
この記事では、そもそも転職エージェントとは何かという解説から、エージェントを利用するメリット・デメリット、自分にマッチしたエージェントの選び方、付き合い方のポイントなどをまとめましたので、転職エージェント利用検討の参考にしてください。
1.転職エージェントとは
転職エージェントとは、エージェントという名称の通り転職者と企業の代理人という存在で、「転職を希望する方」と「優秀な人材を採用したい企業」のベストなマッチングをサポートするサービスです。転職希望者の目線では、専任のキャリアアドバイザーが寄り添い、転職活動を手厚くサポートしてくれるサービスとなります。一方、求人企業の目線では、採用アドバイザーが人材要件の定義付けから人材の発掘、選考のサポートをしてくれるサービスとなります。
転職エージェントは求人企業から採用成功時に成功報酬フィーを受け取ることで成り立っているため、転職希望者は、キャリアプラン設計の相談をはじめ、最適な求人の紹介、応募書類の書き方や面接のアドバイス、内定、入社に関するバックアップなどをすべて無料で受けることができます。
弊社では、この転職エージェントというサービスを、働くということを前向きに捉え、理想のキャリア構築を目指している方とのパートナーシップだと考えています。
というのも、転職希望者をサポートするサービスではあるものの、お互いに目指す方向性が一致しないと良いサポートは実現しないからです。ただ単に、希望にマッチした求人情報を提供するだけでは転職エージェントの価値は発揮できません。
価値を最大限に発揮するために、現在の状況や悩み、迷い、希望など、転職に関する本音を語っていただくことも必要ですし、逆に、耳の痛い話や厳しいアドバイスなどを聞いていただくことも必要だと考えています。パートナーとしての信頼関係を構築した上で、最終的に転職希望者の納得のいく転職活動をサポートできることを目指しています。
そんなことを踏まえた上で、転職エージェントというサービスについて解説をしたいと思います。
1-1 転職エージェントの役割

■転職を考え始める時期
転職を考え始めても、なかなか自分一人ではキャリアプランを描けないことも多いものです。応募を検討する職種や業種の選択肢を広げたり、逆に絞り込んだり、などキャリアプラン設計のサポートを行います。
■求人を探し始める時期
■選考がはじまる時期
■内定が出る時期
■入社後
1-2 転職サイトとの違い
【転職サイト】

