
『自己PRって何を書けばいいの?』
『自己PRに正解ってあるの?』
履歴書の自己PRに何を書いたらよいのか、悩み検索されたのではないでしょうか?
企業によって正解も違うので、どのように書いたらいいのか困ってしまいますよね。
転職活動になぜ自己PRが欠かせないのか、それは、あなたが自社で活躍する存在となるのか、企業は判断する要素として自己PRも確認しているからです。
そこで改めて自己PRとは何かを再認識し、あなたが考える自己PRと、企業が求めている自己PRの違いを埋めていくことが必要になります。
この記事では、自己PRに何を書いたらよいかを解説し、改善事例もご紹介します。
記事を読み終えた後には、自分自身で納得できる自己PRを書くことができるでしょう。
1.自己PRは企業への自分プレゼン!
自己PRは全員がこれを書けばOK!という万人に当てはまる正解はありません。
「企業が求めること」と「自分が提供できること」の重なる部分を書き表し、自分を売り込むのが自己PRだからです。
商品企画のプレゼンのように、自分という商材を企業へ提案し、自分がその企業へ入社することでどんな効果があるのかを伝えるわけです。
相手の求めるものを的確にとらえて、自分がそのニーズに対して何を提供できるのかを具体的に伝えることが自己PRのカギとなるでしょう。
では、企業の求めるものを捉え、どのようにアピールしていくかを順に説明していきます。
2.企業にとって価値ある自己PRへ変える3つの要素
企業にとって価値のある自己PRにするためには、3つの要素が不可欠です。なぜなら、企業は業務拡大による増員や、欠員補充など、何らかの意図を持って採用活動をしています。
あなたがその目的に合っている人物か、どんな考えを持っているのか、自社で活躍できそうな人物かなど、職務経歴書だけではわからない点を自己PRから読み取りたいと考えているからです。
そんな企業が求める3つの要素とは何か、一つずつ確認していきましょう。
①能力や実績が客観的視点で表されている
自社でどんな活躍をしてくれるだろうか、という企業の問いには、簡潔に数字や成果物でアピールすることがよいでしょう。
どんな成果を出せたのか、どんな成長を遂げているのかなどを数字や実績でわかりやすく伝えることができます。
法人営業として5年従事してまいりました。
▼
法人営業として5年間従事し、20××年度は前年比120%の売上を達成することができました。
法人営業経験が5年でも、どんな成果を出したのかという点に触れることで一歩踏み込んだPRとなります。
詳しい成果は職務経歴書に書きますが、自己PR欄も活用して損はありません。
売上数字や納品する成果物を扱わない職務であっても、1日のお客様の対応件数や、年間で業務圧縮〇%など、日常業務や何らかの改善が数字で表せないか振り返ってみましょう。
②具体的なエピソードや根拠がある
「20××年度は前年比120%の売上を達成することができました。」
先ほどの数字を交えた自己PR、さらに魅力的な内容にする方法があります。
それは、根拠や具体的なエピソードを添えることです。
20××年度は前年比120%の売上を達成することができました。
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契約件数を増やすためにもオンライン商談に挑戦し、はじめは対面営業との違いに戸惑い失敗もありましたが同僚と練習で試行錯誤を繰り返して、結果的には顧客との接点を前年の1.5倍に高めることができました。
目標や目的達成のために行動や改善したことを交えることで、どう考え行動したのかというプロセスも見えてくるのです。
③自社で活躍するイメージが持てる
どんなにスキルがあっても、自社に合う人材でなければ早期離職につながってしまいます。
入社したらどんな活躍をしてくれるだろうか、という企業の期待に応える内容も盛り込みましょう。
時代に合わせた変化をされている貴社で、新しい取り組みやスピード感ある行動力を発揮し、貢献して参りたいと思います。
自分が持つ経験やスキルが、その企業のどの部分にマッチするのかを提示して、入社後の活躍イメージをアピールしましょう。
- 能力や実績が客観的視点で表す
- 具体的なエピソードや根拠を添える
- 自社で活躍するイメージを持たせる
企業が読みたい自己PRの3つの伝え方があることがわかりました。
