
転職をしたいのだけど、誇れるスキルやアピールできるスキルがない…
自分のスキルに自信がないと、転職できるかどうか不安に思うこともあるでしょう。
でも、安心してください。
もちろん、年齢や希望する業界や職種によって難易度は異なりますが、スキルがなくても転職することは可能です。
なぜなら、特別なスキルがなくても活躍できる仕事はありますし、スキルなしの転職からでもスキルアップできる仕事もあるからです。
ただ、スキルなしで転職したとしても、キャリアアップを目指したいと思う方も多くいるでしょう。
そこで、この記事では、「スキルなしの転職からのキャリアアップ」をテーマに、そのための方法とお勧めの仕事についてご紹介します。
スキルはないけど転職したい、そして、その先で大きくキャリアアップしたい、そんな方のお役に立てればと思います。
1.スキルなしの転職からキャリアアップする方法
スキルなしの転職からキャリアアップするために必要なことは、一言で言うと、転職後に何かしらの卓越したスキルを磨くことです。
なぜなら、キャリアアップをするためには、企業経営において大きな付加価値を生める存在になることが必要で、何かしらの強み、スキルを持っていなければ、大きな付加価値を生むことはできないからです。
ですので、今、誇れるスキルがないということであれば、転職後に何か誇れるスキルを身につけたり、磨くことが求められるのです。
では、スキルなしの転職からキャリアアップするには具体的にどうしたらよいかということですが、それには大きく2つのことが重要です。
1つは、磨きたいスキルをイメージすること、もう1つは、そのスキルを使ってどのようにキャリアアップをするかをイメージすることです。
これらについて、もう少し詳しく解説します。
①転職後に磨きたいスキルをイメージする
スキルなしの転職からキャリアアップするための方法として1つ目にやるべきは、転職後に磨きたいスキルをイメージすることです。
なぜなら、磨きたいスキルが明確になっていないと、スキルを習得するスピードも習熟度も高まらないからです。
キャリアアップには絶対的な評価に加えて、周りとの相対的な評価も大きく影響します。周りより早くスキルを習得する、周りより高いレベルのスキルを習得することがキャリアアップするための近道であることは言うまでもありません。
では、どんなスキルを磨けばよいのかということですが、ここでは磨くべきスキルを体系立てて捉えてみたいと思います。
前述したように、企業経営において大きな付加価値を生むスキルという観点で考えると、例えば、次のようなカテゴリーに分けられます。
・商品やサービスを創るスキル
・商品やサービスを売るスキル
・組織を活性化するスキル
これらのカテゴリーに沿ってどんなスキルがあるかを洗い出してみるとよいでしょう。
商品やサービスを創るスキル
・開発技術力
・設計力
・企画力
商品やサービスを売るスキル
・営業力
・販売力
・マーケティング力
組織を活性化するスキル
・経営管理スキル(人事、経理、総務、法務など)
・マネジメントスキル
これらのスキルの中から自分が磨きたいスキルをイメージし、そのスキルが磨ける仕事に就くことが、スキルなしの転職からキャリアアップするための方法として重要です。
②キャリアアップの方向性をイメージする
スキルなしの転職からキャリアアップするための方法として2つ目にやるべきは、キャリアアップの方向性をイメージすることです。
なぜなら、キャリアアップにはいくつもの方向性があり、自分の価値観に沿って自由に選択することが可能だからです。自由に選択するためには、まずは、どんなキャリアアップの方向性があるかを知っておくことが必要なのです。
では、どんなキャリアアップの方向性があるのかということですが、ここでもキャリアアップの方向性を体系立てて捉えてみたいと思います。
キャリアアップの方向性は、例えば、次のようなカテゴリーに分けられます。
・同じ組織(会社)の中で活躍する
・別の組織(会社)に移って活躍する
・組織(会社)にとらわれず活躍する
これらのカテゴリーに沿って具体的にどんなキャリアアップの方向性があるかを洗い出してみるとよいでしょう。
同じ組織(会社)中で活躍する
・1つの分野で専門性を高めて高い評価や役職を得る
・専門性を活かして別の分野の専門性も身につける
別の組織(会社)に移って活躍する
・専門性を高めて転職をする
・転職先で専門性をさらに磨く、もしくは新たな専門性を身につける
組織(会社)にとらわれず活躍する
・専門性を活かしてフリーランスになる
・起業して新しい組織を作る
スキルなしの転職ですから、まずは「別の組織に移って活躍する」ところからスタートすることになりますが、その次のステップとして、これらのキャリアアップの方向性の中から自分が進みたい方向性をイメージしておくことが、スキルなしの転職からキャリアアップするための方法として重要です。
2.スキルなしの転職からキャリアアップするためのお勧めの仕事5選