【転職エージェント】

常にエージェントを通してやり取りをすることで、便利な点もあれば、逆にまどろっこしい点もあるというわけです。
転職活動の各プロセスにおける具体的な違いを表でまとめましたので参考にしてください。
転職サイト | 転職エージェント | |
求人数 | 転職エージェントと比べると多い | 転職サイトに比べると少ないが、非公開求人を所有している |
求人の検索 | 自分自身で検索し、応募先を見つける必要がある | アドバイザーが希望にマッチした求人や経験・スキルを活かせそうな求人を提案してくれる |
選考サポート | 転職サイト上の情報をもとに自分で進めていく | 応募企業に合わせた職務経歴書の書き方や面接対策などをアドバイスしてくれる |
年収交渉 | 自分で行う必要がある | アドバイザーがサポートや代理交渉をしてくれる |
退職サポート | 自分で行う必要がある | アドバイザーがアドバイスをくれたりサポートをしてくれることもある |
1-3 転職エージェントを利用するメリット
① 転職のプロによるカウンセリングを受けられる
どのような職が向いているのか、どんなキャリアを築けばいいのかといった、キャリアプラン設計の初期段階から、転職活動の進め方がわからない、自分のアピール方法がわからないといった選考段階、内定を受諾してよいのかといった最終段階まで、転職活動の全プロセスにおいて、悩みや不安を解消するサポートを受けることができます。
②非公開求人を含めた最適な求人を提案してもらえる
転職エージェントは求人企業の採用アドバイザーとして、それらの非公開の求人情報を数多く持っています。非公開求人も含めて、自分にとって最適な求人の提案や探し方のアドバイスなどをしてもらうことができます。
③面接のセッティングをしてもらえる
また、時には対面ではなくWebでの面接を提案してくれたり、社員との面談の場の設定を提案してくれたりと、選考上の不安を解消するサポートを受けることができます。
④入社にあたっての交渉をしてもらえる
1-4 転職エージェントを利用するデメリット
①応募企業が限られる(すべての会社がエージェント利用できるわけではない)
特に採用活動にあまりコストがかけられない中小企業においては、サービスを利用する企業が限られてくるという現実もあります。そのため、自己応募をするよりも応募できる企業が減る可能性があるのです。特に転勤のない地域密着の中小企業などを志望している場合などは、転職エージェントだけではなかなか求人がみつからないということもあり得ます。
とはいえ、逆に非公開の求人があったり、採用にコストをかける比較的優良な企業の求人が多いというメリットもあるので、ご自身の状況によって利用を検討するのが良いと思います。
②経験やスキル、資質において高い水準を求められる
そのため、スキルや経験が豊富でないと紹介を得られないこともあります。また、年齢層に関しても現状の年齢構成をもとに細かい条件があることが多いので、年齢が高くなってくると大幅に求人が減るということもあります。(これは転職サイトでも同じことですが)
とはいえ、スキルが低い方、年齢が高い方向けのアドバイスを受けられるので、転職活動全体を考えるとメリットは大きいと思います。
1-5 転職エージェント利用の流れ
①転職エージェントサービスへの登録
サービスに登録し、職歴や学歴などプロフィールの登録を行います。登録完了後、2~3営業日以内に連絡がくることが一般的です。ほとんんどの会社が無料で行なえます。
②キャリアアドバイザーとの面談
専任のキャリアアドバイザーとのキャリアカウンセリング(面談)を行います。登録したプロフィールをもとにより詳しいヒアリングが行われることになります。
最近はWebで対応しているところも多いので、お昼休みや仕事中に中抜けして面談を受けるといったことも可能でしょう。
③求人の紹介
面談で伝えた希望条件に沿って求人の紹介を受けます。社風や社長の人柄など、求人広告に載っていないプラスαの情報を得られることも少なくありません。
④選考・面接
紹介を受けた求人への応募承諾を行うと、エージェント経由で書類選考➔面接に進みます。応募企業に応じて、事前に個別のアドバイスを受けることができるでしょう。
⑤内定・入社
選考に通過し内定が出ると、書面で内定通知書が提示されますので、内定承諾するかどうかの判断を行います。入社日の調整や年収などの条件面での交渉はアドバイザーが間に入ってサポートしてくれます。
1-6 転職エージェントを利用するのに適している方
①初めて転職される方
②在職中の方
③応募書類や面接が不安な方
1-7 転職エージェントを利用する際の注意点
①嘘をつかない
②明確に意思表示をする
③ビジネスマナーを守る
2.転職エージェントの選び方
① 業種や職種などの強みで選ぶ
②求人件数の多さで選ぶ
③アドバイザーとの相性で選ぶ
④「自分が働きたいエリアの求人数」で選ぶ
都内での勤務希望の方や、就きたい業種や職種が明確で、そのためなら勤務地は問わないという方には関係のない話ですが、最近は働く場所を重視する方、職住近接を望む方がとても増えています。そんな方にとっては、転職エージェントが希望のエリアの求人を数多く持っているかどうかがとても大きな選択のポイントとなります。この点について、次の章で解説したいと思います。
3.特定エリアでの転職に強い転職エージェントの探し方
先ほど、自分の働きたいエリアが決まっているのであれば、そのエリアに強いエージェントを使うことがとても重要というお話をしました。では、特定のエリアに強い転職エージェントをどうやって探せばよいのかについて解説します。
特定の地域に強いということは、その地域に根ざした地元の中堅・中小企業の求人を多く扱っているということです。もちろん大手の転職エージェントも地域を幅広く網羅しているので、利用検討先としてはとても重要です。その他の転職エージェントの中からどうやって希望地域の求人を数多く持っている先を探すのか。ここではそのための、3つのポイントをご紹介します。
①特定エリアに本社のある転職エージェントを探す
②運営年数が比較的長い転職エージェントを探す
転職エージェントというサービスが大きく浸透してきたのは、ここ10年~20年のことですが、長く続けている企業には、やはりそれなりの理由があることが多いです。求人収集のネットワークを持っていることはもちろん、地域の優良企業との深いつながりもあったりします。運営年数が短いことがマイナス評価になるわけではありませんが、運営年数の長さを確認しておくとよいでしょう。
③他の人材サービスも運営している転職エージェントを探す
特定のエリアでの転職に強い転職エージェントの探し方のポイントをご紹介しましたが、これが絶対というわけではありません。最近では、その地域に本社がなくても、その地域の求人を収集する方法も存在します。例えば、人材紹介プラットホーム。
中小規模の転職エージェントは、求人や求職者を集めるため、求人や求職者を各社で共有する人材紹介プラットホームを活用していることが多いのです。各社のデータベースを共有することで、○○エリアで働きたいという求職者の相談を受けた際に、データベースの中から○○エリアの求人を探してきて、求職者に紹介することが可能となります。それにより、中小規模の転職エージェントであっても、エリアの弱さをある程度克服することができるのです。
職種や業種などに特化している転職エージェントを使いたい場合などは、こういったネットワークに加入しているかどうかも1つの検討のポイントになるかも知れませんね。
4 千葉での転職に強いエージェント
弊社がサービスを行っている千葉エリアにおいて、どんな転職エージェントがあるか、私が知っている範囲でいくつかご紹介します。
①ちばキャリエージェント
弊社が運営している転職エージェントサービス。2003年から、千葉県に特化した転職サイト「ちばキャリ」を運営していますので地域の中小企業との太いパイプを持っています。大手企業の支店採用などの案件はあまりありませんが、転勤のない千葉本社の中小企業の求人案件を多く保有しています。
まだ小規模サービスのためキャリアアドバイザーは少ないですが、千葉での転職を検討中の方はぜひご利用ください。
②就職SHOPちば
株式会社リクルートが運営する対面型の就職・転職活動支援サービス。「未経験だけど正社員として働きたい」「就職活動に自信がないのでサポートがほしい」といった若者の就職・転職活動のサポートを目的にしています。フリーターや第二新卒に強く、利用者の9割が20代、求人は未経験者対象のものが多いのが特徴です。
③ベストマッチ
リクルートの代理店である株式会社ベストマッチが運営する転職エージェントサービス。同社は、リクナビネクストやはたらいく、タウンワークなどのリクルート媒体を販売するトップパートナーですので、地域の中小企業とは幅広いお付き合いがあります。バイト領域にも強いので、サービス業界の求人も多く保有しているのが特徴。キャリアカウンセラーも4,5名体制で行っているようですので、千葉での転職の強いサポートとなります。
5 まとめ
以上、転職エージェントの役割や転職サイトとの違い、転職エージェントを利用するメリット・デメリットなどについて解説いたしました。
数多くの転職エージェントサービスがあるものの、その中から自分に合ったサービスを選ぶのはなかなか難しいものです。希望の職種や業種、エリアに強いエージェントをうまく見つけて、転職活動の強い味方にできると良いですね。