それでは、どんな情報を3つの要素を交えてアピールしていくのがよいのか、ご自身のアピールポイントを探して行きましょう。
3.アピールポイントを見つける4つの視点
企業が知りたい3つの要素を把握したうえで、自分のアピールポイントを見つけるには4つの視点があります。
次の4つの視点から自分自身を振り返ってみることで、自分が把握していることだけでなく、意外な発見も出てくるはずです。
<4つの視点>
- キャリアを棚卸して、経験や成果から自己PRを探す
- 社会人基礎力要素をもとに、スキルから自己PRを探す
- 自分の性格や人間性から、自己PRを探す
- 仕事・プライベートの体験から、自己PRを探す
①キャリアを棚卸して、経験や成果から自己PRを探す
まずはこれまでのキャリアを振り返り、細かく洗い出してみるところから始めてみましょう。
どんな職務を経験して、どんな成果を出すことができたのか。
どんな業務を経験して、スキルを習得してきたのか。
ただ単に「事務職を経験した」ではなく、「事務職に就いて来客応対、電話対応、受発注、レポート作成、経費精算……などをした」のように、業務を一つずつ丁寧に書き出していきましょう。
そうすると、「毎日○件もの電話対応をしていた」「Excelの○○という関数が扱えるし改善もしている」「納期に間に合うような調整力も身についている」など、業務に紐づく経験値や成果が見えてこないでしょうか。
1章で述べた「数字で表す」ことを意識して、スキル面では資格や扱えるソフトなども一つずつ確認してみるのがよいですね。
数字で表しやすい成果の一例を見たいなら、こちらの記事がおすすめ!
転職は学歴では決まらない!企業に刺さる転職成功5つのアピール方法
②社会人基礎力要素をもとに、スキルから自己PRを探す
これまでの社会人経験で得たスキルを、「社会人基礎力」という指標で考えてみるのもおすすめです。
社会人基礎力というと難しく感じるかもしれませんが、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの力を指しています。
主体性がある(前に踏み出す力)、課題発見力がある(考え抜く力)、傾聴力がある(チームで働く力)など、12の要素とスキルでアピールできる分野がないか探してみましょう。
12の要素 | スキル |
---|---|
主体性 | 目標設定力、目標達成力、モチベーションコントロール |
働きかけ力 | リーダーシップ、コーチング、交渉力 |
実行力 | プロジェクトマネジメント、チャレンジ精神 |
課題発見力 | ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、仮設立案 |
計画力 | ビジョン構築、タイムマネジメント、プロセスマネジメント |
創造力 | 想像力、構想力、ラテラルシンキング |
発信力 | プレゼンテーション、ライティング |
傾聴力 | 質問力、ファシリテーション |
柔軟性 | 素直さ、協調力、調整力 |
状況把握力 | 情報収集力、洞察力、探求心 |
規律性 | ビジネスマナー、洞察力、探求心 |
ストレスコントロール力 | メンタルタフネス、セルフマネジメント |
社会人基礎力について詳しく知りたいなら、こちらの記事がおすすめ!
初めてスキルアップの必要性を感じた人のためのスキルアップの方法
③自分の性格や人間性から、自己PRを探す
数字や成果ももちろん大事ですが、企業は自社の社風や他の社員との相性も気になります。
例えば、ワイワイ明るい社員が多く、チームワークよく仕事を行う会社では、一人で黙々と働きたいタイプの方は居心地が悪いかもしれません。
- コツコツ集中して仕事に取り組める
- コミュニケーションが大事!チームプレイが得意
- すぐに動くスピーディーな行動力が武器
このように、自分の性格や取り組み方を知っておく必要があるのです。
自分が思い浮かぶ性格のよい面・悪い面を書き出します。可能であれば周囲の人に自分の性格を聞いてみて、自分が気づかない一面がないか確認しておくとよいでしょう。
どんな仕事への取り組み方が得意なのか、どんな環境で力を発揮しやすいのか、特に実績アピールが難しい未経験分野への転職を考えているなら、人間性のアピールも重要になります。
なかなか思い浮かばない、本当に自分の性格はこれ?
