
初めての転職、今までと違う仕事への応募ってどんな志望動機なら選考通るだろう?
今までの経験が通用するのだろうか、全然違う仕事で未経験だし……
と転職活動を不安に思う気持ちがあると思いますが、大丈夫です。
志望動機はこれからご紹介するステップに沿って進めていけば、あなたらしいアピールができるようになります。
実際に企業が未経験者を募集することは非常に多くありますし、未経験で転職される方も数多くいらっしゃいます。
未経験業界・職種への転職を成功させるため、自分の言葉で気持ちを伝える志望動機を完成させましょう。
Step1. 自分が感じる企業・仕事の魅力を洗い出す
まずは応募を検討している企業・仕事の魅力を、あなたの視点で洗い出していきます。
なぜなら志望動機は「その企業で働きたい応募理由」と「入社後自分がどのように活躍できるか」を主張するものだからです。
どちらか一方だけでは不完全で、人事担当者が「うちの会社で働きたいのは○○だからで、入社したら××で力を発揮してくれそうだな」と具体的にイメージできるのがポイントになります。
志望動機の要「その企業で働きたい理由」となる魅力を、企業と求人(仕事)という2点から洗い出していきましょう。
1-1.その企業ならではの魅力
同業他社が数多くある中、この会社を選んだのはこれ!という「その企業ならではの要素」を洗い出していきましょう。
最初はその企業の良いと思う点をバーッと書き出して、最後に振り分けるのもOKです。
- その企業ならではの魅力の一例
- 企業理念の●●の部分が自分の考えの●●とリンクしてる
- 経営者の●●という考え方に共感し、ついていきたいと思った
- サービスが●●に●●という面で貢献している
- 働く社員が●●ですてき、一員になりたい
- 多くの企業で通用しそうな魅力の一例
- 扱う商品が魅力的(独自商品でないと効果的でない)
- 社会貢献している(基本的に企業は社会貢献で成り立つので具体性が必要)
- 自分の家から通いやすく通勤時間が減る(企業の魅力ではない)
上記はあくまで一例です。その企業の「独自性」を見出し、自分がどう魅力的に感じたのかを洗い出していくのがコツと言えるでしょう。
1-2.求人・仕事への魅力
次に求人・仕事についても、魅力に感じた点を洗い出していきましょう。
面接では直接的に伝えないであろう、待遇面や環境面についても、なんでも書き出してしまいましょう。
- お客様に●●と感じてもらえるやりがいがある
- 未経験からでも●●が目指せる
- 給与がいい
- オフィスがきれい
- 研修制度があり、スキルアップできる仕組みがある
- 手に職がつく
- 個人プレーじゃなくてチームプレー
- 独り立ちしたら自分の判断で仕事を進められる
- 独り立ちするまでのステップが明確
Step2. 応募したい企業が採用で重視する点を確認する
その企業で働きたい理由を書き出したら、次は「入社後自分がどのように活躍できるか」に対する情報収集へ進みましょう。
自分が活躍するイメージを企業に持ってもらうには、相手が何を望むのかを知る必要があります。
多くの人と協力関係を築いて業務を進めるポジションに、ひとりでコツコツ集中して仕事ができる強みをアピールしても効果的ではありません。
そのため、自分の強みのアピールを最大化するためにも、採用で重視する点を次の3つから集めていきます。
2-1.求人情報
求人情報の採用要件は、スキル・経験・志向・思考の重視する点が明記されています。
また現在活躍している社員について触れている場合もあり、「未経験の方も活躍している仕事だ」「こういう経験が役立っているのか」という情報も得られるでしょう。
求める人物像という項目を確認し、時には「向いていない人物像」という記載があるので、自分の向き不向きも判断しましょう。
魅力的な求人・企業であっても自分が不向きであると感じたら、入社後に慣れるまでに大変な想いをする可能性もあるので、客観的に判断しましょう。
2-2.企業理念
企業が重視するのはスキルや経験などの能力面だけではありません。企業理念などの考え方との相性も大切にしています。
自社の考えや方向性に合わないと、同じ目標に向かって成長していけず、企業側もあなたも価値観が合わずしんどい思いをしてしまいます。
企業の事業内容だけでなく、なんのためにその企業が存在しているのか、何を目指しているのか。企業理念や経営者の考え方を企業HPで確認しましょう。
また社長や人事担当者のブログ、SNSなどがないか探してみて、発信情報から理念・考えに共感できるかも確認しておきましょう。
2-3.社員インタビュー
求人情報でも触れましたが、その会社で今活躍している人の話は参考になる点があります。
企業側もこんな活躍をしてほしい!という読者へのアピールも兼ねているので、その社員が感じているやりがい、活きているスキルや経験、働き方などを探してみましょう。
各社で用意があるわけではありませんが、求人情報内、企業採用HPなどに掲載されています。
Step3. 企業の採用で重視する点に貢献できる経験・スキルを洗い出す
次はStep2の「企業が採用で重視する点」に対して、自分が活躍するイメージを伝えるための「貢献できる経験・スキル」について考えます。
『未経験の仕事に応募したいのに、経験?スキル?』と思われるかもしれませんが、今までの仕事で得たスキル・経験で活かせそうなものはないでしょうか?
