
「楽な仕事に転職したい!」
そう思う方は多くいらっしゃると思います。
ですが、「楽な仕事」を定義するのはとても難しいものです。
なぜなら、どんな仕事を楽だと感じるかは人によって大きな個人差があるからです。
ですから、一概にこの仕事が楽だと言い切れるものではありません。
とはいえ、比較的多くの人が楽だと感じる仕事、ある特性を持った人にとっては楽だと感じる仕事というものは存在します。
そこで、この記事では、一般的に楽だと言われがちな仕事をご紹介した上で、自分にとっての楽な仕事の探し方について解説したいと思います。
1.楽な仕事10選|一般的に楽だと言われがちな仕事とは
この章では、一般的に楽だと言われがちな仕事を10個ピックアップしてみます。
前述したとおり、人によっては楽だとは思えない仕事もあるかもしれませんが、楽だと感じる方が一定数いる仕事であることは間違いありませんので、参考にしてみてください。
①受付
【仕事内容】
受付の仕事は、来店や来社など、訪問された方の対応を行う仕事です。具体的には、来訪者の対応や電話対応を行います。
例えば、企業であれば、訪問者のスケジュールを確認し、対応する部署の担当者に取り次いだり、モデルルームであれば、受付表に個人情報を記載してもらったり、簡単な要件や希望の確認などを行います。
【求人の特徴・募集企業の特徴】
大手企業、デパートやショッピングモール、病院などでの募集が主だった求人となります。千葉県においては、大手企業の本社などは少ないため、ディーラーや住宅展示場、モデルルームなどでの受付業務が多く見受けられます。
【仕事の特徴、求められるスキル】
マニュアルに沿って来客時の接客をこなす仕事なので、ビジネスマナーがしっかりしていれば特別なスキルを求められるわけではありません。
【楽だと考えられる理由】
基本的に決まったルーティンをこなす仕事ですし、残業も発生しにくいため。また来訪者が少ない時間帯もあり、忙しさに追われるということも少ないため。
※こんな方にとっては楽ではない
ルーティンワークをこなすことがメインの仕事や忙しくなく待機する時間がある状態をストレスに感じる方には逆に楽ではない仕事となります。
②データ入力
【仕事内容】
データ入力の仕事は、言葉通り、文字や数値のデータを、エクセルなどに入力していく仕事です。具体的には、伝票や請求書、申込書、契約書作成のために必要なデータを入力することが多くあります。【求人の特徴・募集企業の特徴】 データ入力が日常的に発生しやすい分野としては、経理や会計、実験、商品管理、医療系に関わるケースが多いでしょう。ただ、作業量的や発生の頻度的に、正社員としての仕事は少なく、派遣社員やパート社員での募集が多い傾向があります。
【仕事の特徴、求められるスキル】
ミスが少ないことやスピードが求められますが、特別なスキルが必要となるわけではありません。社内外の人とコミュニケーションや連携を必要とするわけではないので、黙々と仕事ができることも特徴です。【楽だと考えられる理由】 ひたすらパソコンと向き合う仕事なので、根気は必要ですが、ルーティンワークとして精神的にも肉体的にも楽な仕事と言えます。※こんな方にとっては楽ではない ルーティンワークで単調が業務をし続けることにストレスを感じる方にとっては楽ではありません。また、人と接したり、自分ならではの付加価値を生み出せる仕事ではないので、仕事に張りや満足感を感じたいという方にもなかなか向きにくい仕事となります。
③ビルメンテナンス
【仕事内容】
ビルメンテナンスの仕事はビルを巡回し、設備を点検する仕事です。ビルはもちろん、病院や商業施設などの点検も行います。【求人の特徴・募集企業の特徴】 ビルメンテナンス専門の大手企業かそれらの協力企業、下請け企業での求人が多くなります。消防設備点検を同時に行っている会社も多く見受けられます。【仕事の特徴、求められるスキル】 決められた項目をチェックするなど、特に専門的な知識がなくてもできる仕事で難しくはありません。【楽だと考えられる理由】 設備や点検内容をしっかり把握する必要があるので、最初は大変ですが、慣れてくるとルーティンワークとなります。また、基本的には1人で点検作業を行うため、人間関係で悩むケースも少ないと考えられます。※こんな方にとっては楽ではない ④工場のラインスタッフ
【仕事内容】