前章でスキルなしの転職からキャリアップするためには、磨きたいスキルをイメージし、そのスキルを磨ける仕事に転職することが大事だとお伝えしました。
この章では、スキルなしの転職からでも卓越なスキルを磨けるという軸で、私がお勧めしたい仕事を5つご紹介します。
特に20代の若い世代においては、これらの仕事をしっかり把握していただければと思います。
なぜなら、スキルなしの転職の難易度は転職時の年齢に比例して高くなりますし、スキルを磨くのは早くから始めた方が有利だからです。
今の自分にはスキルがないという方でも、どんな職種に就いて、どんなスキルを磨くことでキャリアアップができるのかをイメージするのに役立てばと思います。
①営業系の仕事
スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事としてお勧めの1つ目は、営業系の仕事です。
なぜなら、営業系の仕事には、商品やサービスを売るプロセスごとにいくつもの専門性の必要なスキルが存在し、それぞれのスキルにおいてかなりの個人差が出るからです。
技術系の職種のように習得したスキルを示すのが難しく、スキル習得の方法も明確でないことも多いのですが、圧倒的に他者と差別化できるだけのスキルを身につけられる職種です。
営業系の仕事で磨ける卓越したスキルとして、例えば
・圧倒的な集客を実現するマーケティングスキル
・潜在ニーズを顕在化させるヒアリング力
・顧客心理を理解した仮説立案力
などが挙げられます。
営業職と一緒くたにしてしまいがちですが、営業職はそのプロセスよって細かく種類を分けることができます。
その一部を挙げると、例えば、
・アポインター
・オンラインセールス
・コンサルティングセールス
・カスタマーサクセス
などの種類があります。
年齢や企業の求めるスキルレベルにもよりますが、いずれもスキルなしの未経験からスタートできる職種ですし、いずれかの職種でスキルを磨くことで、別の職種でも成果を上げやすくなるということもあります。
これらの職種を経験しながらスキルを磨くことで、営業の中でも1つのプロセスにおける専門性を高めることができますし、習得したスキルを活かして異業種への転職したり、異職種に応用したりすることが可能となります。
ですので、スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事として、営業系の仕事を選択肢に入れることをお勧めします。
②技術系(製造)の仕事
スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事としてお勧めの2つ目は、技術系(製造)の仕事です。
なぜなら、習得したスキルの種類や成熟度が図りやすく、絶対評価に加えて相対評価も得やすいからです。
手に職をつけるという言葉があるように、地道に鍛錬を重ねることでスキルを職人の域に高めることができますし、希少価値を生む存在になることが可能です。
技術系(製造)の仕事で磨ける卓越したスキルとして、例えば、
・専門的で高度な加工技術
・生産の品質を維持したり改良するための分析力
・新たな技術や商品の開発力
などが挙げられます。
技術系(製造)の職種の種類としては
・製造技術
・設計
・品質管理
・メンテナンス
などが挙げられます。
職種によっては、関連分野の基礎知識が求められるケースもありますが、スキルなしの未経験から採用してくれる会社は多くあります。
これらのスキルを磨くことで、高度な技能工として活躍したり、製造部門の責任者を目指したり、同じ技術を応用できる異業種に転職したりすることも可能です。
技術力を駆使して新しい商品を開発できる力があれば、会社を発展させる原動力として大きな付加価値を埋めることとなります。
ですので、スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事として、技術系(製造)の仕事を選択肢に入れることをお勧めします。
③技術系(IT)の仕事
スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事としてお勧めの3つ目は、技術系(IT)の仕事です。
なぜなら、②と同じく、習得したスキルの種類や成熟度が図りやすいことに加えて、IT業界が自体が成長分野で今後の可能性が大きいからです。
技術系(IT)の仕事で磨ける卓越したスキルとして、例えば
・要件を的確に実現するプログラミングスキル
・顧客の課題解決のための要件定義スキル
・AI技術などを取り入れたサービス開発力
・データ分析と活用法を
などが挙げられます。
技術系(IT)の職種としては
・システムエンジニア
・ネットワークエンジニア
・システム保守運用
・カスタマーエンジニア
・データサイエンティスト
などが挙げられます。
簡単に習得できるスキルではありませんが、成長分野で人手がまだまだ足りないので、スキルなしの未経験から採用してくれる会社も多いでしょう。
