【専門家が解説】一般事務と営業事務の4つの違いと求人データの分析

一般事務、営業事務

事務職に興味があるのだけど、一般事務と、営業事務で何が違うのかわからない、どちらが自分に向いているのかわからない、と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一般事務と営業事務は似ているようで、仕事内容や求められるスキルなどが異なります。ですので、それぞれの特徴をしっかりと把握した上で、どちらが自分に向いているかを判断する必要があります。

この記事では、一般事務、営業事務それぞれの違いや応募する際にアピールするポイントの違いないなどを解説します。事務職への転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

1.一般事務と営業事務4つの違い  

この章では、一般事務と営業事務の違いについて、仕事内容、求められるスキル、年収、向いてる人の4つの観点で違いを解説します。

①仕事内容の違い

仕事内容の違い(一般事務と営業事務)

まずは仕事内容における比較です。一般事務と営業事務では仕事内容が大きく違います。

一般事務は、オフィス内で、パソコンを使用してデータを入力したり、社内外で必要な書類の作成や管理をしたり、郵便物の仕分け・発送や電話対応・来客対応をしたりする仕事です。
オフィス内でのデスクワークということで、一般的に事務職として連想されるのはこの一般事務になるでしょう。

一方、営業事務は、文字通り、営業スタッフのアシスタントとしての役割が強い事務職となります。
オフィス内でのデスクワークということでは一般事務と同じなのですが、商品の受発注業務や見積書・請求書の発行、顧客対応業務などを任されることが多いので、社内の営業担当者だけでなく、社外の取引先とやり取りをする機会が増えるのが特徴です。

また、一般事務と同様に書類作成、電話対応などの作業がメインとなりますが、営業スタッフをサポートすることが目的となり、営業からの指示によって仕事内容が変動してきます。

②求められるスキルの違い

求められるスキルの違い(一般事務と営業事務)
続いて、求められるスキルについての比較です。
一般事務と営業事務では、仕事内容が違うので、当然求められるスキルも少し異なります。

まず、一般事務において強く求められるスキルとしては、
・辛抱強く作業を続ける力
・効率的な業務処理能力
が挙げられます。

一般事務においては、単調な作業を繰り返し行うことが多かったり、広範囲に渡る幅広い業務が求められることも多いからです。

一方で、営業事務において強く求められるスキルとしては、
・業務対応のスピードと正確性
・トラブルシューティング(問題解決力)
・スケジューリング能力

が挙げられます。

営業事務の仕事においては、例えば受発注業務は売上や取引に直結する業務なので、業務のスピードやミスのない対応が求められますし、それでも生じるお客様とのコミュニケーションの齟齬などを臨機応変に解決することが求められるからです。

また、ルーティーン業務以外に突発的な業務の依頼が入ることが多く、臨機応変にスケジュールを組み替えることが求められる傾向が強いのです。

このように、同じ事務職でも一般事務と営業事務で求められるスキルが大きく違うことを理解しておくことが大事ですね。

なお、別の記事でもご紹介しましたが、どちらの事務職にも共通して求められるスキルとして

①ITリテラシー
②コミュニケーション能力
③業務改善能力
といったものがあります。

それぞれ、簡単に説明すると、以下のようになります。
ITリテラシーとは、ITスキルだけでなく、ITに関連する事柄への理解力や対応力のこと
コミュニケーション能力とは、営業やお客様が言いたいこと、伝えたいことの本質を掴むスキルのこと
業務改善能力とは、組織の生産性を上げるために現在の業務の課題を見つけたり、業務フローを再構築したりするスキルのこと

前述した個別のスキルと併せて、事務職に共通して求められるスキルとして押さえておくとよいポイントです。
詳しくは「事務のスキルアップ ~4つの方法と3つの重要なスキル」を参考にしてください。

③年収の違い

給与の違い(一般事務と営業事務)引用元:求人ボックス 給与ナビ

次は、年収、収入についての比較です。年収に関しては、一般事務より営業事務のほうが若干高くなる傾向があります。一般事務に比べて専門的な知識が必要であったり、臨機応変な対応が求められる業務も多いのがその背景ですね。

行政の出している統計資料では、一般事務と営業事務のカテゴリーが明確に分かれていことが多いので、民間企業の調査を使って年収の比較をしてみます。ここでは求人ボックスが公表している求人統計データを参考にします。