そんなときは診断ツールを参考にしてもよいですね。
ユング心理学をベースにした、マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標(MBTI診断)
無料性格診断テスト(16Personalities)
④仕事・プライベートの体験から、自己PRを探す
成果、スキル、人間性以外の、行動や体験から得られた知見も大きなアピールポイントです。
具体的にはこのようなことです。
- 仕事に役立つ資格を積極的に習得している(学びへの意欲)
- 仕事とは関連しないが関心のある分野を学んでいる(学びへの意欲、興味関心と実行力)
- オンラインサロン内でプロジェクトに携わっている(コミュニケーション力、行動力)
自ら行動して得たスキルや体験もエピソードを交えることで行動力・実行力を表すアピールポイントとなるでしょう。
4.企業ニーズと自己PRのズレは要注意
3つの要素と4つの視点を踏まえたうえで、企業のニーズに合う内容を選択すれば、最強の自己PRが完成となります。
なぜなら、どんなに魅力的な自己PRでも、企業ニーズを汲まず自分が伝えたいだけの一方的な内容であれば、自分の魅力や強み伝わらず効果が半減してしまうからです。
仕上げとなる企業ニーズはどこで見つかるのか、探すポイントを紹介していきます。
企業ニーズの見つけ方
企業ニーズは、企業が発信している情報から探していきましょう。
- 求人情報
- 会社HP(採用ページ、会社の方針のページ)
- 会社の代表や人事のSNSやブログ
求人情報
求人情報には採用要件が掲載されています。Webの求人情報では情報量も多く、求めるスキル、経験、人物像などが書いてあるケースが多いので、しっかりと確認しましょう。
また、写真や動画も大きな情報源となります。
社内の雰囲気に馴染みやすそうか、どんな先輩社員がいるのかなどを感じることができます。
会社HP(採用ページ、経営方針のページ)
会社HPがあれば、採用ページや経営方針などのページもしっかり確認しましょう。
採用ページには採用要件だけでなく、社員紹介が掲載されていることもあります。仕事のやりがいや体験談から、求めるニーズを拾うこともできるでしょう。
また、経営方針などのページには、会社の今後の方向性や、ミッション・クレドなどの考え方を明記している場合もあります。
自分の考え方と合っているか、今後のビジョンに共感できるかといった点も大切になるでしょう。
会社の代表や人事のSNSやブログ
代表や人事担当者が個人アカウントで情報を発信していたら要チェックです!
会社アカウントよりも踏み込んだ話になりますし、立場的にも採用や育成、事業についての話が出ることが多くあります。
特に代表の考えは会社のビジョンにもつながりますので、自己PRという観点だけでなく、入社後のミスマッチを防ぐポイントとしても確認しておきたいですね。
企業ニーズとマッチする自己PRを選ぶ
最後は、見つけ出した企業ニーズに合わせて、どの自己PRをするか選択しましょう。
様々な自分の強みやアピールポイントが見つかり、企業ニーズを見つけても、その組み合わせがマッチしなければ何も響かない自己PRとなってしまいます。企業ニーズに合う自分のPRを選んで、効果的なアピールに仕上げましょう。
営業部に配属されて5年、直近3年は売上が上位3位(100人中)に入っています!
