「営業事務って他の事務職と何が違うの?」
「実は営業もする?」
「営業に関わるから忙しい?」
「黙々とパソコン仕事じゃない?」
と、営業事務の具体的な仕事内容がわからない、なんてことはないでしょうか。そこで営業組織を支える重要な役割を担う、営業事務の仕事についてご紹介します。
具体的な仕事内容から役立つスキル、よくある質問などをご紹介しますので、この記事で営業事務として働く未来・可能性を感じていただければと思います。
1. 営業事務の仕事内容一覧
営業事務は営業組織に所属し、営業活動をサポートする事務職です。
営業活動は直接おこなわず、営業担当者が円滑に営業活動できるように事務回りを中心にサポートしていきます。
営業担当の代わりに顧客と電話やメールでのやり取りもあります。円滑に進めるためのコミュニケーションスキル、数字を扱うので細かいことに気づく力が役立ちます。
なお営業事務ではなく、営業アシスタント・営業サポートと呼ばれることもありますが、企業によって名称、そして業務範囲が異なりますので、ここでは一般的な仕事内容をご紹介します。
1-1. 顧客管理・商品管理
仕事内容
お客様から注文を受け、注文商品などの在庫を確認し、発注する一連の手続きをおこないます。期日までにお届けする段取り、在庫がない場合の他店舗への手配など、スピーディーさや正確性も求められます。
受発注や顧客管理は、Excelや専用ソフト・ツールで管理していくので、入力や更新作業もします。
役立つスキル・経験
- 正確性(誤字脱字や数値などの細かいチェック)
- スケジュール管理
1-2. 顧客対応
仕事内容
お客様からの依頼を受けて資料や商品などを送付する手配をします。また自社商品を展示会に出す際は展示用の商品管理や運営の段取り、来場者へ配布する資料作成なども担います。
役立つスキル・経験
- 配布資料などを作成するためのExcelやPowerPointスキル
- スケジュール管理
1-3. 資料・書類作成、ファイリング
仕事内容
営業活動で使用する提案書や自社サービスに関する資料づくり、既存顧客へのレポート作成、分析や資料作成のためのデータ集計や入力、契約に関連する見積書・請求書といった、多岐にわたる資料・書類作成をおこないます。
ただ単にまとめるだけでなく、お客様が見やすい、わかりやすい資料にすることも、重要な営業サポートとなります。
役立つスキル・経験
- パソコンスキル全般(タイピング、正確性)
- Excel、Word、PowerPointなどの資料制作ソフトスキル
1-4. 電話・メール対応
仕事内容
顧客からの注文受付や、新規お問い合わせ対応だけでなく、顧客のクレーム対応なども営業の代わりに引き受けることがあります。
お客様のニーズを汲み取り、時に臨機応変に対応を求められることもあるでしょう。
役立つスキル・経験
- ビジネスマナー(言葉遣い、話し方、聞き方)
- 気配り(伝言などを担当者へわかりやすく端的に伝える)
1-5. 伝票処理
仕事内容
営業担当の代わりに営業交通費や経費などの社内申請をします。また営業担当の出張があればチケットやホテル手配などもおこないます。
役立つスキル・経験
- 正確性(誤字脱字や数値などの細かいチェック)
営業事務が営業組織に所属し営業のサポートをすることに対し、一般事務は会社全体の業務サポートをおこないます。また営業事務は顧客との電話・メール対応が多いですが、一般事務は電話の取次ぎなどにとどまります。
一般事務の仕事内容についてはこちらの記事「一般事務の仕事内容を解説|役立つスキル・経験や価値を高める方法まで」をご覧ください。
●営業アシスタント
営業事務が営業組織の事務回りをサポートすることに対し、営業活動そのものをサポートするのが営業アシスタントです。営業のアポイントに同行したり、その後の契約連絡を取り合うこともあります。
2. 営業事務の仕事で結果を出すコツ
営業事務の仕事で結果を出すポイントは、役割・やりがい・大変さ・活かせる経験を把握することです。
営業事務の仕事は指示待ちの受け身ではなく、自らの働きかけや柔軟な対応が求められます。求められる結果を出すことで、ワンランク上の価値を提供できる営業事務として活躍ができるでしょう。
