
1.優秀な転職エージェントの7つの特徴

スキルに関する特徴は、その転職エージェントがキャリアアドバイザーとしての高いスキルを持っているかどうか、そもそもビジネスパーソンとして高いスキルを持っているかどうかの判断基準に、姿勢に関する特徴は、その転職エージェントが、顧客(企業と求職者)のニーズに応えることを最優先に考えているかどうかの判断基準になります。
ご自身の担当エージェントが
優秀かどうかを判断するのに参考にしてください。①面談でスキルを適正に判断し、強みや弱みを整理してくれる
例えば、コミュニケーション能力やリーダーシップなど、これまで経験してきた仕事によって得意とするスキルは異なるでしょうが、それらのスキルが標準的なレベルと比べてどうなのか、どんなスキルが強くてどんなスキルが弱いのかなど、多くの企業で活躍する人、活躍できない人を見てきている転職エージェントであれば、判断可能です。
ですから、自分自身のスキルをしっかり判断してくれるかどうかは、優秀な転職エージェントかどうかの判断基準となります。これを確認するためには、自分のスキルに対する評価をズバリ聞いてみるとよいでしょう。
納得のいくアドバイスが得られれば、その転職エージェントは優秀だと考えてよいと思います。
②自分では気づかない違う分野の適性や可能性を引き出してくれる
例えば、塾の教室長の経験を活かして介護施設の施設長候補を目指すとか、エンジニアとしての実績を踏まえて法人営業への転身を検討するなど、仕事ごとに求められる適性や必要なスキルを理解している転職エージェントは、自分自身では気づかない異業種や異職種の仕事における適性を示唆することが可能です。
自分一人で転職活動をしていると、固定概念にとらわれたり、知識のなさから視野が狭くなってしまうことも多いので、自分では気づかない適性や可能性を引き出してくれるかどうかは、優秀な転職エージェントかどうかの判断基準となります。
これを確認するためには、自分のスキルや経験を活かして、異業種や異職種で適性のありそうな仕事はないか質問してみると良いでしょう。提案理由も含めて納得のいくアドバイスを得られれば、その転職エージェントは優秀だと考えてよいと思います。
③レスポンスが速い
例えば、前述の、企業との深い信頼関係を構築するにしても、企業で活躍する人物要件の見極めをするにしても、転職エージェント自身が高い仕事力を持って活躍していることが求められます。レスポンスの速さは、その人の仕事力の高さを判断する1つの指標として重要です。
レスポンスの遅い人は、そもそも企業とも求職者とも信頼関係を築くことは難しいので、レスポンスが速いかどうかは、優秀な転職エージェントかどうかの判断基準となります。
これを確認するためには、転職エージェントからのメールに返答するだけでなく、前述したような質問を投げてみると良いでしょう。一両日中に返答を得られたり、いつまでに返答するかという一次回答がすぐに得られたりすれば、その転職エージェントは優秀だと考えてよいと思います。
④長期的な視点で転職活動のアドバイスをしてくれる
転職活動のプロセスは、事前準備→求人検索→書類作成→面接といったようにいくつかのステップに分かれます。
あなたの転職活動の状況を聞くことで、たとえば、転職活動におけるゴール設定など、事前準備の段階で問題があるのか、求人の探し方に課題があるのか、はたまた、履歴書や職歴書などのアピールの段階に問題があるのか、など、多くの転職成功者、失敗者を見てきている転職エージェントであれば、転職活動のどのステップに課題があるのかが判断可能です。
時には転職するという判断が時期尚早であったり、現職に留まることを含めて再考した方がよいケースもあります。そんな時に、転職ありきではなく長期的な視点に立ってアドバイスしてくれるかどうかは、優秀な転職エージェントかどうかの判断基準となります。
これを確認するためには、転職活動のプロセスのどこに課題があるのか聞いてみると良いでしょう。事前準備はしっかり終えられていると判断してよいのか、求人検索の軸は間違っていないか、など、納得のいくアドバイスを得られれば、その転職エージェントは優秀だと考えてよいと思います。
