
ですが、安心してください。転職活動は日常の業務やプロジェクトを進めるのと基本的には同じ。転職活動の全体像を把握した上で、タスクと工数を洗い出し、カレンダーに落とし込めば、うまくスケジュールを管理することが可能です。
これから本格的に転職活動を始めようと考えている方のために、「ちばキャリPLUS」 では、千葉県の求人の特徴も踏まえて、希望の時期に転職するための転職スケジュールの立て方を解説します。具体的なタスクを洗い出したガントチャートも用意していますので、ぜひご活用ください。
1.希望の時期に転職するための転職スケジュールの立て方
転職活動は自分のための重要な1人プロジェクトですから、日常の業務におけるプロジェクトと同じようにスケジュール管理が可能なのです。
今回の記事は、「準備編」と「実践編」の大きく2つに分かれています。
ご自身の基礎知識のレベルに応じて必要なところから読み進めていただければと思います。さあ、価値ある転職活動をスタートさせましょう。
1-1【準備編】7つのポイントを押さえよう
①転職スケジュールの全体像
転職活動のステップ | 大まかな所要時間 |
1.事前準備 | 2週間 |
2.求人検索 | 2週間 |
3.書類作成・応募 | 2週間 |
4.面接 | 4~5週間 |
5.内定・入社検討 | 1週間 |
6.退職・引継・入社準備 | 4~5週間 |
合計 | 約15~17週間(約5ヶ月) |
②3ヶ月~6ヶ月が平均的なスケジュール
もっと短い期間での転職を希望する方が多いのですが、実際に活動してみると、結果的にこれくらいの期間がかかってしまったとなりがちなのです。
希望条件にマッチした求人がなかなか見つからなかった、在職中の転職活動だったためなかなか面接の日程が組めなかった、引継ぎなどの退職準備の期間が想定以上にかかってしまった、など、すべてが順調に行くわけではありませんので、3~6ヶ月を目安として捉えるのが理想、スピード感を持って活動するとしても3ヶ月くらいを目標にするのが無難ですね。
ただ、同業界での転職や転職したい会社が決まっている場合は、STEP1・2が省けますので、2ヶ月以内での転職も可能にはなるでしょう。
③転職スケジュールが伸びてしまう要因
転職の軸が定まっていないために、複数社から内定をもらった結果、最後の決断ができずに転職活動をやり直すなんてケースもあるくらいなのです。そうならないためにも、ステップ1の準備の質を高めることがとても重要となりますね。転職理由を明確にし、転職活動のしっかりとした軸を持ちましょう。
後ほど、各ステップの詳細説明で解説しますが、転職理由を明確にするとは、やめたい理由ではなく、なぜその会社(業界)を受けたいのかを考えるということ。仮に転職活動のきっかけはネガティブだったとしても、自分の将来を考えたらポジティブに転換することが重要です。
また、もう1点、平日の面接調整がうまくいかないというのも転職スケジュールが伸びてしまう要因です。ベンチャー系の企業であれば、業務開始前の早朝や土日対応していくれる会社は少なくありませんが、千葉県勤務の求人の多くは地元の中小企業による募集です。
採用担当が年配の経営者ということもあるので、なかなかイレギュラーな対応をしてくれないということも。。。平日面接するために有給休暇を取得できるようにしておいたり、繁忙期ではない時期に面接期間を充てるなどの工夫ができると良いですね。
④最短で転職活動を終える方法
ちなみに、私はこれが理想の転職活動だとも感じています。転職は新卒での就活とは違いますので、経験を踏まえてやりたい方向性が定まっているほど、満足度も高くなりますから。
まとめますと、1社のみの応募とまではいかなくとも、転職活動スケジュールを最短にするためには、まずは、STEP1の事前準備で自分の進むべき方向性を明確に決めておくことです。方向性を定めるための具体的なタスクは、1-2-2で解説しますが、方向性を明確に決めることでその後のSTEPにかかる時間が大幅に短縮されます。
同業界での転職や転職希望企業が決まっているなど、「どんな業界でどんな仕事に就きたいのか」、「なぜその仕事に就きたいのか」が明確になっていると応募する会社が限られますし、応募確率も高まります。また、応募のための書類作成の時間も短くなりますから、転職スケジュールの短縮につながるのです。