2-1. 営業組織内での立ち位置を知る
営業事務は営業組織の中で営業担当の営業活動を支える役割を担います。
営業事務のメンバーが営業組織全体に配属されたり、部や課それぞれに配属されたりと、組織の規模や形態で配置人数などの違いはあります。
営業担当の依頼を受けて業務を進めたり、顧客から直接の依頼を受けて受発注や資料送付などもおこないます。営業担当の依頼を受けながら業務を進めますが、指示待ちや依頼されたことだけをおこなうのではなく、営業担当のニーズを汲み先を読む力がさらなる効果につながります。
2-2. 仕事のやりがいを見出す
営業事務は他の事務職に比べて、営業担当との連携や顧客への応対といったコミュニケーションの場面が多くあります。
そのため黙々と事務作業を進めるよりは、いろんな人と関わりながら仕事を進め、自分自身の業務が営業部の成果につながることを実感できる点が大きな魅力でしょう。
- 自分の仕事が売上や契約などの数字・成果につながる
資料の見せ方を工夫したり、顧客との会話から受注提案をしてみたり、営業事務のサポートからも受注につながるケースもあります。
また営業担当から「あの資料わかりやすかったよ」「お客様が○○さんの対応褒めてたよ」なんて共有もあったりすると、モチベーションアップにもなります。
- 営業担当や顧客とコミュニケーションを取り、関係を構築しながら進められる
営業担当と「A社の更新そろそろですね、こんなデータがあって…」「B社からこんなお問い合わせいただいて…」なんて連携やアイデアを膨らませたり、お客様からの受注や問い合わせ対応をおこなったりと、社内外の人との関わり広がりを持てます。
- 依頼を受けるだけでなく、自ら考え判断し提案しながら業務をおこなえる
営業担当が不在の際の顧客対応、顧客からの急な依頼など、時には自分の判断でものごとを進める場面もあります。誰かに指示を仰ぎ言われたことを忠実に進めるだけでなく、最善案を考えながら仕事を進めたい方には楽しみも感じられるでしょう。
- 営業担当との結束、組織・部署内での達成など、チームワークを感じることができる
目標に向かってチーム一丸となって取り組むワクワク感があります。また円滑に業務を進めるためには日々の何気ないコミュニケーションも大切です。より良い関係を築くことが、困りごとに気づいたり、サポートにつながることもあります。
- 急な依頼などの対応を迅速に完了させた達成感がある
契約が決まりそうで資料が欲しい、至急受発注対応してほしい、そんな依頼が舞い込む日もあります。自分が抱えている業務との優先順位や割り振りを考えて、期待に応えることができたときは爽快感があるでしょう。
2-3. 仕事の大変さを理解する
やりがいがある一方で大変なことがあるのも仕事です。大変に感じるかは人それぞれでもあるので、自分にとっては大変さよりもやりがいに感じる、これは大変そうだけど得意なこともある、そんな自分の適性も理解しておきましょう。
- コミュニケーション力が求められる
営業担当の依頼を的確に理解する、顧客のニーズを汲み取る、多くの人と関わり円滑に仕事を進めるためにも、コミュニケーションスキルが求められます。
- マルチタスクになる
A社への書類作成中にB社の急ぎの見積書作成が入る。C社の受注中にD社からのお問い合わせ対応をおこなう。複数社の業務や対応が、自分のよいタイミングではなく相手のタイミングで入ってくるので、抜け漏れのないタスク管理が必要です。
- 急な依頼の対応
営業担当や顧客からの急な依頼を受け、優先順位を変えながら業務を進める場面も出てきます。
今日中に○○お願い!なんて依頼もあるので、ときには予定外の残業が発生することもあるでしょう。
- 売上につながる緊張感
営業部に所属し営業担当をサポートするので、顧客への対応がよくなかったり、書類での大きなミスがあったりすると、売上にも影響してしまうケースもあります。自分の仕事が直接数字に影響するプレッシャーを感じる場面もあるでしょう。
2-4. 営業事務への転職につながるキャリア・経験を活かす
