「カジュアル面談で、ざっくばらんに話してみませんか?」
転職活動を始めて受け取ったメッセージに、戸惑った経験はないでしょうか?
カジュアル面談って具体的に何するの?
カジュアルって付いてても、通常面接と変わらないんじゃないの?
そんな疑問も多く寄せられる「カジュアル面談」。
実はカジュアル面談は、仕事を探してるあなたにとっても有効的な面談なのです。
カジュアル面談はなぜ設定されるのか、カジュアル面談を内定を実現させるために効果的に活用するにはどうすればいいのか。
企業がカジュアル面談を実施する背景や、カジュアル面談を効果的にする方法、カジュアル面談にまつわる疑問についてお伝えしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
1. カジュアル面談とは相互理解の場
カジュアル面談とは、採用選考の前段階として、フランクに話して情報交換をしたり、企業・求職者の相互理解を深めるために設けられた面談です。
多くはスカウトサービスやオファーメールなどの、企業から求職者にメッセージを送ることで機会がつくられる面談です。
主に企業側が自社に興味を持ってもらいたいと惹きつけのために設定している面談ですが、求職者側も応募前に企業の雰囲気を知ることができたり、自分では調べきれなかった企業とのつながりができるなどのメリットがあります。
近年増えているカジュアル面談ですので、機会があればぜひ積極的に活用していきましょう。
1-1. カジュアル面談と面接の違い
カジュアル面談は採用選考の前におこなう位置づけですので、面接と異なり採用合否を判断されません。
面接は企業が応募者が求める人材であるか・採用要件を満たしているかを見極める場ですが、カジュアル面談は双方が質問し合ったり情報交換をして、相互理解を深める場となります。
カジュアル面談 | 面接 | |
---|---|---|
目的 | 双方が質問し合ったり情報交換をして、相互理解を深める | 企業が応募者が求める人材であるか・採用要件を満たしているかを見極める |
主な内容 | フリートーク(企業からのPR、企業・求職者双方の質問や回答) | 企業から応募者へ質問し、応募者が回答する |
持ち物・提出物 | とくになし | 履歴書・職務経歴書 |
次のステップ | 求職者が応募するか判断する | 企業が合否判定する |
面接は企業が求職者に質問する場面が多く、企業が採用合否を判断するため、どちらかというと企業優位に話が進みやすいです。
一方カジュアル面談は、選考前にお互いのことを知ってミスマッチを防ごうという意図もあるので、双方向のやり取り・会話が発生しやすくなります。
しかし選考前のカジュアル面談とはいえ、その先に選考が控えている事実を忘れてはいけません。企業は合否判断こそしませんが、カジュアル面談からも人となりを知ったり、一緒に働きたいかどうかを見定めることはあります。
カジュアルだからと気を抜きすぎず、社会人としてのマナーを守ったり、失礼のない振る舞いをすることが大切です。
1-2. カジュアル面談をする企業の目的
カジュアル面談をなぜするのか、気になる企業の目的は採用間口を広げ、自社に興味を持ってもらう人を増やし・口説き、よりよい採用を実現させることにあります。
なぜなら企業の人材採用は年々難航しており、優秀な人材の確保にあの手この手と様々な取り組みをはじめ、その一つがカジュアル面談というわけなのです。
企業がカジュアル面談をおこなうメリットは次の3点です。
①優秀な人材へのアプローチ・口説くことができる
優秀な人材は引く手あまたで、応募を待っているだけでは採用できない企業も多々あります。
しかし企業から優秀な人材へアプローチをおこない、カジュアル面談を提案することで、企業PRをする場・自社に興味を持ってもらう場としてカジュアル面談を活用することができるのです。
また求職者が転職で実現したいことを聞けることで、その希望に合ったポジションを提案することも可能になります。時には求人を掲載していないポジションも、採用したい人材のために用意することもあります。
②採用母集団を増やすことができる
面接よりはハードルが低いカジュアル面談は、求職者が参加しやすいのもメリットの一つです。
応募しようか迷っていた、検索で引っかからず自社の採用募集を知らなかった、そんな人材とも接点を持つことができます。応募を待っているだけの採用手法よりも数多くの選考機会を作ることが可能です。
③入社後のミスマッチを防ぐことができる
面接よりもリラックスした雰囲気でおこなわれるカジュアル面談、自然体で臨むことで双方のコミュニケーションも活発になりやすいです。
求職者は選考では聞きづらいことも質問ができたり、企業側も事前に様々な情報開示ができるため、お互いを知ったうえで選考に進めることができ、入社後になんか違ったというミスマッチや早期離職を避けることにつなげられます。
また、人柄やスキルがとても魅力的な方でも、社風やビジョン、今のメンバーとの相性が合わないと採用後にいろんな人が苦しい思いをしてしまいます。事前にその点の確認やすり合わせもできるのがカジュアル面談です。
より多くの人材と接点を持ち、自社の魅力を多くの人に発信し、活躍する人材の採用につなげたい、そんな企業側発信のカジュアル面談ですが、求職者もこの機会を活用しない手はありません。思わぬ縁や納得のいく転職につなげるために、積極的に面談に参加してみましょう。
1-3. 求職者も目的を持った積極参加が効果的
これまでカジュアル面談は面接ではないとお伝えしていますが、求職者の皆さんには面接だと思って臨むことをおすすめします。これは企業情報を調べ、志望動機を準備し、自己PRをしましょうという意味ではありません。
とりあえず参加してみようと受身のままでカジュアル面談に臨むのではなく、目的をもって積極的に面談に参加していただきたいのです。それが今後の選考、そして内定獲得につながる一歩とも言えるでしょう。
優秀な人材を採用したい、自社で活躍してくれる方を採用したい。そんな想いがあるのが人事担当者です。
どんな方なのか、一緒に働きたいと思うか、入社後に活躍してくれそうか、今のメンバーと馴染むだろうか……そういった視点も持ってカジュアル面談も進めています。
せっかく双方向のコミュニケーションが取れる面談の場ですので、自ら質問もして企業の情報収集をおこない、「自分がこの企業に入りたいと思うか」「入社したら何ができるか」「どんな職務・働き方・暮らしになるのか」といった未来を描く時間にしていきましょう。
- 面談してみようと自分が興味を持ったポイントを深堀り
- なぜ自分に面談を打診したのか
- 自分が入社したらどんな仕事をするのか
- 自分が入社したらどんな働き方をするのか
- どんな人が上司になるのか
- どんな人が同僚になるのか
- どんな目標やビジョンを掲げているのか
カジュアル面談を打診された段階ではその企業について知らないことが多々ありますが、話を聞いて「合わない・思ったのと違うな」と感じたら、選考に進まないと判断すればよいのです。
2. カジュアル面談を利用した企業・求職者の声
実際にカジュアル面談を利用した企業の人事担当者や、求職者に感想などを聞いてみました。どんな気づきや発見があったのか、リアルな声をご紹介します。
カジュアル面談をした求職者の声
求人情報はいいことしか書いていないのでは?