工場での勤務。ベルトコンベア―から流れてくる製品の「検査・検品」「仕分け」「組立」「梱包」などがあります。【求人の特徴・募集企業の特徴】 各メーカーが抱える工場での募集が多くあります。業界としては「食品」「機械」などが多く、正社員はもちろん、派遣・パートスタッフでの採用も多くあります。また男女関係なく活躍できる仕事です。【仕事の特徴、求められるスキル】 毎日のルーティン業務がメインとなります。コツコツ・黙々と仕事がしたい方には向いているでしょう。納品後に不良品が発見されると会社(工場)の問題になるため、簡単な仕事とはいえど、ミスがないよう集中して作業を行う姿勢も大事となってきます。【楽だと考えられる理由】 配置ごとに仕事内容は異なりますが、難しい仕事はほとんどありません。また専門知識も必要ではないので、比較的誰でも取り組みやすい仕事です。※こんな方にとっては楽ではない 単純作業に飽きてしまう方。集中力がない方。立ち仕事が苦手な方。※ちばキャリに掲載中のライン工の求人
⑤機械オペレーター
【仕事内容】
工場などの製造現場で、専門の機械を操作して製品加工をする仕事です。【求人の特徴・募集企業の特徴】 製造・建築業界での募集が多くあります。その会社が扱っている製品・商材によって扱う機械の種類や勤務環境は大きく異なってきます。雇用形態は正社員はもちろん、派遣・パートスタッフでの採用も多くあります。また、扱う機械によっては女性でも扱いやすいモノもあり、男女関係なく働ける仕事です。【仕事の特徴、求められるスキル】 業種ごとに勤務体系は異なるので日勤のみ・日勤夜勤なのかはしっかり求人を確認する必要があります。また、機械を扱うという点では「事故の無いように慎重に仕事ができる」という点も大切です。【楽だと考えられる理由】 業種ごとに仕事は異なりますが、難しい仕事はほとんどありません。また専門知識も必要ではないので、比較的誰でも取り組みやすい仕事です。※こんな方にとっては楽ではない ⑥法人向けルート営業
【仕事内容】
過去に取引実績のあるお客様に対して行う営業活動。すでに取引を行っているお客様への提案ですので、商品を売り込むより、お客様との信頼関係を構築することや取引量を増やしていくことが重視されます。【求人の特徴・募集企業の特徴】 提案をしに行くというよりは「既にご注文いただいている製品の納品を行いがてら、ちょっとお話をしていく」というという営業スタイルが多いのもルート営業の特徴です。オフィス機器、資材・建材など定期的にメンテナンスや補充が必要な商材を扱っている会社が多い傾向にあります。【仕事の特徴、求められるスキル】 配送を伴う募集も多く、運転免許も必要とされる場合が多いです。また長期的なお付き合いのお客様が多いので、コミュニケーション力の中でも、「雑談力(特に聞く力)」「気配り力」などが求められることが多いです。【楽だと考えられる理由】 新規の飛び込み・テレアポなどのストレスの大きい営業活動は少ない他、数値目標も個人だけでなくチームや支店全体で追いかけることも多く、新規営業より精神的な負担は少なくなります。※こんな方にとっては楽ではない ⑦警備
【仕事内容】
勤務する場所によって仕事内容は異なりますが、大きく「その場所の安全を守る」仕事です。施設警備(入館管理・受付・巡回)、交通誘導、イベント警備、機械警備、貴重品運搬、身辺警備などがあります。【求人の特徴・募集企業の特徴】 警備会社が取り扱っている案件ごとに募集をしている場合が多く、それぞれで、勤務形態・警備内容が異なってきます。
【仕事の特徴、求められるスキル】
入社時に特別な資格はいりませんが、より高度な警備内容によっては専門資格が必要になります。多くの募集は立ち仕事がメインですが、施設内の受付やセキュリティ警備などは室内での座り仕事も多く、男女関係なく活躍できる警備の仕事もあります。【楽だと考えられる理由】 業種ごとに仕事は異なりますが、難しい仕事はほとんどありません。また専門知識も必要ではないので、比較的誰でも取り組みやすい仕事です。また、業界全体でも年齢層が高いことから、50・60代で転職してくる方も多くいます。※こんな方にとっては楽ではない 忍耐力がない方。責任感がない方。また、募集の多くは外での警備や立ち仕事も募集ですので、暑さ寒さ天候などの変化にキツさを感じる人にとっては楽とは言えないかもしれません。※ちばキャリに掲載中の警備の求人
⑧清掃スタッフ
【仕事内容】