⑤退職規定
⑥転職活動開始のタイミング
時期 | 求人が増加する理由 |
2~3月 | ・年末や年度末といった区切りで退職する人、年末のボーナスをもらった後に退職する人が増えるので、その補充のための採用が増えます。 ・年や年度の切り替わりでの人事異動に伴いポジションが空くため、新規の採用が増えます。 |
5~6月 | ・新卒採用が予定通りにいかなかった、早期の退職者が出たなどの理由で、第二新卒狙いの採用が増えます。 ・6~7月のボーナス取得後の退職者が増えるので、その補充のための採用が増えます。 |
9~10月 | ・上半期が終わり、下半期の経営戦略に合わせた採用強化が考えられます。 ・秋卒業の留学生や院卒者、公務員試験に失敗し民間への就職、転職を希望する人の採用強化などが考えられます。 |
また、最近では通年採用を行っている会社も増えてきていますので、一般論に流されずに自分のタイミングで活動しても問題ないと思います。
ちなみに、ちばキャリに掲載している企業の約3割は通年採用をしています。欠員補充だけでなく、よい人材がいれば採用したいという考えで、常に間口を開けている中小企業は少なくありません。時期にとらわれずに求人検索をかけてみることで第一歩を踏み出してみましょう。
2.自分の仕事が一区切りつく時期に合わせてスタートする
途中で投げ出して辞めるようだと次の職場でも信用を得ることは難しいですからね。また、応募企業との面接設定などの時期に日常業務が忙しいと、思うように面接できなくなってしまいますので、どの時期に時間が取りやすいかを把握しておくことも大事ですね。
⑦在職中に転職活動をスタートすることを前提に考える
2.将来設計(キャリアビジョン)は忙しくても時間を取るべきこと
一旦仕事を辞めてリセットしてから再スタートというのも1つの方法ですが、次の転機でも同じことになる可能性がありますので、在職中にチャレンジを始めることをお勧めしたいところです。
3.離職期間が長いと企業からの評価が下がる
ヘッドハンティングされるような高いスキルを持っている場合は別ですが、転職回数が多かったり、年齢が30歳を超えてくると、離職期間は大きなマイナス要因にもなりかねません。リスクを減らすためにも空白期間を空けることは避けたほうが無難です。
4.時間に余裕ができダレる
そうするといつのまにかダラダラと転職活動が長引くいうことにもなりかねませんので要注意ですね。
・面接の時間が取れない
ですが、有給休暇が取れない、業務後も移動時間的に難しいなど、どうしようもないときは、退職してからリスタートすることも検討しなければなりません。
今は、メール連絡でも休みやすいのでもう少し楽かもしれませんね。とはいえ、何度も使える手ではないので、1,2回に絞って覚悟を持ってやるのがベターです。
1-2【実践編】転職のスケジュールを計画する
①初めに決めるべき3つの要素を設定する
何度も繰り返しますが、一番重要なポイント、ステップ1の事前準備のスタートです。転職活動の目的を見誤ってしまうと、転職活動自体が目的になってしまいます。いわゆる手段が目的化してしまうというやつ。
「スキルアップできる環境の会社に転職をして給与を上げる」「評価をしっかりしてくれる会社に転職をしてリーダーシップを取る」などなど、何のために転職をするのかを改めて整理しましょう。後ほど共有するガントチャートにもしっかり文字として記載しておくことと良いでしょう。
STEP2:理想のゴールを設定する
「新しい会社の社長(人事)からはどのような期待を得ているのか(どのような言葉をかけてもらっているのか)」、「現職の上司や同僚からはどのように送り出されたいのか」など、円満退職した上で意気揚々と転職活動を終えるイメージをしっかりいだきたいですね。
STEP3:希望の時期を設定する
②ステップごとに具体的なタスクを洗い出す
※例えば「自己分析」というタスクでは、具体的に何をしたらよいかわかりませんよね?自己分析として自分の強みを分析する➔過去の実績を洗い出す、といったレベルにまで分解することが重要です。
ステップ | タスク例(大項目) |
1.事前準備 | 強みの分析を行う |
志向の分析を行う | |
転職の軸を考える | |
興味のある業界や仕事内容を調べる | |
進みたい方向性を決める | |