転職で役立つスキル・強みとなるスキルを知りたい方は、こちらの記事がおすすめ!
【徹底解説】転職に役立つスキル、武器になるスキル
自分が活躍できるイメージを伝えるとしたら?
実際の求人情報の「求める人」より、どのような経験・スキルが活かせるか考えてみました。
下記いずれかの経験をお持ちの方
・企業の採用支援や成長支援に携わった経験
・採用活動や社員教育に携わった経験
・チームリーダー経験
※業界不問≪こんな方は歓迎≫
・採用、成長支援に興味がある方
・自分の知らない業界や職種も自分から知ろうとできる方
・困っている人に寄り添って、一緒に解決策を考えられる方
・チームリーダー経験
→ 現職の●●プロジェクトで自分も含めた5名のチームをまとめた経験
→ 学生時代のアルバイトで●人のアルバイトをまとめるリーダー経験
・自分の知らない業界や職種も自分から知ろうとできる方
→顧客の業界が幅広く、プロジェクト入る前に勉強会を運営していた経験
・困っている人に寄り添って、一緒に解決策を考えられる方
→何に困っているかのヒアリングは得意で、お客様からの満足度も高かった
Step4. アピールしたいポイント別に当てはめる
いよいよ、まとめに入っていきます。1.企業の魅力を洗い出して、2.企業が採用で重視する点を確認し、3.貢献できる経験・スキルを洗い出しました。
Step4では「その企業で働きたい応募理由」と「入社後自分がどのように活躍できるか」の流れでまとめていきましょう。
いくつかの事例をご紹介しますが、あくまで参考程度に見てください。必ず次のStep5「自分の言葉で文章を整える」を行って、あなたの志望動機を作りましょう。
自分の経験やスキルなどの強みをアピール
現在就業中の会社は、○○の事業を行っているのですが、新型ウイルスの影響を受け2月末で閉鎖する運びとなり、転職活動を始めました。そのような折に、貴社の求人を拝見し一般事務に留まらず、幅広い業務に携われる業務内容に大変魅力を感じました。
事務職を志した際に、職業訓練校にて簿記について学びましたが、今までそれを活かす機会がありませんでした。一般事務の経験だけでなく、経理事務にも携われるとのことで、簿記の知識をこの機会に活かすことが出来ればと思い、志望いたしました。
スキルアップのために習得した簿記のスキルと、学ぶ意欲の高さもアピールできています。
仕事への興味、意欲をアピール
今までは主に建築関係の仕事をしてきましたが、設計、営業事務、営業、ショールーム、施工管理の経験があり、細かい仕事、営業サポート、企画提案まで柔軟に対応できると思います。
貴社の取り扱っている○○のサービスには個人的に20年以上お世話になっており、事務用品や通販事業にとても興味があるので、ぜひ経験を活かして、○○のサービスをさらに広げる事業に携わりたいと考えています。
直接お話させていただく機会をいただければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。
貢献できるスキル→その企業を選んだ理由という逆の流れですが、これまでの豊富な経験を具体的にアピールされています。扱う商材への興味についてはもう少し具体的に踏み込めるとさらに良いでしょう。
事業内容への興味をアピール
私が貴社を志望したのは、○○を販売、レンタルするだけでなく、△△で命を救うサポートができる仕事にとても魅力を感じたからです。○○は、人々が健康に暮らすために必要なものです。人命に関わる機器を扱う事は責任が重大であり、信頼がなければ使っていただけないと思います。
△△では、開業の構想段階から総合的に支援されてると知り、貴社のような経験や知識がある企業にサポートしてもらえるのは心強く、□□様にも安心を届けられると思いました。まずは、先輩方に教えて頂く業務をきちんと覚えサポートしていきたいと思います。
また、前職のデータ入力で培った集中力、継続力や経理業務で培った正確性を生かし、貴社を支え、□□の方々や□□様に信頼と安心を届ける役割を担っていきたいと思います。