誰もがそんな華々しい成績を収めているわけではありません。
自分にはずば抜けたインパクトのあるアピールができない……とネガティブに思う必要はありません。
小さなスキルの掛け合わせが大きな強みになることもあるのです。例えば、
営業経験があり、学生時代に中国語を学んでいたので日常会話レベルならできる。趣味でIT機器に詳しい。
「営業力×中国語×IT機器」こんな掛け合わせができます。
- 中国人向けにIT機器を提案する
- 中国メーカーのIT機器を扱う営業
こんな仕事や環境で力が発揮できるかも!と可能性が広がりませんか?小さなスキルの掛け合わせにも、ぜひ注目してみてください。
5.人事担当者がポイント解説!自己PRビフォーアフター
3つの要素、4つの視点、企業ニーズを探す。価値ある自己PRに変化させる方法をお伝えしました。
そこで、これまでのポイントを交えたことで格段に改善された自己PRをご紹介します。
【Before】
約3年間、一般事務の業務に携わる中で、社内外問わず誠実で迅速な対応を心がけてきました。
業務課の主な仕事は受注入力作業(※1)ですが、お客様や生産部との納期交渉や、クレーム発生時の初期対応など多岐にわたる業務を行っています。
お客様や営業からの問い合わせには、迅速且つ的確な対応をすることで、処理が速いと信頼を得ることができました。
お客様から信頼をしていただくことで、クレームなどの問い合わせもまず私に連絡が来るようになり、お客様から頼りにされていることを実感しています。
業務としての仕事はもちろんですが、誠実で迅速な対応を活かして営業のサポートをしていきたい(※2)と思います。
※1
・主な仕事は受注入力作業
どの程度の対応・処理能力があるか判断が難しいので、具体的な数値や成果を追加しましょう。
※2
・誠実で迅速な対応を活かして営業のサポートをしていきたい
自分の取り組みを通じて、入社後どのような活躍ができそうかプラスして伝えましょう。
【After】
【スピード感を持って業務を進めていく力】
メインとなる業務は受注入力作業ですが、お客様や生産部との納期交渉や、クレーム発生時の初期対応など多岐にわたる業務を行っています。
お客様や営業からの問い合わせには、迅速且つ的確な対応をすることで処理が速いと信頼を得ることができ、社内では受注量の多いメイン顧客を担当にもたせていただきました(※1)。常に時間を意識しながらスピーディーに作業を行う(※2)様取り組んでいます
【業務の正確性】
多い時は300件/日の受注入力(※3)を行います。処理件数にもこだわりを持っていますが、ミスなく取り組むことで社内外からの信頼関係を作る(※1)ことができました。
【調整力】
納期の調整時は、依頼を受けるだけでなく代替案を一緒に提案する(※2)ことを心がけていました。受けるだけのスタンスではなく、知恵を出し、提案する事でより円滑に業務を進めていくことができました。
※1
・迅速且つ的確な対応をすることで、処理が速いと信頼を得ることができました
・受注量の多いメイン顧客を担当にもたせていただきました
具体的なエピソードを交えることで内容に厚みが増しています。
※2
・常に時間を意識しながらスピーディーに作業を行う
・依頼を受けるだけでなく代替案を一緒に提案する
仕事への取り組み方をアピールし、入社後のイメージも企業に持たせることができています。
※3
・多い時は300件/日の受注入力
数字を交えたことで実績や能力が明確に表されています。
「この人に会ってみたい」「この人なら任せられそう」人事担当者にそう思ってもらえる内容に変化しているのがお判りでしょうか?
ぜひビフォーアフターの事例も参考に、自己PRをブラッシュアップしていただければと思います。
6.まとめ
価値ある自己PRを書く方法についてご紹介しました。ポイントは以下の通りです。
3つの要素で価値を高める自己PRに変える
- 能力や実績が客観的視点で表す
- 具体的なエピソードや根拠を添える
- 自社で活躍するイメージを持たせる
4つの視点でアピールポイントを見つける
- キャリアを棚卸して、経験や成果から自己PRを探す
- 社会人基礎力要素をもとに、スキルから自己PRを探す
- 自分の性格や人間性から、自己PRを探す
- 仕事・プライベートの体験から、自己PRを探す
企業ニーズに合う自己PRを選択する
入社する会社で力を発揮することや、目的を達成するためには、会社と自分の相性も大切です。
何を求められ、何を提供できるのか。じっくり考えて価値ある自己PR作成をしましょう。