
転職活動を行うにあたって、転職サイトを使った方が良いのか、転職エージェントを使った方がよいのか迷うことはありませんか。
結論から申し上げると、私は両方を併用するのが良いと考えています。
なぜ、併用するのがよいのかをご説明するには、両者の違いをしっかりと理解しておく必要があります。
そこで、この記事では、転職サイトと転職エージェントの違い、また両者を併用することをお勧めする理由について解説します。
これから転職活動を始める方には、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
1.転職サイトと転職エージェントとの違い

1-1.転職サイトと転職エージェントでは求職者におけるメリットが違う
転職サイトを使った方が良いのか、転職エージェントを使った方がよいのかを検討するにあたって、押さえておくべきなのは、求職者におけるメリットの違いです。
転職活動のプロセスごとに、それぞれのサービスには様々なメリットがあります。
自分自身が望む転職活動のスタイルと合わせて、それらのメリットの違いを理解しておくことが大事です。
順を追って確認していきましょう。
求人検索段階
・求人数
転職サイトは、複数のサイトを併用することで大量の求人を検索することが可能です。
一方、転職エージェント経由で紹介してもらえる求人には限りがあります。
・求人の質
転職サイトは、比較的情報量が多く、質の高い求人が収集できますが、掲載されている情報のみで判断する必要があります。
一方、転職エージェントは、多くの情報量を持っている上、求人票に掲載されていない特異な情報を提供してくれる可能性があります。
・希少な求人
転職サイトは、情報が全てオープンな上、条件の良い求人には応募が殺到しますので希少な求人を探すのは困難と言えます。
一方、転職エージェントは、非公開求人や急募案件など、希少な求人を提供してくれる可能性があります。
・求人との適性
転職サイトは、応募したい求人との適性は独自で判断するしかありません。
一方、転職エージェントは、経験やスキル、志向などを考慮した上で、応募求人との適性を判断、アドバイスしてくれます。
・企業からのアプローチ
転職サイトは、DMやスカウトメールを活用することで、求人企業から直接アプローチが来る可能性があります。
一方、転職エージェントは、キャリアアドバイザーが仲介しますので、企業から直接アプローチが来ることはありません。
・求人のリコメンド
転職サイトは、登録条件に応じて、システムやAIがリコメンド求人を提案してくれます。ただ、あくまで登録条件や希望条件に沿ったものとなります。
一方、転職エージェントは、経験やスキル、志向などを考慮した上で、自分の想定していなかった職種や業種の求人を紹介してくれることもあります。
応募・選考段階
・応募におけるサポート
転職サイトは、応募にあたっては自分で判断して進めるしかありません。中には履歴書や職歴書のアドバイスをしてくれるサービスもありますが、応募企業ごとにアレンジするのは各自の判断となります。
一方、転職エージェントは、アピールするべきポイントなど、応募企業ごとに書類作成のサポートをしてくれます。
・選考サポート
転職サイトは、選考にあたっては自分で判断して進めるしかありません。
一方、転職エージェントは、選考中においても、想定される質問をアドバイスしてくれたり、面接のフィードバックなど、CAが伴走してくれます。
・年収交渉
転職サイトは、年収交渉にあたっては独自で行うしかありません。
一方、転職エージェントは、年収交渉をはじめ、希望条件のすり合わせなど、仲介してくれます。
入社準備段階
・入社手続き
転職サイトは、入社に当たっての最終的な条件や必要書類の確認、退職手続きなどを自分自身で行う必要があります。一方、転職エージェントは、キャリアアドバイザーが内定通知書の入手や入社に当たっての注意事項の確認などある程度のサポートをしてくれます。
・退職サポート
転職サイトは、退職手続きに関しては独自で行う必要があります。
一方、転職エージェントは、キャリアアドバイザーが退職手続きにおけるアドバイスなどをしてくれます。
1-2.求職者におけるメリットが違う理由
前章で転職サイトと転職エージェントでは求職者におけるメリットが違うとご説明しましたが、この章ではその理由について解説します。
理由その1 仕組みが違うから
▶ 転職サイトの場合
▶ 転職エージェントの場合
転職サイトと転職エージェントで求職者におけるメリットが違う理由の1つ目は、両者の仕組みが違うからです。
具体的には、応募から採用に至るまでのフローと事業者(サービス提供者)との関わり方が違います。
転職サイトは、求職者が転職サイトに掲載されている求人案件を見て、自分自身で企業へ応募するサービスです。一方、転職エージェントは求職者と採用企業の間に仲介者が入るサービスとなります。
ですので、転職サイトは求職者とは直接関わらず、求人案件の紹介やサイトを通じた様々な情報配信を行うにとどまります。一方、転職エージェントは、求職者と直接面談した上で、求人の紹介やアドバイスを行うほか、企業との面接の設定、選考に関わる連絡、給与交渉、内定通知まで行います。
転職サイト | 転職エージェント | |
---|---|---|
求人検索 | 自分自身で検索する | キャリアアドバイザーが紹介してくれる |
応募方法 | 自分自身で応募する | キャリアアドバイザーが仲介してくれる |
得られるサポート | 求人検索と情報収集のプラットフォームとしてサイトを利用できる。 | 選考のアドバイスや面接調整、選考結果の連絡などのサービスを受けられる。 |
理由その2 ビジネスモデルが違うから
転職サイトと転職エージェントで求職者におけるメリットが違う理由の2つ目は、両者のビジネスモデルが違うからです。