という不安があったので、実際に働いている方やその仕事をしている方から、リアルな話が聞けたので、自分が働くイメージを持つことができました。
リアルな情報を自分の目や耳で得たことで、この先も選考に進みたい!という意欲が増しました。
初めての転職で今の会社しか知らないので、他の会社を知ることができて興味が深まりました。一方的に質問されるだけでなく、自分からも質問できたので、より理解できたと思います。
カジュアル面談をした企業だけでなく、他の企業にも興味が増して、いろいろと知りたくなりました。
カジュアル面談と言いつつも選考でしょ?
と思っていましたが、エージェントの方に面接じゃなくて面談形式なので話を聞いてから応募するか判断してと言われて安心できました。
応募前に会社の雰囲気を知ることができたので、選考に進んでからや入社してから違ったな…ってならないのもよかったです。
カジュアル面談をした企業の声
直接話ができて、ざっくばらんにやりたいことを伺ったり、自社でできることをお伝えできるので、自社への関心を寄せてもらい応募の動機付けとしていい機会になっています。
やはり求人広告やスカウトの文面だけでは伝えきれない情報があるので、細かい説明や、その方が気になるところの補足もできるのが面談ならではです。
しっかり話せることで、相違点がないか確認できますし、あったとしても修正したうえで応募の検討をしてもらえるので、応募に繋げる機会を作れています。
入社を想定して部門長と、一緒に働くメンバーで面談では話しをさせてもらっています。
自分たちが参加することで、現場のリアルな話もできますし、双方この人と働くとしたら…?という視点も持てるのがいいところですね。
求職者の方はリアルな声が聞ける、自分に合いそうか雰囲気がわかる、求人情報以上の話を聞くことで興味が深まったなどの、カジュアル面談に参加したメリットもたくさん伺えました。
企業からのオファーを受けてみたい!
自分の適性に合う仕事・企業を知りたい!
カジュアル面談の提案も実は多い!
3. カジュアル面談についてのよくある質問
しかしカジュアル面談の中でお互いの志向やビジョンが違うと判断されれば(ご自身でも判断すれば)、その後選考に進まないことはあります。
なお、企業側がカジュアル面談の認識を誤っていて、うっかり面接のつもりで合否判断をしてしまうケースもあるようです。基本的には合否判断されませんが、プレ面接くらいの心づもりで臨むのが安心とも言えます。
面談の中で企業への興味が深まったら、最後に今後の流れについて確認しておくのがよいでしょう。
人事担当者からは企業や仕事内容の説明、採用ポジションの社員からは現場から見た仕事内容やチームの雰囲気を聞くことができます。
どういった人と面談できるか事前確認し、現場の人からも話を聞きたいと思ったら依頼してみるとよいでしょう。
- これまでの職務経験やスキルといった仕事について
- 面談をしようと思った理由や興味を持ったポイントは何か、といった自社について
- 転職理由や希望・ビジョンなど今後について
志望動機のような面接の質問はありませんが、転職への考えなどを聞かれるでしょう。
企業としてはあなたに関心を持って面談オファーをしていますので、選考の面接を調整してくれるかもしれません。
なお、あえてカジュアル面談を受けてから面接に進むこともメリットがあります。
お互いラフに話ができる場だからこそ、出てくる話や深堀できる話もあります。カジュアル面談では同年代などの社員と話せる場を設けてくれるケースもあるため、カジュアル面談を受けるという選択肢もぜひ考えてみてください。
「まずは応募してください」と返答される可能性が高いですが、「御社のことを面接前にもっと知りたいのですが、一度お話しする機会を設けていただけないでしょうか」と問い合わせてみるのもよいでしょう。
まとめ
近年増えているカジュアル面談とはなにか?という疑問について解説させていただきました。
カジュアル面談は企業・求職者の相互理解を深めるために設けられ、面接とは異なり選考はおこなわず、企業側が自社に興味を持ってもらいたいと惹きつけのために設定している面談です。
企業から多くの質問がされる面接と異なり、双方のコミュニケーションで成り立つのがカジュアル面談ですので、質問もしやすく求人やHPだけでは理解しきれない情報を得ることができるメリットもあります。
応募前に話をすることで、企業への理解も深まり、会社や一緒に働く人の雰囲気も知り、企業のビジョンや自分が転職で叶えたいことが実現できそうかなど、ミスマッチを防ぐことも可能なカジュアル面談。ぜひ友好的に活用し、よりよい転職につなげてください。