主に、施設などの清掃を行う仕事。規模によっては手作業ではなく、機械を使用した清掃を行うこともあります。【求人の特徴・募集企業の特徴】 求人ではオフィス・ビル・マンション・商業施設などの清掃募集や、アパート立ち退きの際の原状回復などを募集が多くあります。正社員はもちろん、派遣・パートスタッフでの採用も多くあります。また男女関係なく活躍できる仕事です。【仕事の特徴、求められるスキル】 正社員は現場作業に加えパートスタッフの管理などのマネジメント要素が少し加わる募集が多くあります。パートスタッフは主婦層や年齢高めな方も多くいますので、時にはうまく協調してもらえるようリーダーシップに期待されることもあります。【楽だと考えられる理由】 どの年齢の方でも未経験で気軽に始められる仕事内容であることが挙げられます。求人によっては短時間で稼げる仕事もあります。※こんな方にとっては楽ではない ⑨塾講師
【仕事内容】
主に小学生〜高校生までを対象に、学習サポート(授業の予習・復習、テスト対策)・進路相談・保護者面談などを行います。
【求人の特徴・募集企業の特徴】
指導の方法は「個別指導」と「集団指導」の2つ。正社員の多くは塾長(マネジメント)を視野にいれた募集となり、塾講師のみのスタッフは大学生・大学院生が多く在籍している傾向にあります。
【仕事の特徴、求められるスキル】
塾講師としては生徒の成績を上げることや受験合格へのサポート力が求められます。また、小〜高校生まで5教科を幅広く教えられる基礎知識や受験対策に関する知識収集も必要です。
【楽だと考えられる理由】
学力のある方にとっては、自分自身が習得した知識や経験をベースに仕事ができますので、取り組みやすい仕事となります。
※こんな方にとっては楽ではない
自分のスタイルではなく相手に合わせたスタイルに適応できない方。結果を出すまで試行錯誤を続けることが苦手な方。
⑩販売スタッフ
【仕事内容】
店舗での「接客」「レジ打ち」「品出し・在庫管理」などを行なう仕事です。アパレル、家電量販店、雑貨、ドラッグストア、ホームセンター、百貨店など業種によって求められる商品知識は異なります。
【求人の特徴・募集企業の特徴】
各企業が展開しているブランド・運営している店舗別での募集がメインとなります。正社員には販売スキルだけでなく店舗管理(マネジメントスキル)も求められることもあります。多くの販売スタッフは、派遣・パートスタッフでの採用も多くあります。また男女関係なく活躍できる仕事です。
【仕事の特徴、求められるスキル】
多種多様な方への商品の提案が必要なので、商品に対する興味があったり、人と接することが好きな人に向いています。お客様や、店舗の雰囲気に合わせて接客の仕方を変えていく必要もあるので、その点で柔軟性も必要になります。
【楽だと考えられる理由】
商品知識は必要ですが、コミュニケーションスキルがあれば比較的誰でも始めやすい仕事です。学生時代にアルバイトで接客業を経験していた方にとっては、そのスキルや経験を活かして、すぐに活躍するケースも多くあります。
※こんな方にとっては楽ではない
忙しい時間帯とそうでない時間帯など、仕事の波が大きいことが苦手な方。おすすめ商品の提案など積極的な販売や販売の成果が求められるのが嫌な方。
※ちばキャリに掲載中の販売の求人
2.自分にとって楽な仕事の探し方
前述した通り、どんな仕事を楽だと感じるかは人によって大きな個人差があります。ですので、楽な仕事に就きたいと考えた時に、
自分にとって楽な仕事を探すことが必要となります。
そこで、この章では、自分にとって楽な仕事を探すにはどうしたらよいか、具体的に自分にとって楽な仕事の探し方について解説します。
2-1. 楽な仕事を体系的にとらえる|5つのポイントで分類する

自分にとっての楽な仕事を探すための方法の第1ステップは、楽な仕事を体系的にとらえることです。
なぜなら、人が楽だと感じるポイントはいくつかに集約されるからです。それらのポイントに基づいて仕事の種類を分類することで、仕事を客観的に評価することができます。
例えば、警備の仕事が楽な仕事だと言われても、賛同する人もいれば、賛同できない人もいるでしょう。人によって反応は大きく分かれます。
ですが、警備の仕事が「〇〇という観点」では楽だと言われればその点には賛同できるはずです。これが仕事を客観的に評価する、理解するということです。
ここでは、この「○○という観点」に当てはまる、仕事を楽だと感じるポイントを5つ解説します。
①精神的に疲れにくい仕事
