20230711061857.png※出典:「給料への不満を漏らす部下」に、マネージャーはどう対応すべき?(OCEANS・2023.6.27)

OCEANSというメディアに人材研究所の曽和利光氏が読者の質問に答える記事が載っていたのですが、記事内に賛同するポイントがいくつかあったのでご紹介します。

・経営者は、優秀な社員が転職をしてしまったり、人が採用できなくなったりすることによって、ようやく自社の報酬水準と市場価値とのズレがわかる

 ・この人材流動性の高い時代に「やりがい」だけで人を縛ることはなかなかできません。

 

採用企業を取材し、求人広告を制作している立場としてよく直面する部分です。経営者は自社の報酬水準と市場価値のズレになかなか気づかないものだなあと思います。

いままでこの給料でやってきたから、上司や先輩もこの給料でスタートしたから、という理由で給与水準を見直さないケースがよくありますが、市場の変化に敏感になっておく必要がありますね。

弊社では今年度に入り、未経験での中途採用者の初任給を引き上げましたが、同業他社の新卒初任給が大幅に引き上げられていることを指摘されて慌てて見直したというのが背景です。

人材業界はもちろん、どの業界においても、サービス面での競争だけでなく、人材採用における競争も激化しています。良いサービスを提供し、収益を上げ、働く環境や待遇をよりよくする。それができないと優秀な人材が集まらないので、サービスの質が向上せず、収益が減り、働く環境や待遇が良くならない(改善しない)という悪循環に陥ります。

経営において現状維持はないといいますが、まさにその通りだなあと思います。

また、この記事では、管理職向けのアドバイスとして書かれていますが、給与の低さを仕事のやりがいでカバーできると思ってしまうのも、経営者の悪い癖の一つかもしれません。他社より大きなやりがいを感じられるので、給与が低くても我慢してほしいという理由は受け入れられません。

転職希望者も様々なメディアで情報を収集しています。同業他社との給与水準に差がないか、採用したい人材像の一般的な市場価値とのずれはないか、これまで以上に敏感になってアンテナを立てておくことが大事ですね。

自戒の念も込めて、記事をご紹介させていただきました。