初めてスキルアップの必要性を感じた人のためのスキルアップの方法

スキルアップ

日々、社会人生活を送る上で、「もっとスキルアップしなくちゃ!」と思う局面があると思います。不安や焦りを持つこともあるのではないでしょうか。

実際、転職相談を受けていると、「スキルアップをしたいんです」という相談は多くあります。ただ、とても曖昧な状態でのご相談が多いというのも事実です。

スキルアップをしたいという気持ちはわかります。でも、慌てないでください!
何のために何のスキルをどのようにレベルアップしたいのかを考えないとせっかくの努力が水の泡になることもありえます

この記事では、仕事におけるスキルアップの方法について、何から行うべきか、手順を丁寧に解説したいと思います。

1.初めてスキルアップの必要性を感じた人のためのスキルアップの方法

仕事におけるスキルアップを行うためにまず大事なことは目的を定めることから始めることです。なぜなら、スキルアップはあくまで手段だから。そして、スキルアップの方法というのは、さらにその手段を得るための手段になるからです。

目的と手段を混同してしまうと本末転倒な結果になりかねません。まず最初に目的を考えるところから始めましょう。

1-1 スキルアップする目的を定める

スキルアップの方法を考える上での最初のステップは、何のためにスキルアップをするのかという目的を決めることです。
なぜなら、スキルアップというのはあくまで手段であり、目的によってスキルアップをするべきスキルスキルを習得した理想の状態もその習得の仕方も変わるからです。

どの手段を取るかを考えるにあたっては、目的➔目標➔手段の順番で考えることが大事です。まず、最初に目的がないと目標は立てられませんし、目標が立てられないと手段は選べません。

目的目標手段

「手段」から先に考えるとどうなるか、目的地への移動を事例にして考えてみましょう。仮に下図のような目的地があったとします。

 

目的地と移動手段

一般的に、1Km先であれば徒歩でしょうし、3Km先であれば自転車、1000Km先であれば飛行機で移動することを考えるでしょう。しかし、自転車という移動手段を先に決めてしまうと、1000キロ先に到達することは極めて困難になるのです。
もちろん、いつかは着くかも知れませんが、時間がものすごくかかってしまいます。これが、手段を先に選ぶということになります。

本来、移動をする時は、「何のために」、「どこに」、「どうやって行くのか」を考えるはずです。「何のために」が目的で、「どこに」が目標、「どうやって」が手段となります。

目的、目標、手段を具体的に移動とスキルの事例でご説明したいと思います。

目的・目標・手段の事例

移動の例でいうと、祖父にサプライズギフトを送りたいという目的があり、そのために、高知県でしか手に入らないという幻の焼酎を買いに行くという目標を立てる。高知県までは飛行機を移動手段とする。その手段を実行するために飛行機のチケットを買うためのお金を貯めるという流れです。

スキルアップに関しても同じことです。まず、目的を決めその目的を実現するためにどういう状態になっているかを考える(目標、そして、そのために必要なスキル(手段)を明確にし、その上で、スキルアップの方法を明確にする(手段の実行ということになります。

要は、目的が明確でないと最適な手段を選ぶことは難しいですし、手段を先に決めてしまうと本来の目的に到達できない可能性もあるということなのです。

今回は、初めてスキルアップを考えた人を想定していますから、事例では、「社内で一人前としてみなされる状態を目指す」という目的を挙げてみました。それ以外にも「社内でのNO.1を目指す」とか「フリーランスとしての独立を目指す」など、様々な目的が考えられるでしょう。

仕事でスキルアップしたいなあ、そう思ったのであれば、落ち着いて何のためにスキルアップをしたいのか、その目的を整理することから始めることが大切です。

1-2 目標(ゴール)を明確にする

目的が明確になったら今度は目標(ゴール)を設定します。なぜなら、先ほどご説明したとおり、目標が明確にならないと手段が選べないからですね。

目標を設定する上で大事なのは、定量目標定性目標の2つの観点で目標を持つことです。定量目標とは数値化できる目標のことで、達成度を客観的に評価ができるもの。
定性目標とは逆に数値化できない目標のことで、「どうありたいか」という状態を示すもの、達成度を主観的に判断するものです

まずは、最終的な形、目指すべきもの(目的)を達成したときに、 どのような状態になっているのかをできる限り「絵として鮮明にイメージできるレベル」に持っていきます。いわゆる定性目標です。そして、その定性目標を実現するために、数値として達成度を測れる定量目標を立てます。

1-1で挙げたスキルアップの事例としては、「社内で一人前としてみなされる状態を目指す」という目的に対して、「上司から意見を求められるようになっている」とか「後輩から仕事上でのアドバイスを求められている」といったイメージが定性目標になります。