楽な仕事を分類するテーマの1つは、精神的に疲れにくい仕事かどうかというものです。
精神的に疲れる=楽ではない と感じる人は多くいらっしゃるでしょう。
精神的に疲れる状態としては、例えば、
・成果や目標数字に追われる
・締切に追われる
・人間関係によるストレスが大きい
といったことが挙げられます。
精神的に疲れにくい仕事は、これらの状態が生じにくい仕事となります。前章でご紹介した10の仕事を、精神的に疲れにくいかどうかというテーマで評価すると以下のようなイメージになります。
仕事 | 精神的に疲れにくいと考えられる度合い |
受付 | ◎ |
データ入力 | ◎ |
ビルメンテナンス | ◎ |
工場のラインスタッフ | ◎ |
機械オペレーター | ◎ |
法人向けルート営業 | △ |
警備 | ◎ |
清掃スタッフ | ◎ |
塾講師 | △ |
販売スタッフ | 〇 |
営業職は売上目標やお客様の課題解決などの成果を強く求められる仕事なので、精神的な疲れを感じやすい傾向がありそうです。販売職もその傾向が若干ありますし、塾講師も生徒の成績アップを求められる点ではプレッシャーがかかりそうですね。
どちらかというと対人ではなく対物(機械操作や作業)の業務の方が精神的な疲れを感じにくいのではないでしょうか。
②体力面の負担が少ない仕事
楽な仕事を分類するテーマの1つは、体力面の負担が少ない仕事かどうかというものです。
体力的な負担が大きい=楽ではない と感じる人は多くいらっしゃるでしょう。
体力的に負担が大きい状況として、例えば
・重い荷物を扱う
・ずっと立ち仕事
・夜勤が発生する
・拘束時間が長い
といったことが挙げられます。体力的に疲れにくい仕事は、これらの状態が生じにくい仕事となります。前章でご紹介した10の仕事を、体力的に疲れにくいかどうかというテーマで評価すると以下のようなイメージになります。
仕事 | 体力的に疲れにくいと考えられる度合い |
受付 | ◎ |
データ入力 | ◎ |
ビルメンテナンス | 〇 |
工場のラインスタッフ | 〇 |
機械オペレーター | 〇 |
法人向けルート営業 | ◎ |
警備 | △ |
清掃スタッフ | 〇 |
塾講師 | ◎ |
販売スタッフ | 〇 |
営業職は特に重たいものを持ったり、ずっと立ち仕事というわけではないので、体力的には疲れにくい仕事だといえます。ただ、移動距離が長かったり、担当企業が多い仕事は体力的な負担は増えるでしょう。
警備や販売、工場での仕事は肉体労働的な作業はありませんが、立ち仕事という点で疲れやすい仕事と感じる方もいるでしょう。
③ルーティンワークが多い仕事
楽な仕事を分類するテーマの1つは、業務的に疲れにくいかどうか、いわゆる、ルーティンワークが多い仕事かどうかというものです。
想定外の業務やイレギュラーな対応が必要な仕事が多い=楽ではない と感じる人は多くいらっしゃるでしょう。
想定外の業務やイレギュラーな対応が必要となることが多い仕事としては
・研修やマニュアル通りに進めにくい
・多種多様なお客様への対応が求められる
・ミスによるトラブルやクレームが頻繁に生じやすい
といったことが挙げられます。
ルーティンワークが多い仕事は、これらの状態が生じにくい仕事となります。前章でご紹介した10の仕事を、ルーティンワークが多いかどうか(業務的に疲れにくいかどうか)というテーマで評価すると以下のようなイメージになります。
仕事 | 業務的に疲れにくいと考えられる度合い |
受付 | ◎ |
データ入力 | ◎ |
ビルメンテナンス | 〇 |
工場のラインスタッフ | ◎ |
機械オペレーター | ◎ |
法人向けルート営業 | △ |
警備 | 〇 |
清掃スタッフ | ◎ |
塾講師 | △ |
販売スタッフ | △ |
受付やデータ入力や機械操作の仕事は決まった流れで行うことが多く、ルーティンワークが基本の仕事と言ってよいでしょう。営業や販売、塾講師など、対人関係の仕事は、業務(作業)工程は同じでも、相手や状況によって臨機応変な変化が生じますので、ルーティンワークが多い仕事とは言いづらいと言えます。
④責任が比較的少ない仕事
楽な仕事を分類するテーマの1つは、責任が伴うことが多い仕事かどうかというものです。
様々な責任が伴う=楽ではない と感じる人は多くいらっしゃるでしょう。
責任が伴う仕事としては、
・命を預かる仕事
・お客様の成果に大きく関わる仕事
