そんな不安を感じたことはありませんか?
特に30代、40代と節目の年齢を超えると応募ハードルは上がりそうなことはわかっている。でも、募集要項には年齢制限がないので、応募してみよう。
応募する側の心理としては自然ではないでしょうか。
しかし、
・応募しても書類選考で落とされる。
・経験やスキルはマッチしていると思うのに、書類選考を通過できない。
そんな経験をされている方も多くいらっしゃるでしょう。
経験やスキルはマッチしているはずなのに、書類選考が通過できない理由として、年齢の問題が十分に考えられます。
私も転職相談を受けていて悩ましいのが、このギャップです。
そこで、この記事では、年齢制限の記載のない理由と企業側の本音について解説したいと思います。
これらを理解しておくことで書類選考通過に向けてできる対策が増えるでしょう。
1.求人に年齢制限が記載されていない理由
厚生労働省のHPを見ると詳しく記載があります。
労働者の募集・採用に当たって、年齢制限を設けることはできません。
・労働者の募集及び採用の際には、原則として年齢を不問としなければなりません。(例外的に年齢制限を行う場合は、例外事由に該当する必要があります。)・形式的に求人票を「年齢不問」とすれば良いということではありません。年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定することは法違反になります。また、応募者の年齢を理由に雇用形態や職種などの求人条件を変えることもできません。
【出典】厚生労働省HP
年齢制限を禁止する目的・年齢制限禁止の義務化は、個々人の能力、適性を判断して募集・採用していただくことで、一人ひとりにより均等な働く機会が与えられるようにすることを目的としています。・少子高齢化のなかで、我が国経済の持続的な成長のためには、個々人が年齢ではなくその能力や適性に応じて活躍の場を得られることが重要です。
【出典】厚生労働省HP
とあります。
ですから、企業は年齢を理由に不採用にしてはいけません。これが、求人票に年齢制限の記載がない理由です。
しかし、これは言ってみれば、建前に過ぎないというのが現実です。
というのも、企業の本音としては、例えば
といった事情が存在するからです。
マネージャーより1歳でも年上は絶対に採用しないなんてことはないでしょうが、できれば年下を採用したいという心理から年齢差が大きいと躊躇しがちになるのも無理もありません。
応募者が複数いる場合には、年齢そのもので不採用にすることはなくとも、相対評価の中で年齢が考慮される可能性があることは十分想定されますよね。
法律で定められているわけですから、企業側も、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定していることは肯定しませんから、真偽はわかりません。しかし、求めている年齢層が絞られている可能性があることは十分に認識しておくことが重要ですね。
年齢層が絞られている可能性を認識することで、過去の実績などの自己アピールにおいて、記載する内容やアピール方法を工夫するという対策が可能となります。
本音と建前。まずは、このギャップを認識しておきたいですね。
※求人票に年齢制限があるケース
とはいっても、年齢制限のある求人もあるじゃないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。確かに年齢制限のある求人も存在します。
その理由は、上記の厚労省の記載にある通り、例外があるからです。
・労働者の募集及び採用の際には、原則として年齢を不問としなければなりません。(例外的に年齢制限を行う場合は、例外事由に該当する必要があります。)
の部分ですね。
具体的には下図のような理由となります。
これらを例外を把握しておく必要はありませんが、例外事由として一番多く使われる事例をご紹介しておきます。
それは、例外事由3号イです。
長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
これはどういうケースかというと、新卒採用を積極的に行っている会社とか第二新卒をしっかり育てて戦力化したい会社などが、経験やスキルの有無を全く考慮せず、若手を採用するというケースです。
長期勤続によるキャリア形成を図るということですから、社会人経験や職種経験、スキル、資格などは一切求めることができません。簡単に言うと、無条件で応募して良いよということですね。
