47歳、未経験で飛び込んだ。
怖いと思っていた世界は、どこまでも人に向き合ってくれる場所だった。
2022年入社。47歳・未経験・文系から施工管理の道へ。
スケールすら、触ったことがなかった
前職は、鋼材の営業。「完全に文系で、スケール(測定用の巻尺)すら触ったことがなかった」。自分が施工管理になるなんて、思ってもみなかった。きっかけは、知人からの「NIPPOに来ないか」という一声。最初は「営業なら...」くらいの気持ちだった。けれど、給与面や働く環境の魅力が大きく、「施工管理の仕事でがんばってみたい」と思うようになった。妻と子どもがいる。収入面でしっかり会社に支えてもらえる安心感は、大きかった。
とはいえ、転職時の年齢は47歳。不安はたくさんあった。建設業界のイメージは----正直、「ちょっと、怖いイメージ」だった。怒鳴られるんじゃないかとか、「なんで知らねえんだ」と一喝されるんじゃないかとか、それなりに、覚悟していた。
「一人で考える」ではなく、「一緒にやろう」
実際は、まったく違った。わからないことを聞くと、みんな、手を止めてくれる。どんなに忙しくても。「なんで知らねえんだ」どころか、なぜそうするのかという背景から、理解できるまで一緒に考えてくれる。レベルの見方、杭を打つ位置----初歩の初歩から、一切面倒くさがらずに。47歳のおじさんが「わかりません」と言うことに、ちゃんと向き合ってくれる。こんな経験は、初めてだった。
ちゃんと尊重してもらえた上で、絶対に一人にされることがない。わからないまま放置されることがない。「一人で考える」ではなく、「一緒にやろう」。その安心感があるから、一人で現場に出ても怖くない。いつでも相談できる。まったくの未経験で始めた私でも、大丈夫だって思える。
道は、誰が歩いても困らないようにつくるもの
石畳の道をつくった案件は、特に印象に残っている。排水の方向など技術的な難しさに加え、デザイナーの要望が高度だった。「石の並び方に、もっとリズムを」。初めは意図がわからなかったが、言われるまま並べ直すと、たしかに良くなる。リズムが出る。街路樹を植えるときも「50メートル先から見るとどうか」とこだわり抜く。初めは「そこまで見るの?」と思った。でも、やると、よくなっていく。デザイナーが本気で考える世界観を実現するために、話をよく聞き、「この人が作りたい景色は、どんな景色だろう」と考える。そのうえで、安全を徹底的に考える。滑らないか。水はけは大丈夫か。段差で転ばないか。
道づくりで大事なのは「違和感がない」こと。「歩く人にも、車で走る人にも、何も違和感がないようにすることが、私たちの役目」。道は、すべての人のためのもの。子どもも、高齢の方も、車椅子も、自転車も、ベビーカーも、車も。みんなが道を通る。美しい景観を創りながら、誰が歩いても困らない道をつくる。完成しても誰かが立ち止まって褒めてくれるわけはないかもしれない。でも、みんなが使う。みんなが何も感じずに通れる道をつくるのが、誇りだ。
「無理かも」が、「もっと」に変わった
目指すのは、何にも動じない現場監督。「これはやったことないです」ではなく、「OK、任せてください」と言える人。まだまだだけど、一つずつ積み上げていけば、必ずそこに近づける。ここにいると、そう「できる」と思える。船橋出張所の人たちは、教えるのを絶対に面倒くさがらない。意見を言った後にはフォローをしてくれる。どんなにしんどい時も手を止めて、わかるまで一緒に考えてくれる。絶対に、一人にされない。だから、できるようになる。だから「できる」と自分を信じられる。
先輩たちが築いてきた、協力会社の職人さんたちとの信頼関係もある。「あんたのために、おれたちは現場に出る」と言ってもらえる関係。「困ったときはお互いさま」と、本当にお金度外視で動いてくれてしまう人たちがいる。そんな先輩たちの仕事ぶりを見て「自分も、こうなりたい」と思う。
この会社に来て、大きく変わった。初めは「自分にできるだろうか」と不安でいっぱいだった。それが今は、「もっとできるようになりたい」と、自然に思う。あんなに怖かったのに、今は、「もっと。もっと」って思える。完成して間もない、まだ温かい道路に手を触れる、この感触を、もっと味わいたいと思う。
「怖そう」と身構えていた世界は、実は、どこよりも人に向き合ってくれる優しい場所だった。
47歳・未経験の不安を溶かしたのは、特別な才能ではなく、「一人にしない」という職場の文化だった。手を止めて、目を見て、わかるまで一緒に考えてくれる人がいる。それが、「無理かも」を「できる」「もっとできる」に変えていった。
あなたが「自分には無理かも」と身構えている場所は、実は、イメージとまったく違う世界かもしれません。
※「ちばで転職した、ひとのはなし」編集部セレクト。実名・会社名・写真は、企業・本人の許可が取れた範囲で掲載しています。