・1つのミスが命取りになる仕事
・多くの人や組織をマネジメントする仕事
といったことが挙げられます。責任が比較的少ない仕事は、これらの状態が生じにくい仕事となります。前章でご紹介した10の仕事を、責任が多いかどうかというテーマで評価すると以下のようなイメージになります。
仕事 | 責任的に疲れにくいと考えられる度合い |
受付 | ◎ |
データ入力 | ○ |
ビルメンテナンス | 〇 |
工場のラインスタッフ | 〇 |
機械オペレーター | 〇 |
法人向けルート営業 | 〇 |
警備 | △ |
清掃スタッフ | ◎ |
塾講師 | △ |
販売スタッフ | 〇 |
受付や清掃スタッフなどの仕事は、重大なミスにつながるようなことは少なかったり、リカバーが効きやすいので、責任が比較的少ないと言えるでしょう。データ入力は取り扱うデータによって、異なります。警備の仕事は事故につながる可能性があるので責任が少ないとは言いずらい他、営業や塾講師なども、お客様の成果を上げるという点では責任感を求められるでしょう。
⑤残業が少ない仕事
楽な仕事を分類するテーマの1つは、残業が多い仕事かどうかというものです。
残業や拘束時間が長い=楽ではない と感じる人は多くいらっしゃるでしょう。
残業が多い仕事、発生しやすい仕事は
・トラブルが生じることが多い仕事
・厳しい納期が要求される仕事
・事務処理など付帯業務が多い仕事
といったことが挙げられます。残業が少ない仕事は、これらの状態が生じにくい仕事となります。前章でご紹介した10の仕事を、残業が発生しやすいかどうかというテーマで評価すると以下のようなイメージになります。
仕事 | 時間的に疲れにくいと考えられる度合い |
受付 | ◎ |
データ入力 | ◎ |
ビルメンテナンス | 〇 |
工場のラインスタッフ | ◎ |
機械オペレーター | ◎ |
法人向けルート営業 | △ |
警備 | ◎ |
清掃スタッフ | ◎ |
塾講師 | △ |
販売スタッフ | 〇 |
事務的な業務や工場での仕事は生産性に基づいて工数予測が立てやすいので、繁忙期などを除き、残業は発生しにくい傾向にあります。
一方、営業や販売など具体的な成果を求められる仕事は、成果の進捗によっては残業が生じる可能性があります。また、成果を出すための工夫改善に様々な方法があるような仕事、主体業務を行うために多くの付帯業務が発生する仕事は、スキルアップするまでの過程において残業が生じる可能性があります。
※1章の仕事10選を5つのポイントで評価
①~⑤をまとめると以下のようなイメージとなります。
仕事 | 精神 | 体力 | 業務 | 責任 | 時間 |
受付 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
データ入力 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
ビルメンテナンス | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
工場のラインスタッフ | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ |
機械オペレーター | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ |
法人向けルート営業 | △ | ◎ | △ | 〇 | △ |
警備 | ◎ | △ | 〇 | △ | ◎ |
清掃スタッフ | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
塾講師 | △ | 〇 | △ | △ | △ |
販売スタッフ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
2-2. 自分の適性を把握する
楽な仕事を探すための方法の第2ステップは、自分の適性を把握することです。
なぜなら、2-1で集約した5つのポイントの内、どのポイントを自分が楽だと思うかは、人によって違うからです。これがいわゆる自分の適性であり、人によってその仕事を楽だと思うかどうかの評価が分かれる理由です。
例えば、ルーティンワークが多いことを楽だと感じる人が多いという事例がありましたが、実は、逆に感じる人もいます。私もそうなのですが、同じことの繰り返しにすぐに飽きてしまう、変化の多い仕事の方が面白いと感じるという人にとっては、ルーティンワークが多いは楽ではないのです。
