仕事をされているのですか?

メーカーと連携する修理部門を3年くらいやったあと、新築の建築に空調設備を入れる仕事や、ビルなどの空調設備の入れ替え時の施工の仕事などをして、今は、主に現場の施工管理をやっています。自分で施工をすることはほとんどなくなりましたね。

―CADも扱うんですよね。

施工図を書くので、使います。建築の図面をデータでもらって、そこに新しい機械を加えていくんです。そうすることで、どこにどう空調設備を施工するか、作業をする方々が分かるようになります。機械自体のCADデータはメーカーのサイトからもらえるので、それを、建築図面の中に寸法を合わせて落とし込んでいく感じです。

―なんだか面白そうですね。

面白いですけど、大変ですよ(笑)

実際に現地に行ってみると、建築図面には描かれていなかった梁があったりして。そういうときは、別の方法を考えないといけません。空調の機器を変更するとか、サイズを変えるとか。天井の中に埋め込むタイプもあれば、天井から吊るタイプ、床に置くタイプもあるので、タイプを変えることもあります。現地で寸法を測りながら、合わせていくのが大変でもありますが、その分、きれいにハマったときは…気持ちいいんですよね。

―これまでで、いちばん大変だった現場は?

木造3階建ての新築に、空調を入れたときです。

呼吸する木を生かすという考えで、こだわってつくられた建物だったのですが、木造って梁に穴を開けられないんですよ。穴を開けると、強度が落ちてしまうので。コンクリートなら設計段階で「ここに穴を開けてください」と言えるのですが、木造だとそうはいかない。だから建物の図面だけじゃなくて、構造図まで見て、どう空調を入れるのがベストか考えました。

―構造図。

建物の骨組みの図面です。それを見ることで、天井の中をまっすぐ排水管が通せるか、迂回する必要があるか、というようなことがわかります。排水はどうしたって重力に逆らえないので、上から下に管を通せるように、配置を考えていくんです。

―図面から立体をイメージしていく感じでしょうか。

そうですね。入れ替え工事のときなどは、図面がまだできあがっていないこともあるので、わからなかったら現地に行って確認します。行ったら「こんなに大きい梁があったのか、参ったなあ」みたいな(笑)

―色々なことを考える仕事なんですね。

設備って、工事に入るのが遅いんですよ。建築は前もって図面ができているので、それを理解して、合わせていく必要があります。設備の図面だけ見ていてもダメなんです。それに、衛生配管も、電気配管も、新築だといろいろ入ってくるので、そこに当たらないかを一つ一つチェックしていきます。これが…

―面白いんですね。大変だからこその面白さがあるのが伝わってきます。

そうですね。勉強の連続ですが、管理をするようになって、自分が施工をしていたときとは別の面白さも感じられています。

正直、自分がこんなふうになれるなんて思っていなかった。想像以上の知識が身についた。

―会社としては今、どういう方向に進んでいるのですか。

元請けの割合をどんどん増やしていこう、と。実際、元請けの仕事が今はメインになっています。既に建っている工場やビルに、エアコンをつけていくような仕事です。社長が直接お客様から取ってくる仕事なのですが、やりやすさという点で、ものすごく楽なんです。

―元請けではない仕事と、どう違うのでしょうか。

新築で、元請けから依頼されるような仕事だと、基本的に元請けの建築のペースに合わせて進めていくわけですけど、自分たちが元請けだと自分たちの考えで進められます。もちろん、合わせていく中で課題を解決していく面白さもありますが、やはり、自分たちの考えで、自分たちのペースで進められるやりやすさは、すごく大きいです。

見積もりの段階で社長がお客様にプレゼンをするのですが、その時点で「ここにこの機械を入れる」という図面をこっちでつくって、社長が資料にまとめていて。受注する前から、ある程度イメージができているんです。元請けだと収益性も高いし、お客様としては当社に直接依頼できることで同じ費用でも良い機器を入れられるし、お互いにウィンウィンにできつつ、仕事もやりやすい。すごく助かっています。

人と人とのつながりの中で生まれる仕事なので、失敗したくないという気持ちが強くあって、プレッシャーもないわけではないですが、本当にやりやすいです。お客様先の工場長の方などと打ち合わせをすることもありますが、信頼関係があって、打ち解けた雰囲気で話せて。やりやすさが全然違います。

―お話を伺っていると、ずっと勉強を続けてこられたのだなと感じます。

正直、自分がこんなふうになれるなんて、思ってなかったですね、学生のときは、授業中もグラウンドを眺めたりしていたので。

―でも、38歳でパソコンもCADも覚えて、施工管理にまでなられた。

覚えないと進めないので。社長みたいに完璧に頭の中に入れているタイプじゃないから、そのとき限りの記憶もいっぱいあります。でも、1回入れておくと、あとで資料を見たときにすぐ思い出せるんですよ。

―この会社に入って、何を得たと思いますか?

知識、ですね。もちろん、経済的に安定しましたし、生活は大きく変わりました。でも、何を得られたかと言われたら、やっぱり知識かなと思います。まだまだ不十分ですけど。

―会社に残せたものは?

人の役に立てた、というのはあると思います。空調ってインフラですから。なければ社会が回らないものなので。

―これから、やりたいことはありますか。

もう、あと数年したら引退なので、老後をどうするかを考えています。一歩一歩やってきて、少しずつ余裕も出てきましたし。バイクにもまた乗ろうかなって、思ってるんです。ハーレーのスポーツスターなんて、いいかなと。

―すごく、いいですね。

まだまだ体も動くし、引退後も好きなことをしていきたいって思っています。

企業担当者の声

Oさんは、2026年9月から役員として当社を支えてもらうことになりました。長く、誠実に仕事に向き合ってきてくれた人間です。人としても、信頼しています。

彼が入社した頃、私が伝えたのは「困っている人を助けられないのなら、当社にいる意味はない」ということでした。空調はライフラインですから、これは会社としての大前提です。その点で、彼は誰よりも徹底しています。エアコンが止まったとご連絡をいただけば、まずお客様のもとへ向かう。正直、そこまでやらなくてもいいのに、と思うこともあるくらいです。

38歳で未経験からこの業界に入り、パソコンも触ったことがないところからのスタートでした。それでも学び続けて、今では施工管理として現場を任せられる存在になっています。当社が最も重視するのは、資格でも器用さでもなく、人間性です。仕事が速く器用でも、後から不具合が出るようでは意味がない。彼は初めこそ苦労もあったものの、任せた現場でトラブルを起こしたことがありません。一歩ずつ、確実に進んできた。その姿勢が、お客様からの信頼にもつながっています。

これからも、これまで以上に誠実に。役員として、後に続く社員たちにその背中を見せてもらいたいと思っています。(代表・片岡より)

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