⑤人事(採用者)しか知らない情報をすぐに確認してくれる
・前年の賞与実績
・人事評価の基準
例えば、配属部署の人員構成、上司や社長の性格、短期間で退職した人の退職理由など、一般の求人広告だけでは得にくい重要な情報は数多くあります。企業と深い信頼関係を築いている転職エージェントは、これらの情報を引き出し、応募前に共有してくれます。
転職にあたっては、組織風土や価値観など、企業との相性もとても重要です。これらも含めて、人事しか知らない情報を共有してくれるかどうかは、優秀な転職エージェントかどうかの判断基準となります。
これを確認するためには、人事しか知らない情報に関する質問を投げてみましょう。配属部署の人員構成や上司の人柄などを聞いてみて、すぐに返答を得られたり、すぐに確認してくれるようであれば、その転職エージェントは優秀だと考えてよいと思います。
⑥質の高い推薦状を作ってくれる

質の高い推薦状を作ってくれる転職エージェントは優秀です。
採用企業においても求職者においても、転職エージェントを利用する理由の1つは、通常の自己応募では得られない付加価値の高い情報を収集したいということです。
例えば、履歴書や職歴書だけでは読み取れない本人の資質や価値観などを共有したり、社風や組織風土への適応の可能性に関する所感を付け加えたり、優秀な転職エージェントは、入社後に長く活躍できるかどうかを判断するために必要だと思うあらゆる情報を採用企業に提供します。
通常の自己応募以上の付加価値を提供できない転職エージェントは企業と深い信頼関係を築くことはできないので、質の高い推薦状を作ってくれるかどうかは、優秀な転職エージェントかどうかの判断基準となります。
これを確認するためには、企業にどのように自分を推薦してくれるか質問するとよいでしょう。履歴書や職歴書にないどんな情報をどのように伝えるつもりなのか、納得のいく返答をいただければ、その転職エージェントは優秀だと考えてよいと思います。
⑦内定が出た企業を強引に勧めない
応募企業から内定をもらったとしても、その会社がベストかどうかすぐに判断できないということもあるでしょう。例えば、面接の結果、社風との相性に少し不安を感じた、実際の上司や同僚の人柄を確認しておきたい、など、最終決断するための追加の情報が欲しいということはよくあることです。
そんな時に、優秀な転職エージェントは、強引に入社を勧めるのではなく、あなたの気持ちに寄り添って、懸念点の確認や解消のために力を貸してくれます。逆に自己中心的な転職エージェントは、内定承諾が自分の成果になりますから、成果に目がくらみ、強引に入社を勧めてくる可能性すらあります。
ですから、内定が出た企業を強引に勧めないかどうかは、優秀な転職エージェントかどうかの判断基準となります。
これを確認するためには、 内定後の率直な気持ちや懸念点を伝えるとよいでしょう。懸念点を払拭するための追加情報を収集したり、再面談の提案をしたり、あなたの気持ちに寄り添って対応してくれるようであれば、その転職エージェントは優秀だと考えてよいと思います。
2.優秀な転職エージェントと出会う可能性を最大化する方法

実は、優秀な転職エージェントと出会うためにこうしたら良いというベストな方法はありません。正直なところ、自分との相性も含めて、会ってみないとわからない、運が大きく左右するということが否めないのです。
とはいえ、優秀な転職エージェントと出会う可能性を最大化するための方法はありますので、できるだけのことはした方がよいでしょう。
そこで、この章では、優秀な転職エージェントと出会う可能性を最大化するための方法を4つピックアップします。
①複数の転職エージェントを利用し絞っていく
1つ目の方法は、複数の転職エージェントに登録し、候補を絞り込んでいくという方法です。
複数の転職エージェントに登録しておくというのは絶対にお勧めしたいところです。なぜなら、転職エージェントは本当にピンきりなので、複数の転職エージェントに登録することで、比較をして相対評価をすることがとても大事だからです。