また、体力的な負担が少ない仕事を楽だという事例がありましたが、逆に体力に自信がある方にとっては、体力的な負担によって周りと差別化できたり、あまり考えずに仕事に取り組めるので、体力的に負担が大きい仕事の方が楽だと感じるということも考えられるのです。
要するには、自分の適性や価値観をつかんでおくことが大事なのです。
自分の適性を把握する方法としては、自己分析をすることはもちろんですが、他人から評価をもらう他己分析や、適性検査を活用することなども有効となります。
2-3. 自分の適性とマッチした種類の仕事を探す
自分にとって楽な仕事を探すための方法の第3ステップは、2-2で把握した自分の適性とマッチした種類の仕事を探すことです。
5つのポイントのどれが自分が楽と感じやすいかどうかを把握したら、先に挙げた10の職種の中からそのポイントを満たしやすい仕事を選んで探すという方法も有効ですし、興味のある仕事があれば、その仕事が5つのポイントのどれを満たすのかを分析した上で、自分が楽だと感じるかどうかを判断するという方法も有効でしょう。
先に挙げた10の仕事だけが、楽な仕事ではありませんので、5つのポイントをしっかり把握した上で、自分にとって楽な仕事をうまく探していただければと思います。
3.楽な仕事を選ぶことのデメリット
さて、ここまで自分にとって楽な仕事の選び方について解説してきました。
楽な仕事に就くことには様々なメリットがあります。前述の5つのポイントを満たすことで、仕事に関して苦しいと感じることが少なくなりますので、仕事のことで悩むことが少なくなりますし、仕事とプライベートを切り分けやすいといったこともあるでしょう。
ですが、一方では、デメリットも生じます。なぜなら、物事にはトレードオフの関係があるからです。1つの要素におけるメリットが大きいということは他の面においてデメリットが生じる可能性があります。
この章では、どんなデメリットがあるのかについて解説します。
①機械やAIに代替される可能性がある
楽な仕事に就くことのデメリットの1つ目は、その仕事が機械やAIに代替される可能性があるということです。
楽な仕事というのは、近い将来、人が行う必要のない仕事になる可能性があります。
データ入力などはRPAの技術が進んでいますし、警備や清掃などもロボットの性能がどんどん上がっています。そのため、機械やAIに代替されることで仕事量が減る可能性がありますし、結果、その職に就くことの難易度が増す可能性や職を失う可能性が生じます。
②スキルが上がらない
楽な仕事に就くことのデメリットの2つ目は、スキルが上がりづらいということです。
楽な仕事というのは、高度な技術がなくてもしやすい仕事ですし、仕事を通じて高度なスキルが身につくものでもありません。
ですので、自分にしかできないという付加価値をつけていくことがとても難しいのです。スキルが上がったとして、ある程度の経験で誰もが習得できるものだったり、上限が見えてしまうといってこともあります。成長という観点でスピードが遅かったり、上限があるのです。
結果、キャリアアップが目指しづらいということにもつながることもあります。
③給与が上がらない
楽な仕事に就くことのデメリットの3つ目は、給与が上がりづらいということです。
前述した通り、楽な仕事というのは、自分にしかできないという仕事にはなりづらいものです。
ですので、取り組みやすい人が多い、応募しやすい仕事となります。給与は需要と供給で決まりますから、応募者が多い(採用しやすい)ということになると相対的に給与水準が下がる傾向があります。
また、スキルアップしたり、自分にしかできないという付加価値がつけづらいということになると、給与の上限も低くなる傾向になりがちです。
4まとめ
この記事では、楽な仕事をテーマに、一般的に楽だと感じやすい仕事を紹介した上で、自分にとって楽な仕事の探し方、楽な仕事に転職することのデメリットなどについて解説しました。
楽な仕事に転職したいと誰もが思うことですが、その仕事が自分にとって本当に楽なのか、その仕事に就くことで、将来の人生的に楽なのかという点について深く考えることが大事です。
この記事が、楽な仕事に転職するということを深く考えるきっかけになったり、キャリアビジョンを考えるきっかけになるとうれしく思います。