これらのスキルを駆使することで、自社の商品やサービスの開発に貢献したり、上流工程を担えるようになったりすることが可能です。また、開発言語が共通していることが多いので、IT業界での転職が容易にしやすいのも特徴です。
さらにAIやデータ分析技術などは、これからどんどん発展する分野ですので、時流に乗ったスキルの習得ができる分野として魅力的でしょう。
ですので、スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事として、技術系(IT)の仕事を選択肢に入れることをお勧めします。
④施工管理系の仕事
スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事としてお勧めの4つ目は、施工管理系の仕事です。
なぜなら、安定的に需要がある建設・建築関連の分野の仕事が多いことに加え、超人手不足でスキルを身につけた人材は希少価値が高いからです。
施工管理系の仕事で磨ける卓越したスキルとして、例えば
・1つの現場の作業効率を上げ、利益を最大限生み出すスキル
・複数の現場を取りまとめるスキル
・臨機応変な対応力、リーダーシップ
などが挙げられます。
施工管理系の職種としては
・土木施工管理
・設備施工管理
・電気施工管理
が挙げられます。
いずれも資格取得が必要な職種であり、スキルなしからの転職のハードルは高いものの、リフォーム分野などは受け入れてくれやすいですし、人手不足の中小企業であれば、スキルなしでも教育や資格取得のサポートが手厚い会社も多くあります。
これらのスキルを磨くことで、より大きな現場を担当することが可能ですし、同業界でのスキルは共通なので、転職も容易にしやすくなります。新築分野は成熟していますが、リフォームや改修の分野はまだまだこれから需要があります。多くの現場を担当し、信頼を得ることができれば、独立することも可能となります。
さらにこの先、日本の市場がシュリンクしても、海外には発展途上の国が多くありますので、海外で活躍することを視野に入れるなんてこともできるかもしれません。
ですので、スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事として、施工管理系の仕事を選択肢に入れることをお勧めします。
⑤経営管理系の仕事
スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事としてお勧めの5つ目は、経営管理系の仕事です。
なぜなら、昨今、企業経営において生産性の向上が極めて重要なテーマとなっているからです。時代の急激な変化の中で制度疲労を起こしている企業は多く、企業が持つリソースで最大限のパフォーマンスを出して目標達成するための仕組みを作ることの人材はとても重要度が増しているのです。
経営管理系の仕事で磨ける卓越したスキルとして、例えば
・必要な人材を採用し、目的達成に効果的な人材配置と育成をするスキル
・最新のシステムやサービスを使い、生産性の高い業務プロセスを再設計するスキル
・エンゲージメントの高い組織を作るためのKPIの設定や労働環境を整えるスキル
などが挙げられます。
経営管理系の職種としては
・販売管理
・労務管理
・人事管理
・財務管理
などが挙げられます。
いずれも実務を経験した上で経営的な視点が求められますので、大きな付加価値を上げられる様になるには時間を要しますが、早い段階でこれらの分野に関わることができると、将来のキャリアとしてチャンスが広がるでしょう。
いずれの職種もすべての組織に必要な機能に関わっているので、これらのスキルを磨くことで、経営の根幹に関わる人材として希少価値を生んだり、業界に関係なく転職することが可能となるでしょう。
ですので、スキルなしの転職からキャリアアップするための仕事として、経営管理系の仕事を選択肢に入れることをお勧めします。
2.まとめ
この記事では、スキルなしの転職を考えるにあたって、「キャリアアップを目指す」というテーマで、その方法やおすすめの仕事について解説しました。
別記事でもご紹介していますが、スキルなしで転職しやすい職種は数多くあります。
ですが、特別なスキルなしで活躍できる仕事というのは、周りとの差別化が難しく、給与アップが難しかったり、年齢が増すにつれて不利になったり、長い目で見た時にデメリットもあります。
そこで、あえて、「キャリアアップ」という視点を加えてみました。
いずれも、卓越したスキルを身につけるには、転職後に地道な努力を積み重ねる必要がありますが、「商品やサービスを創るスキル」、「商品やサービスを売るスキル」、「組織を活性化するスキル」というテーマでぜひ、スキルなしからの転職の先をイメージして見てください。
習得したいスキルやキャリアアップの方向性が見えると、自分自身の可能性が広がります。
スキルなしからの転職がより有益な人生の転機になることを願っています。