2.求人検索 | 媒体を調査する |
求人検索(自分で探す) | |
求人検索(探してもらう紹介してもらう) | |
3.書類作成・応募 | WEB用レジュメを作成する |
提出書類を作成する | |
求人に応募する | |
4.面接 | 面接の準備をする |
面接の練習をする | |
5.内定・入社検討 | 条件やマッチ度を検証する |
相談をする | |
再検討する | |
6.退職・引継・入社準備 | 退職の手続きを進める |
引継ぎ業務を行う | |
入社準備を行う |
タスク(大項目) | 具体的なタスク |
強みの分析を行う | 過去の成功体験や業務上の実績を洗い出す |
志向の分析を行う | 過去の経験で楽しかったこと、ワクワクしたことを洗い出す |
転職の軸を考える | 成功の五角形(※)で重視する項目を明確にする |
興味のある業界や仕事内容を調べる | 求人サイト(新卒向けの就職ナビが便利)で業界や仕事内容を研究する |
進みたい方向性を決める | 上記を踏まえて業界や職種、重視するポイントなどをまとめる |
また、求人メディアだけでなく、転職エージェント(人材紹介サービス)の活用などの検討も効果的です。
【考えられるタスク】
タスク(大項目) | 具体的なタスク |
媒体を調査する | 求人媒体(求人サイト、求人メディア)を調査する 利用する求人媒体(求人サイト、求人メディア)を選定する 各求人媒体(求人サイト、求人メディア)に登録をする |
求人検索(自分で探す) | 希望条件に沿って検索し、条件のあう企業を探す 希望条件を登録し、新着求人やリコメンドメールが届くようにする |
求人検索(探してもらう紹介してもらう) | 転職エージェントに登録する 転職エージェントと面談する |
まずは、利用している求人サイトのレジュメを完成させましょう。求人サイトによっては、レジュメに魅力があれば、スカウトメールが来ることも考えられます。
また、WEBでの選考を突破すると面接に進みますが、面接時には正式書類として 履歴書・職務経歴書の提出が求められますので、別途作成が必要です。基本的にワードやエクセルフォーマットのものを使って印刷すればOKですが、手書きの方が好印象ということもあります。※ちなみに、千葉での転職を検討の際は、志望度の高い企業には手書き履歴書をお勧めします。というのも、多くの会社が中小企業で、選考に社長が関わることが多いもの。社長の平均年齢を考えると正式書類には手書きが好まれます。
手書きじゃないから不利ということはありませんが、手書きで誠意を伝えることで選考突破の確率が上がるのであれば安いものです。そんなITリテラシーのない会社は嫌だという考え方もありますので、最終的には自己判断です(笑)
また、市販の履歴書を使う際は、フォーマットをチェックすることも大事。自己PR欄などがしっかりあるものを選びましょう。 中には「得意な教科」といった項目のあるような転職活動には不向きな履歴書もあります。
【考えられるタスク】タスク(大項目) | 具体的なタスク |
WEB用レジュメを作成する | WEB用レジュメの記入例を参照する WEB用レジュメを作成する WEB用レジュメの添削を受ける |
提出書類を作成する | 履歴書・職歴書(正式書類)の記入例を参照する 履歴書・職歴書(正式書類)を作成する 履歴書・職歴書(正式書類)の添削を受ける |
求人に応募する | 希望求人に応募する(電話、WEB、郵送) |
【考えられるタスク】
タスク(大項目) | 具体的なタスク |
面接の準備をする | 面接での質問例などを参照する 質問への回答例を作成する 面接対策動画を見る |
面接の練習をする | 一人でロールプレイをしてみる ロールプレイをWEB録画し、改善する 模擬面接を受ける |
会社によっては営業現場への同行訪問なども行ってくれます。(ちばキャリでも自社の営業採用を行う際には入社前に営業同行が受けられることを伝えています)
タスク(大項目) | 具体的なタスク |
条件やマッチ度を検証する | 内定通知書を確認する 応募時の求人情報を確認する 会社HPを確認する |
相談をする | 家族や友人、メンターなどに相談する |
再検討する | 迷った際は、再面接や社員との面談依頼を行う |