ですので、逆に、実務経験者がほしい、資格取得者がほしいといったケースでは、長期勤続によるキャリア形成を図るという点に合致しませんので、年齢制限の記載をしてはならないのです。
これが、年齢制限の記載のある求人と記載のない求人がある背景です。
2.年齢制限の記載のない求人に応募する時の3つのポイント
そこで、年齢制限のハードルを超えて、選考通過をするために押さえておきたい3つのポイントについてご紹介します。
①ミドルやシニア人材を活用している会社を選ぶ
少子高齢化のなかで、我が国経済の持続的な成長のためには、個々人が年齢ではなくその能力や適性に応じて活躍の場を得られることが重要です。
人材難の中小企業においては、経験の豊富なミドル層やシニア層の人材を活用することは、経営上とても大きなメリットになります。ですので、ミドル層やシニア層を積極的に採用して、活躍できる風土を作っている企業は多くあります。
地域の中小企業の規模のレベルとは少し違うかもしれませんが、アイリスオーヤマなどは有名ではないでしょうか。
大手メーカーで早期退職した社員などを積極採用し、シニア人材の知見やスキル、人脈を活用している好事例ですね。
地域の中小企業においても、同じ様にその人物の経験やスキルを最大限活かす経営を行っている会社がありますので、それらの会社を見つけることが大事です。
例えば、ミドルの転職、マイナビミドル・シニアといった年齢層を絞った専門求人サイトを探すのも良いでしょう。
ただ、地域の中小企業は、コスト面からこれらの大手求人サイトをあまり利用しない傾向もあります。
そんな時は、ちばキャリを始めとした地域の求人サイトを活用し、求人広告の内容から判断していくしかありません。
それらの企業の特徴としては、
当たり前のことかもしれませんが、求人広告の中で、ミドルやシニア層歓迎の文言がないか、社内の雰囲気を伝える写真でミドルやシニア層がいることをオープンにしていないか、転職事例や先輩社員の声にミドル層の社員が登場していないか、そんなところからチェックしてみると良いでしょう。
応募年齢層を絞り込みたい企業においては、若手社員の声や若手社員の写真を中心に使う傾向がありますので、そういう求人広告はひとまず優先順位を下げるというのも一つの手ですね。
②年齢制限がある前提で自分を採用することのメリットを明確にする
なぜなら、知識や経験、知見はもちろん、資質面においても、年齢に囚われないその人固有の強みは多く存在するからです。
例えば、
・リーダーシップやマネジメント力
など、一般的な年齢像とは関係なく、魅力的な強みとなる要素は数多くあります。
これらの強みをうまくアピールすることが大事です。
「想定している年齢層からはずれるかもしれないけど、私にはこんな強みがあります!私を採用することで大きなメリットがあります!」
と言いたいですよね!
組織に貢献できる具体的なメリットと一般的な年齢像とは違う独自性をしっかりアピールしましょう。
③めげない
など、年齢の壁を超えて、自分の強みを活かせる会社、評価してくれる会社は必ずあります。
精神論のようですが、そんな会社があることを認識した上で、マッチングする会社を探すための工夫を続けたいですね。
もちろん、手当たり次第に応募しているようでは、結果は出にくいですし、精神的にも厳しくなります。
②でご紹介したことを念頭に、丁寧に求人を選ぶ、アピール方法を工夫するなど、粘り強く緻密な転職活動を行っていきましょう。
3.まとめ
この記事では、求人に年齢制限が記載されていない理由と年齢制限の記載のない求人に応募する時のポイントについて解説しました。
年齢制限の記載がないからといって、年齢を考慮せずスキルや経験だけで平等に選考されるわけではないことをご理解いただけたのではないでしょうか?
企業側の事情を考慮すると、年生制限の記載がないとしても求めている年齢層が存在することを理解し、そこから外れている可能性があるのであれば、求めている年齢層ではないかもしれないけど私だったら・・・、というメリットや独自性をアピールすることがとても大事なのです。
企業側の募集の背景を踏まえた上で、細かい工夫を重ねることで、転職活動の質が高まりますから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。