20230727071640.png出典:全国各地でコストコ「高時給求人」の衝撃広がる(NEWSポストセブン・2023年7月18日)

7月18日のNEWSポストセブンの記事で、コストコの時給を事例に、「地方ではいま、古くからの小売経営者に大きな衝撃が広がっている」といった内容が紹介されていました。俳人で著作家の日野百草氏が、高時給求人に揺れる地元小売業経営者や募集担当者の本音を聞いたとのことです。

「時給1500円は無理だ。群馬県の最低賃金は895円、世界的企業の真似はできない」

「コストコは最低でも1200円スタート、それもフルタイムで入れる。イメージもいいし労働環境も群馬のバイトに比べれば悪くないと聞く。多くが1000円もいかない時給でスタートの群馬のバイトで太刀打ちできるはずがない」

コストコの時給は「グローバルスタンダード」を基準にしていて、不明瞭な時給決定でなく、基本的には一定の額(1800円)まで自動的に昇給するみたいですね。

ここまで時給に差があると、採用力の差も歴然です。簡単に真似できることではありませんが、採用力を高めるために、労働条件を上げるというのは有効な手ですね。

とはいえ、この記事で参考にしたいのは、時給を高くすべきだということではなく、以下の部分。

日本の時給の決め方は「どんぶり勘定」「その時の経営者の気分」「人を見て決める」「周りに合わせる」が横行してきたのは事実だろう。厳正な人事考課とは名ばかりでそれこそ「さじ加減」「お気持ち」で決めてしまう。人事評価の不満要因が「基準の不明確さ」であることは多くの労働者アンケートでも上位だが、この国の永遠の課題(というか多くは直す気がない)のままではないかと思わされる。

自社の給与や待遇をどのように決めるかという、人事制度、評価制度がとても重要なのではないかということです。

初任給にしても、休日日数にしても、周りとの比較を意識してほぼ横並びということが多くあります。人事評価制度も汎用的な制度を流用しているケースは少なくないでしょう。

給与体系や評価制度、福利厚生、働きやすい環境整備など、自社独自で検討し、工夫改善することが大事ですね。社員が働きやすい環境を提供し、気持ちよく働いてもらって、離職防止や成果創出につなげるという意識を持ちたいものです。

20230727072451.png出典:全国各地でコストコ「高時給求人」の衝撃広がる(NEWSポストセブン・2023年7月18日)