タスク(大項目) | 具体的なタスク |
退職の手続きを進める | 退職の意志表示をする 退職日の相談をする |
引継ぎ業務を行う | 引き継ぎスケジュールを立案する 引き継ぎ資料(業務フロー、作業リスト、関係先リスト、トラブル事例など)を作成する 引き継ぎ業務を行う 取引先へ退職の挨拶(訪問、電話、メール)を行う 退職届を作成する 保険証、社員証などを返却する |
入社準備を行う | 入社前の手続きを確認する(事前提出資料などを新たな勤務先に確認します) 入社前手続きを行う |
③それぞれのタスクに予想工数を入れてスケジューリングする
スケジューリングするにはできるだけ最後から逆算することが大事です。アクションの中で予め日程が決まっているものに関しては先に確定しておくこともポイントです。
例えば、経理の業務で月末、月初はとても有給が取れないということであれば、面接日程は月中に限られます。であれば、ステップ4の面接を11月の2週目、3週目に行いたい。そのためには・・・・といったイメージですね。
また、最初に確認しておかないといけないのは、退職までの期間。1-1の⑤で解説したとおり、退職の意思表示を退職日の何日前までにする必要があるのかは、会社の就業規則に書いてありますので、最初にここを押さえておくことが大事です。
1-3.転職スケジュールの管理方法を決める
※10/15に転職活動スタートし、年内に転職先を決めるイメージ
タスクをしっかりを洗い出し表に整理することで、スケジュールの遅れの原因や重要なタスクなどを視覚的に把握できるのでとても便利です。
ガントチャートの作成に関しては、無料で利用できるアプリがいくつもあるので、便利ですね。私が使ったのは、Instaganttというサービスです。asanaというタスク管理ツールとも連動していて使いやすかったです。
2.転職スケジュール作成Q&A
上司や同僚、取引先へのカミングアウトはいつすべき?
取引先への連絡はより慎重になる必要があります。個人的には信頼関係があると思っていても、会社の肩書があってこそのお付き合いであったなんてこともあります。退職するとわかった途端、取引関係に影響が出たり、コミュニケーションが取りづらくなるなんてことも。。。
未消化の有給休暇はどうなる?
前者の場合は、最終出社日の前に、いったん有給休暇を消化しきるパターンで、有給休暇の消化後、最終的な片付けや挨拶などを終えたら退職となります。後者は最終出社日の翌日から有給休暇の消化期間となり、有給休暇が終わると同時に退職となります。
いずれの形を取るかは、退職の意思表示をした後に、しっかりと上司と打ち合わせることが大事ですね。
スケジューリング的に有給休暇が取れない場合はどうなるかというと、企業側に買い取ってもらえる可能性があります。原則として、有給休暇の買取りは労働基準法で禁止されていますが、「退職時に消化しきれない有給休暇の買い取り」などは例外的に認められるケースもあります。
就業規則で定めている会社などもあるようですが、対応は会社によって全く異なりますので、どうしても有給休暇の消化が無理という場合には相談してみることもありですね。
最後のボーナスはもらうには?
ですので、ボーナスをもらってから辞めたいと考えている場合は、退職の申し出をする前に就業規則の賃金規程を確認しておくことが大事ですね。ただし、一般的にボーナスは会社の業績や個人の業績が良かった際に支給されるもの。必ずもらえるものではないので注意が必要です。
誰かに相談したいときはどうしたらよい?
また、求人サイトによっては、無料でチャットやメール相談を受けてくれるサービスもありますので、そちらも活用してみてください。本格的にキャリアプランから相談したいということであれば、キャリアカウンセラーに相談するもの良いかもしれませんね。卒業後であっても第二新卒の年齢であれば母校で相談に乗ってくれることもあります。
3.まとめ
具体的な手順としては、
2.「事前準備」「求人検索」「書類作成・応募」「面接」「内定、入社検討」「退職、入社準備」の6つのステップごとに行うべきタスクを明確にし、
3.それぞれのタスクに予想工数を入れてスケジューリング管理するということになります。
勤務しながらの転職活動は大変ではありますが、希望の時期に転職するためのスケジューリングを行っていきましょう。