そして、「上司から意見を求められるようになっている」という定性目標を達成するために、「全体会議で、毎回発言をする」といった定量目標を立てたり、「後輩から仕事上でのアドバイスを求められている」という定性目標を達成するために、「週に1回は1on1(1対1の対話)の時間を設ける」といった定量目標を立てるわけです。

こうして、具体的なゴール(目標)の設定を行うことが重要となります。

1-3 スキルアップすべき分野を決める

目的と目標を設定したら、具体的にスキルアップする分野の選定に取り掛かります。スキルアップの方法論としてはここからが本題ですね。

仕事でスキルアップすると簡単にはいうものの、スキルには数多くの種類があります。スキルアップすべきスキルを決める前に、まず、どんな分野(カテゴリー)のスキルを磨きたいのかを明確にすることが大事です。

スキルの分野分けに関しては様々な考え方がありますが、今回は具体的なスキルアップのイメージがついていない方を念頭においているので、「社会人基礎力」を使って分野を考えてみることをおすすめします。

「社会人基礎力」とは、経済産業省が仕事をするために必要な基礎的な能力として提唱しているもので、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの力で構成されています。
そして、その3つの力は、合計12の要素で構成されています。これらの要素のどこを高めていきたいのかというように考えるのです。

この12の要素をスキルアップの分野(カテゴリー)として捉えてみてはいかがでしょうか。

社会人基礎力構成要素

先の事例でいうと、「上司から意見を求められるようになっている」「全体会議で、毎回発言をする」という目標を達成するために、例えば、「発信力」という分野をスキルアップしようと考えるわけです。

もちろんそれ以外にもスキルアップしたいと思う分野があると思いますが、すべてを追い求めるのは難しいものです。まずは、1つ、2つに絞って優先順位をつけることが大事だと思います。

【スキルの分野分けの考え方】
今回はスキルアップするべき分野として、「社会人基礎力」をもとにした分類法をご紹介しましたが、これが全てではありません。その他にもスキルの分野をわかりやすく分類する方法ははいくつもあります。

例えば、カッツ理論と呼ばれる理論。カッツ理論とは、アメリカの経営学者ロバート・カッツが提唱したビジネススキルと人材の関係性について言及された理論のことで、スキルをテクニカルスキル(専門能力)、ヒューマンスキル(対人関係能力・人間理解能力)、コンセプチュアルスキル(概念化能力)の3つに分類しています。この分類に沿ってスキルアップしたい分野を決めるのも1つの方法です。

また、研修会社が行っている研修プログラムをベースに分類を考えるという方法もあります。例えば、リクルートマネージメントソリューションズのHPを見ると、スキルを対課題(考えるスキル)、対課題(実行するスキル)、対人・対集団(人を動かすスキル)、対自己(自己をコントロールするスキル)、その他(専門知識・スキル)といったように分類しています。この分類に沿って捉えるのも1つの方法ですね。

ですので、社会人基礎力にこだわる必要はありません。自分がビジネススキルを理解するのにしっくりくる分類法を活用すればよいのです。

1-4 スキルアップすべきスキルを選択する

スキルアップする分野を決めたら、いよいよスキルアップしたいスキルを明確にします。先ほどの社会人基礎力の12の要素をもとに、私が考える具体的なスキルを一覧にしてみました。

社会人基礎力
事例に沿って言うと、発信力という分野の中には、「プレゼンテーション力」や「ライティング力」といった具体的なスキルが存在します。

ですので、例えば、まずは「ライティング力」を磨くことに注力してみようといったように、スキルアップすべきスキルを明確にするのです。

1-5 スキルアップの手段を選択する

スキルアップしたいスキルが明確になったら、具体的にスキルアップを行う手段を検討します。手段としては大きく次の5つがあります。

①日常業務の中でスキルアップする
②セミナーや勉強会に参加してスキルアップする
③読書を通じてスキルアップする
④教育機関に通ってスキルアップする
⑤副業を通じてスキルアップする

詳細は私の記事「【徹底解説】転職に役立つスキル、武器になるスキル」にありますので、そこから抜粋します。

①日常業務
日常業務の中でスキルアップすることはもちろん可能です。ですが、スキルアップする人とスキルアップできない人には大きな差があります。その差は些細な差ですが、何を身につけるかを意識しているかどうかがポイントです。

スポーツの練習に例えることがよくありますが、野球の素振りを何も考えずに500回行うのと、相手投手や球筋を意識して100回行うのでは上達スピードが全く違います。それと同じで、作業として業務を行ってしまうとなかなか成長しません。この業務を通じて、何を得るのか、どのようにスキルアップして、次のステージとして何を行うのかをイメージして臨みましょう。