取り扱うサービスの魅力と付加価値を具体的に示し、関心を持って情報収集をしたことが伺える内容です。またスキルを活かしどのように活躍したいのかをアピールされています。
▼上記でご紹介した志望動機についての記事はこちら
一般事務の志望動機の書き方 ~転職成功者の事例を紹介します~
Step5.【重要】自分の言葉で文章を整える
唯一無二の志望動機を作り上げるうえで、「自分の言葉で書き上げる」ことが一番重要なステップです。
志望動機の例文はたくさん出回っていますが、どこにでも当てはまりそうな志望動機、テンプレ的志望動機はいりません。その企業に向けた内容に文章を整えていきましょう。
一例として、ちばキャリPLUSを運営する弊社で実際応募のあった、千葉キャリに向けた志望動機をご紹介します。
選考を経て入社に至ったメンバーの志望動機ですので、どんなオリジナリティがあるか、アピール要素を探してみてください。
自分の経験やスキルなどの強みをアピール
私はこれまでに人事総務の仕事の中で、企業の顔として人材の採用と教育を中心として携わってきました。
ただ人材を採用するだけでなく、企業の成長と共に一緒に働く人材をいかに成長させられるか、熱い気持ちを持ってもらい共感してもらい、継続して努力していける人材の育成に努めてきました。
全ての採用、自分自身の転職に成功はなく、失敗も多くありますが、その中でどのように改善したら次に繋げていけるかを考え、実行してきています。
今までの自分の経験を活かし、企業と人材を繋げ共に成長していく関係を築き喜んでもらい自分としても成長したいと思います。
人材コーディネートの企業様の中でも私が育った千葉県を中心とした事業を行っている事を拝見し、地域企業と求職者のお役に立ちたいと思い御社に志望させていただきました。
仕事への興味、意欲をアピール
事務職を中心に幅広い職務に携わることができ、多岐にわたる業務に挑戦させていただける仕事内容に魅力を感じました。
若い社員が中心となった活気ある貴社にて、地域が元気になるようなサービスに貢献できる業務に取り組みたいと応募させていただきました。
MOSの資格取得の際に学んだことを活用し、また新しいことも覚えていきながら社内のサポート業務に取り組み、お客様に満足していただきたいと考えております。
事業内容への興味をアピール
大学院時代に自分の出身地である千葉県市原市の方言を研究したことをきっかけに、千葉県の活性化に携わりたいという気持ちを諦めきれず、この度応募いたしました。学生時代の就職活動では、マスコミ系を中心に応募しましたが、この度転職活動をしようと求人を探していたところ、貴社の求人を発見し、千葉県の企業と千葉県で働きたい方々の橋渡しを担い、千葉県の活性化に繋げる貴社の事業にとても興味を持ちました。
私は文章を書くこと専門の職業ではありませんが、元々「言葉」に興味があり、文章を書くことは趣味の1つです。また、大学院時代に方言を調査する過程で、方言話者にインタビュー調査を行いまとめたことや、現職で書籍の注文書やチラシ制作、会社HPの編集といった業務経験は、貴社の求人広告の制作に繋げられるのではないかと考えています。
Step6. おまけ:志望動機を話してみよう
『どうして当社に応募したんですか?』
そんな面接でよく聞かれる質問に答えられるよう、これまで作ってきた志望動機を話せるようにしておきましょう。
テンプレ的な志望動機に比べて、自分で考えて作った志望動機なので比較的話しやすいかと思いますが、面接が苦手な方、文章作成は得意でも会話が不得意な方は、あえて声に出してみるのがおすすめです。脳内で話している風ではなく、口に出してみましょう!
まとめ
5つのステップ(+おまけ)で、未経験の仕事への志望動機をつくる方法をご紹介しました。
じっくり考える時間が必要ですが、明確な志望動機は入社後の働くモチベーションアップにもつながります。
なぜその企業で働きたいのか、入社したらどうなりたいのか…
あなたの言葉で志望動機をつくりあげて、企業へ伝えていきましょう。