複数の転職エージェントに会って、レスポンスのスピードやヒアリングの仕方、アドバイスの質などを比較し、自分が優秀だと思うエージェントを絞り込んでいくことで、優秀な転職エージェントに出会える可能性は高まるでしょう。
とはいえ、あまり多いと混乱してしまいますので、4,5社を選んだ上で、会うことをお勧めします。
②専門性の高い転職エージェントに登録する
2つ目の方法は、専門性の高い転職エージェントに登録するという方法です。
①の複数の転職エージェントに登録する際の候補先選定の1つともなりますが、業種や職種、エリアやポジションなど、転職エージェントの持つ専門性を絞り込むことで、マッチングの精度は高まるでしょう。
なぜなら、自分の転職活動の軸となにか共通の要素が合った方が相性が高まる可能性があるからです。また、希望する業種や職種での深い知識を持っていることはサポートを受ける上でプラス要因になることは間違いありません。
自分の転職の軸にあった専門性の高いエージェントに登録してみることをお勧めします。
③エージェントからのスカウトを切り口にする
3つ目の方法は、転職サイトなどで転職エージェントからくるスカウトメールを判断基準にする方法です。
いまや多くの転職サイトで、企業だけでなく転職エージェントからのスカウトメールが届きます。それらの文面を見て、その転職エージェントが優秀かどうかをある程度判断することは可能です。
なぜなら、スカウトメールの文面にその転職エージェントのビジネススキルや仕事に対する姿勢が現れるからです。例えば、汎用的なメールではなく、自分の経歴をしっかり読んだ上でメールを送っているのか、自分のスキルや希望をしっかり把握しているかなどを確認することで、そのエージェントの仕事への姿勢はすぐにわかります。
好感の持てるスカウトメール、質の高いスカウトメールを送ってきたエージェントと接点を持つことは、優秀な転職エージェントと出会う可能性を高めてくれます。
転職エージェントからのスカウトメールを判断材料の1つにすることをお勧めします。
④知人の紹介や口コミを活用する
4つ目の方法は、知人の紹介や口コミを活用するという方法です。
実際にその転職エージェントが関わった人の情報で判断するというのは有効な方法の1つです。可能であれば、転職エージェントも企業ではなく個人と直接接点を持てる状態が望ましいところです。
なぜなら、前述したように転職エージェントはピンきりなので、信用できる一次情報を得ることが重要だからです。優秀な転職エージェントがいる企業に登録したから、自分にも優秀な転職エージェントがつくかどうかはわかりません。
ですので、転職エージェントを使って転職を成功させた友人がいるのであれば、具体的にその転職エージェントを個人で紹介してもらうということも有効です。仮に、その転職エージェントが業界やエリアが違って直接担当できないとしても、その転職エージェントに別の担当者を紹介してもらうことができれば、優秀な転職エージェントと出会う可能性は高まるでしょう。
優秀な転職エージェントは、一度接点のあった顧客との関係を大事にしますから、その友人の顔を潰すようなことはしないと考えられるからです。
知人の紹介や口コミを活用して転職エージェントを探したり、判断したりすることをお勧めします。
3.まとめ
この記事では、優秀な転職エージェントの特徴と、優秀な転職エージェントと出会う可能性を最大化する方法について解説しました。自分の担当となる転職エージェントが優秀かどうかは、転職活動の質を高めるにあたってとても重要なポイントです。
担当の転職エージェントのスキルや姿勢を確認することで信頼するに値するかどうかを見極めるとともに、信頼できないと感じたら、すぐに担当を変更してもらうことを検討しましょう。転職エージェントが信頼できない状態でサポートを受けていては、決して良い結果にはつながりません。
ご自身の転職活動を有意義なものにするためにも、優秀な転職エージェントにサポートしてもらえる可能性を高める行動を取ることをお勧めします。