②セミナー・勉強会

セミナーや勉強会の場に自ら参加し、具体的なスキルアップの方法を学ぶことはとても効果的です。具体的に誰かに教えてもらうことはもちろんのこと、勉強会という場ではお互いに発表し合うセッションがあったりしますのでスキルアップ効果は更に高まります。

なぜなら、同じように向上心の高いメンバーと触れ合うことでモチベーションが上がりますし、インプットするだけでなくアウトプットすることで学習効率が上がるからです。最近はオンラインで開催されるものも多いので、参加しやすくなっているのではないでしょうか。

③読書

一番手軽にできるスキル習得法だと思います。文字を読むのが嫌いという人には少しハードルが高いかもしれませんが、学びは大きいもの。通勤時間の長い人などは、移動時間を有効活用したいですねよ。ちなみに、ビジネス書などを一冊読むのは大変という方や、なかなか良い本に当たらないという方は要約本や要約アプリなどもあるので活用してみると良いのではないでしょうか。

エッセンスが簡単につかめますし、もっと詳しく読みたいと思ってから購入するというのも効率的です。例えば、flierといったアプリなどがあります。

④教育機関(研修)

セミナーに近いですが、教育機関で長期間継続的に学ぶこともとても大事です。様々な資格取得もできますし、大学や大学院でビジネススキルの基礎を学び直すことも可能です。

一番お金がかかる手法かもしれませんが、それは本気の覚悟にもつながりますので、自己投資してみましょう。教育訓練給付制度といった補助金制度もあるので、それらの活用も忘れずに。

⑤副業

他の組織や他の職種で働いてみるというのはとても貴重な体験です。これまで関わりのない人や組織から自分の仕事の結果を評価してもらうことで、自分のスキルのレベルが分かりますし、仕事の進め方や改善方法など、新たな気づきも多いものです。

テクニカルスキルが上がるだけでなく、行動力の発揮はもちろん、タイムマネジメントやタスクマネジメントなどの基礎スキルも間違いなく上がることでしょう。

事例におけるライティング力をスキルアップしようということであれば、例えば「日常業務」の中でスキルアップを目指すという手段を決めるのです。そして、日常業務の中でどのようにスキルアップができるかを考えます。

例えば、毎日書いている日報をもっと伝わりやすい文章にブラッシュアップしてはどうだろうと考えるわけです。そのためにPREP法で書いてみるとか、必ず自分の意見や共有したいことを記載し、反応(返信)をもらえるようにするとかいった具合です。

また、ここでPREP法を取り入れてみようといった具体的な策が出ないようであれば、先に「読書を通じてスキルアップする」という手段を選んでみようといったイメージになりますね。

【参考】PREP法
PREP法とは 説得力を高める手法で以下の4つで構成されています。
PREP法
特にビジネスの現場では、「結論ファースト」という言葉があるように、結論を最初に持ってきた方が説得力やインパクトが増します。

具体的にスキルアップを実現するには、理論を学ぶこともとても重要ですから、日常業務以外のスキルアップの手段を取り入れていくことがとても大事なのです。

1-6 PDCAサイクルを回す

具体的にスキルアップのための手段まで選んだ後に大事なのはPDCAサイクルを回すこと。PDCAサイクルというのは聞いたことがあるでしょうか?
PDCAサイクルとは、簡単に言うと業務改善のためのメソッドです。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで、継続的に改善活動を行うというもの。

実は、ここまでの、スキルアップの手段を選択するというプロセスまでは、「Plan(計画)」の部分です。目標・目的を設定し、実行計画(アクションプラン)を立案したわけです。

ここから重要なのが、「Do(実行)」、「Check(評価)」→「Action(改善)」となります。ここまでの計画に基づいて、着実に実行すること。そして、定期的に振り返る、評価を行うのです。
スキルは少しずつでも身についているだろうか、周りからの評価や反応は変わっただろうか。それを元に、改善を行います。

先ほどの例でいうと、日常業務の中で、ライティングスキルアップのための努力を続けてみたが、思うような成果が上げられていない。ではもう少しライティングの理論を学んだほうが良さそうなので、読書も取り入れてみよう。といった改善活動ですね。

そして、改善した上で、再度計画を見直すといったように「Plan(計画)」に戻るのです。これを繰り返していくことがスキルアップのための重要なポイントです。

2.まとめ

今回は、初めてスキルアップの必要性を感じた人のためのスキルアップの方法をまとめさせていただきました。
いきなり、スキルアップの方法を考えるのではなく、まずは、スキルアップする目的を明確にした上で、目標やスキルアップするべきスキルの分野、具体的なスキルを定めることが大事です。

変化の激しい時代において仕事上のスキルアップの重要度は増しています。スキルアップをすることで将来の選択肢は増えます。将来のキャリアプランを描きつつ、スキルアップも目的を設定することから始めましょう。

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