一般事務は、

正社員の平均年収は約302万円で月給換算すると25万円、初任給は19万円程度が相場
引用元:求人ボックス 給料ナビ

とあります。
一方、営業事務は

営業事務の仕事の平均年収は約353万円。(中略)。
月給で換算すると29万円、初任給は20万円程度が相場
引用元:求人ボックス 給料ナビ

とあります。月給換算で月4万円ほど、営業事務のほうが高いという統計になっていますね。

また、派遣の時給も参考になりますので、リクナビ派遣の平均時給を調べてみました。

こちらの時給チェックによると
一般事務の平均時給は1599円営業事務の平均時給は1628円(1/23の検索時)となっており、派遣の時給においても、営業事務のほう一般事務に比べて若干高くなっています。

年収という点では、営業事務の方が一般事務よりも高くなる傾向にありますね。

④向いている人の特徴の違い

一般事務と営業事務 向いている人の違い
最後は、向いている人の特徴についての比較です。

その仕事に向いているかどうかを判断するには、自分にどんなスキルがあるか自分がどんな考え方(価値観や志向)を持っているのかどんな性格をしているのかがポイントになりますが、求められるスキルについては②で解説しました。

そこで、ここでは、考え方(価値観や志向)や性格という観点で、一般事務、営業事務に向いている人の違いについて解説します。

まず、一般事務に向いている人の特徴としては、
・人からものを頼まれるのが好き
・ポジティブで前向きな受け止め方ができる

が挙げられます。

なぜなら、①の仕事内容の違いでも解説しましたが、一般事務は様々な部署から幅広い業務の依頼が来るからです。急な仕事の依頼やちょっと無理な依頼にも気持ちよく応えたいと思える方が向いているといえます。

一方、営業事務に向いている人の特徴としては、
・プレッシャーの中で働くのが苦にならない
・自分の意見をしっかり言える
が挙げられます。

なぜなら、営業事務は、毎日、営業の売上に関わる業務を行っていますので、納期や正確性が求められるプレッシャーの中で業務をこなすことが多いからです。そういうプレッシャーの中で業務をこなし、営業をサポートすることにやりがいを感じられる人が向いているといえます。

また、時にはお客様や営業に業務の改善を求めるなど、自分の意見や主張をしっかり言うことも必要となってきます。必要であれば、お客様であろうと社内のベテラン営業であろうと、苦言を呈するくらいの気概を持って接することのできる人は適任ですね。

なお、次の2つは一般事務、営業事務に共通して向いている人の特徴となると思います。
・人のサポートをするのが好き
・地道な作業をこなすのが好き

なぜなら、いずれも、営業を始めとした社内メンバーのサポートを行う仕事であり、組織の生産性を上げるための縁の下の力持ち的な仕事だからです。単調な業務や毎日繰り返し行われる業務が多く、地道に作業をこなしつつ、周りのメンバーの役に立つという視点で取り組める人が、業務のストレスにも強く向いていると思います。

2.応募する際のアピールポイントの違い

1章では、一般事務と営業事務の違いについて、仕事内容、求められるスキル、年収、向いている人という4つの視点から解説しました。

この章では、転職活動においてもう少し実践的なアドバイスとして、実際に応募するにあたって、アピールするポイントの違いについて解説したいと思います。

応募にあたってアピールしたいのは、「いかに自分にはスキルがあるか」です。それを証明するための方法が一般事務と営業事務では若干異なってきます。

①一般事務でアピールしたいのは「経験」   

1-②で、一般事務に求められる固有のスキルとして
・辛抱強く作業を続ける力
・効率的な業務処理能力
を挙げました。

これらのスキルを証明するために、一般事務でアピールしたいのは「経験」となります。

なぜなら、辛抱強い作業を行って来た経験や幅広い業務を行ってきた経験があれば、ある程度の耐性や対応力があると判断できるからです。

1-④で、一般事務に向いている人の特徴として、「ポジティブで前向きな受け止め方をできる人」を挙げました。一般事務職においては、スキルはもちろんですが、こういった考え方人柄を重視し、未経験者を採用する会社も多いものです。

ですから、これまで経験してきた仕事で、「辛抱強さを求められるどんな仕事をこなしてきたのか」、「どれほどの幅広い業務に携わってきたのか」、その経験をアピールすることができれば、人柄で勝負できる可能性が高くなるというわけです。