具体的には、事業者が求人企業に対して提供する付加価値とその対価として費用が発生するタイミングが違います。
転職サイトは、いわゆる広告業ですので、求人企業に提供する付加価値は、応募者を集めるための広告を制作し、プラットフォームとなる求人サイトに掲載することです。そして、企業側においては、広告を掲載する際に費用が発生します。
一方、転職エージェントは、人材を紹介するサービスですので、求人企業に提供する付加価値は、応募者を企業に紹介し、実際に採用してもらうことです。そして、企業側においては、紹介者を採用した段階で費用が発生します。
転職サイト | 転職エージェント | |
---|---|---|
企業に対する付加価値 | 求人広告の制作、転職サイトへの掲載 | 人材の紹介、選考フォロー、入社までのサポート |
課金タイミング | 広告掲載時 | 採用時(入社時) |
求職者に対する付加価値 | 求人や転職ノウハウなどの情報提供 | 求人の紹介、選考フォロー、入社までのサポート |
【補足】企業におけるメリットの違い
具体的には、採用に関わる手間と費用の意味合いが違います。
転職サイトは自社の採用広報のサポートをしてくれるので幅広く求職者を募集することが可能です。また、費用は求人広告掲載料なので、複数名の採用をしても費用は変わりません。
一方、転職エージェントは、自社の求める人材をスクリーニングした上で紹介してくれるので、選考対象として適切ではない人材からの応募対応をしたり、選考の調整をしたりといった手間が少なくなります。
転職サイト | 転職エージェント | |
---|---|---|
費用 | 比較的高額だが、転職エージェントに比べると安い。 | 費用の相場は、想定年収の35%と採用手法の中ではかなり高額。 |
求職者の発掘 | 求職者の興味の範囲内でしか自社を見つけてもらえない。 | RAを通じて異業種や異職種の経験者にも積極的にアプローチできる。 |
求職者対応 | 応募者のレジュメを確認し、不採用者への対応や選考連絡を行う必要がある。 | RAが一次選考のスクリーニングをしてくれるので、足切りや不採用通知などの手間が少なくなる。 |
早期離職 | 選考や採用の判断はすべて自社で行っているので、自社の責任となる。 | RAが推薦や選考サポートに関わっているので、紹介側の責任として返金規定がある。 |
2.転職サイトと転職エージェントは併用がおすすめ
2-1.おすすめは併用すること
私は、それぞれのメリットを理解した上で、転職活動に両方のサービスを併用することをお勧めします。
なぜなら、どちらにもメリット・デメリットがあるので、片方だけを使う理由がないと考えるからです。その理由について詳しく解説します。
2-2.併用をおすすめする3つの理由
理由その1 最終的には入社することがゴールだから
ですので、初めから片方のサービスを拒否する理由はありません。理想の転職ができる手段として、複数の手段を選択肢として持っておくことが大事だと考えます。
理由その2 それぞれのメリットを両取りすることができるから
1-1でご紹介した通り、転職サイトにも転職エージェントにも複数のメリットが有り、両方のサービスを利用することで、両方のメリットを享受することができます。
転職エージェントからのアドバイスをもとに自己応募することも可能ですし、自己応募で感じた課題点を転職エージェントにフィードバックしてもらい、改善することも可能となります。
両者を併用して転職活動を行うことで、両方のメリットを享受することは転職活動における大きなサポートになると考えます。
理由その3 途中で利用するサービスを決めることができるから
実際に使ってみなければ、両方のメリットを体感することはできません。両方のメリットを体感した上で、転職活動の途中でいずれかのサービスに絞るといった選択をすることも可能です。
ですので、初めは併用することから始めるのが良いと考えます。
2-3.転職サイトと転職エージェントを併用する方法

私がお勧めするのは、転職エージェントを活用した上で、アドバイスをもとに、転職サイトを使った自己応募と転職エージェントの紹介による応募を並行していくというものです。
特に初めて転職活動を行う方や、前回の転職活動で苦労した経験のある方などは、転職エージェントの第三者からのアドバイスを受けることはとても有効となります。
具体的な手順としては、以下の様になります。
2.転職エージェントに相談し、求人の紹介と面接設定を行う
3.2と同時に転職サイトで自己応募もする
4.面接後のフィードバックをもらい、次回に活かす
ここでのポイントは2つとなります。
どうしても入社したい会社が1社だけという場合は、事前に万全の準備をして臨みたいですし、複数社に応募する際は、転職活動の中で、スピーディにレベルアップしていくことが大事です。
自分で自信を持って計画的に活動できる方は良いですが、計画性にあまり自信のない方や現職が忙しくて活動しづらい方などは、転職エージェントの併用を検討することを強くお勧めします。
3.転職サイトと転職エージェントを併用するならちばキャリがお勧め
なぜなら、地域に密着して、転職サイトと転職エージェントの両方のサービスを行っているので、メリットの補完がし易いからです。
具体的には次のようなメリットがあります。
・両方のサービスを利用している求人企業に対して、エージェント経由で選考サポートをしてもらえる可能性がある。
・転勤なしの地元中小企業への転職という観点でのノウハウやアドバイスをもらえるので、全体的な転職活動のレベルが上がる。
4.まとめ
以上、転職サイトと転職エージェントの違いについて解説しました。
それぞれに得られるメリットは違いますが、併用することで転職活動の質が高まることは間違いありません。
まずは併用を検討した上で、ご自身に合った転職活動を進めてください。