事務の経験がなくても、即戦力に近い形でパフォーマンス発揮しやすいのは、営業や提案に携わってきたキャリアや職務経験です。
サポートされる側の営業視点を持っている、顧客にニーズを汲んで提案するスキルは、営業事務として大いに役立つと言えます。
営業全般(外勤・内勤)
営業の仕事を知っているので、「こういう場面でこんなサポートがあると役立ちそう」「顧客にはこう伝えるのが響く」といった元営業ならではの気づきが活かせるでしょう。
カスタマーサポート
お客様の困りごとをヒアリングし解決策を提案するカスタマーサポートの経験は、営業担当や顧客など、相手が何を求めているのかニーズを汲み取る力が活かせるでしょう。
販売
顧客が求めるものを提案したり、ニーズを拾って最適な商品を提案する販売経験は、営業担当の提案に役立つサポートや、顧客のニーズヒアリングに活かせるでしょう。事務職の経験がなくても、今までの経験やスキルが役立てないか振り返ってみましょう。
営業組織をサポートする!
3. 営業事務の仕事に役立つ資格
営業事務の仕事で必須な資格はありません。しかし役立つ資格はあります。
とくに異なる仕事から転職を検討される方、今までのキャリアで事務スキルを表しづらい方はパソコン系の資格を取得されているとスキルが可視化しやすいでしょう。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
一般レベル/上級レベル(エキスパート)
Microsoft のソフトであるWord・Excelなどのスキルを証明する資格なのがMOSです。
基本的操作が可能な一般レベルと、さらに高度なスキルが必要な上級レベルの2種類があります。
営業事務の仕事内容では特に、Word(文書作成)・Excel(表計算)・PowerPoint(プレゼンテーション)が役立ちます。
データ収集や分析、顧客へのプレゼン資料や販促資料という場面での活用が多いので、多くの企業で利用されているソフトを扱えることが仕事の幅を広げるチャンスにもなります。
秘書検定
3級~1級
人柄育成を目指すと公式サイトにあるように、秘書だけでなく対人場面で役立つ資格が秘書検定です。
社会人としての基本的マナー(言葉遣い、振る舞い、話し方など)の習得を表すことができます。
3級は高校生も受験するような基本的な職場でのマナーを問われ、1級では先回りした対応力や判断力が求められるようになります。
- パソコンスキル全般(タイピング、正確性)
- ビジネスマナー(言葉遣い、話し方、聞き方)
- マルチタスク
- スケジュール管理
- クレーム応対
可視化しやすいのは資格ですが、これまでの業務で培ったスキル・経験もアピール要素になります。また自分が営業事務として力を発揮できるか客観的に判断もできるでしょう。
とくに上記で挙げたスキル・経験が営業事務の仕事で役立てることができます。
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4. 営業事務の仕事内容に関するQ&A
- 人とのコミュニケーションを取りながらものごとを進められる
- マルチタスクができ優先順位をつけられる
- 相手のニーズを汲み取れる
逆に向いていない方は、
- 黙々と業務を進めるのが得意
- パソコン業務全般が苦手
- 提案や交渉が苦手
営業担当や顧客との連絡・やり取りが多く発生するため、集中・コツコツ・黙々タイプの方は馴染むまでに苦労があるかもしれません。
まとめ
営業事務は自ら営業活動をおこなうのではなく、事務回りをメインに、外出の多い営業社員・営業部全体を支えている存在です。
営業事務の仕事内容は企業によって異なりますが、契約回りや提案で使用する書類・資料作成、顧客対応、受発注管理を担当し、営業担当だけでなく顧客ともコミュニケーションを取りながら業務を進めます。
幅広い部署のサポートを担う一般事務、社員の労働環境面をサポートする総務、お金を管理し経営をサポートする経理といった他の事務職とは異なる営業事務。
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