②営業事務でアピールしたいのは「実績」

同じく1-②で、営業事務に求められる固有のスキルとして
・業務対応のスピードと正確性
・トラブルシューティング(問題解決力)
・スケジューリング能力
を挙げました。

これらのスキルを証明するために、営業事務でアピールしたいのは、「実績」となります。

なぜなら、営業事務では一般事務よりより実務的なスキルを重視される傾向が強いからです。3章の求人比較でご紹介していますが、営業事務では一般事務より経験者募集が多いことからもこのことが伺えます。

ですので、一般事務に応募するよりも、より直接的にスキルをアピールすることが望ましいと考えられます。

これまで経験してきた仕事の中で、「受発注業務としてどれほどの数の業務をこなしてきたのか」、「現場で生じた問題をどのように解決してきたのか」、「その解決においてどのような役割を担ったのか」といった具体的な実績をもとに、業務対応のスピードが早く正確性が高いというスキルを証明したいですね。

※経験や実績がない場合にアピールするポイント
これまでの実務経験の中で、上記で挙げた「経験」や「実績」がないという方もいらっしゃるでしょう。その際は、実務経験以外の分野で、求められるスキルに繋がりそうな「経験」や「実績」をアピールすると良いでしょう。

学生生活、趣味、部活動、アルバイトといった分野において、粘り強い行動をした経験はないか、単調な業務をこなした経験はないか、問題解決した経験はないか、など、幅広くご自身のアピールポイントを探すことをお勧めします。

3.一般事務、営業事務の求人比較(ちばキャリ掲載求人)

この章では、弊社の運営している求人サイト「ちばキャリ」のデータをもとに違いを解説します。「ちばキャリ」に直近1年間で掲載実績のある一般事務と営業事務の求人データを分析してみました。

「ちばキャリ」は千葉県に地域密着した中小企業の求人を主に取り扱っているので、中小企業における一般事務、営業事務の求人の違いが傾向としてよく分かります。
事務職に応募するにあたっての参考にしてください。

1.求人件数の比較

求人件数比率

一般事務と営業事務の件数比率としては、一般事務:78%、営業事務:22%という結果になりました。ちばキャリにおいては、一般事務の方が若干多いようです。

2.未経験者募集の比較

一般事務-未経験者OK比率営業事務ー未経験者OK比率

未経験者の募集がどれだけあるかを比較したところ、一般事務:73%、営業事務:54%という結果になりました。
全体的に未経験者を受け入れる求人が多いことがよく分かりますが、営業事務の方が即戦力として、経験者を求める傾向が強いことも伺えます。

ただ、注意しなくてはならないのは、未経験者可であっても、仕事をしっかりこなし即戦力となるスピードが早いと判断されないと採用はされません。ポテンシャルを感じさせるための経験をしっかりアピールすることが大事です。

3.給与の比較

一般事務(給与比較)営業事務(給与比較)

給与の比較をしたところ、一般事務は月給20円未満からスタートする求人も多く、最低提示の月給の平均は187,361円でした。
営業事務は月給20万円より高い金額でスタートする求人が多く、最低提示の月給の平均は199,423円でした。

それぞれの中央値は一般事務:180,000円、営業事務:200,000円となりました。

1-③でご紹介した求人ボックスのデータと同じように、営業事務の方が若干高いようですね。
※求人ボックスのデータは賞与を含んだ年収から月給換算しているようなので、月給の見栄えは変わります。

これらの違いに関して、実際の求人を元に見比べてみてください。一般事務と営業事務、どちらの仕事が自分に向いているか、よりイメージが付きやすいと思います。

4.まとめ

今回の記事では、一般事務、営業事務それぞれの違いや応募する際にアピールするポイントの違いないなどを解説しました。
一般事務と営業事務では、「仕事内容」「求められるスキル」「年収」「向いている人の特徴」に違いがあることがおわかりいただけたと思います。

また、求人に応募するにあたっては、一般事務では「経験」を、営業事務では「実績」をアピールするのがよいこともお伝えいたしました。
実際にちばキャリに掲載されている求人の比較なども含めて、イメージはついたのではないでしょうか。

同じ事務職でも、一般事務と営業事務には大きな違いがあります。ご自身の適性を判断して、どちらの職種を選択するか、参考にしてみてください。

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