同業他社へ転職する時の9つの注意点|活動前〜転職後まで全て解説

転職 同業他社

同業他社に転職を検討しているのだけど、転職は可能だろうか?
転職活動がバレたり、転職後にトラブルになったりしないだろうか?
そんな不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。

結論から申し上げると、同業他社への転職は可能です。そして、即戦力としての活躍の可能性が高い、キャリアアップしやすいなどいくつもメリットがあります。

しかし、同業他社への転職においては、絶対に気をつけておかなくてはいけない点がいくつかあります。なぜなら、法律的に訴えられるリスク転職後に想定外に苦労する可能性があるからです。

そこで、この記事では、法律的な問題や倫理的な問題など、同業他社に転職する際にどのような点に気を付けて活動すればよいかを解説します。

今の会社で成果を上げているのだけど、もっと良い環境があれば、さらに大きな成果が出せるのにとくすぶっている方、成果に見合った評価がされていないと不満に思っている方など、同業他社への転職を検討し始めた方はぜひ参考にしてください。

1.同業他社への転職活動前の事前確認

確認事項
同業他社への転職活動を開始する前に、確認しておかなければならないことが大きく2つあります。

1つは、法律上の問題。具体的には競業避止義務に関する規定を確認することです。
もう1つは、その選択が本当に納得のいく選択になっているのかということ。具体的には、同業他社に転職することのメリットとデメリットを改めて確認しておくことです。

それらについて解説します。

①競業避止義務に関する規定を確認する

同業他社への転職を検討するにあたっては、まず競業避止義務に関する規定を確認することが大事です。
なぜなら、法律上守らないといけない義務だからです。

 

「競業避止義務」について把握する
競業避止義務をしっかり把握しておきましょう。
競業避止義務は、以下のように定義されています。
一定の者が、自己または第三者のために、その地位を私的に利用して、営業者の営業と競争的な性質の取引をしてはならない義務である。

労働法においては、競業避止義務とは次のような概念である。
・在職中に使用者の不利益になる競業行為(兼職など)を行なうことを禁止すること
・一般の企業において、従業員の退職後に競業他社への就職を禁ずることを定めた、誓約書や就業規則に含まれる特約(競業禁止特約ともいう)
抑えるべきこと

抑えるべきことは、いわゆる「競業禁止特約」です。入社時や退職時に、「◯年間は同業他社に転職しない」といった誓約書に署名を求められることがあります。就業時の規定にも明記されていることがあるので、まずは自社の規定を確認しておくことが必要です。

企業が規定を作る理由も理解する

企業が競業禁止特約などの規定を作る理由は、同業他社に漏らしたくない情報があるからです。
具体的には以下のような情報です。

・独自の技術やデータ、顧客情報、営業ノウハウなど、いわゆる機密情報が競合企業に流れることで、競争優位性を失ったり、売上が下がったりと損害を受ける可能性がある。
・社員の退職とともに顧客も奪われるという恐れがある。
現実的なことも把握する

実際のところどうかというと、日本では「職業選択の自由」が憲法で保障されていますので、前職の企業が営業上で不利益を被らなければ、基本的には競合する会社へ転職したり、独立しても問題になることはあまり多くないようです。

一般的な見解を理解する

競業避止義務の規定も企業内で機密情報を扱う役職者や役員、事業部長クラスの人に採用されることが多いのが一般的です。前職の会社の機密情報を利用して転職先の会社の利益を大きく伸ばす、など前職の会社に損害を与えるような行為を行わない限り、規定違反として問題となる可能性は大きくないというのが一般的な見解のようですね。

しかし、一般の社員も全く無関係等というわけではありませんし、実際にトラブルになることもあるのでしっかりと確認しておくことが必要です。

②メリットとデメリットを整理する

2つ目は同業他社へ転職することのメリットとデメリットを改めて確認しておくことです。
ここでは、同業他社への転職が本当にベストな選択なのかを確認する視点として、メリットとデメリットを2つずつピックアップしてみました。

 

同業他社に転職するメリット

メリット①:即戦力として活躍できる可能性が高い
同業他社へ転職することで、即戦力として活躍できる可能性が高いというメリットがあります。
なぜなら、商品知識や業界知識が豊富ですし、それぞれの職種で必要とされる基本的なスキルが身についているからです。

例えば、本来は技術研修が必要な製品の構造を理解していたり、業界特有の決裁フローや慣習などを知っているといったことがあれば、採用企業側からすると初期の研修やOJTの工数が削減でき、実務を任せるまでの期間が大きく短縮できます。

結果、選考で有利になる可能性は高いですし、前職の給与が保証されたり、前職以上の高待遇で受け入れられたりすこともあるでしょう。

メリット②:キャリアアップしやすい
同業他社へ転職することで、キャリアアップしやすいというメリットがあります。
なぜなら、知識やスキル面でのアドバンテージがあるのはもちろんのこと、商品やサービス、顧客などをこれまでと違う視点で見ることで、視野が広がったり、視座が高まったりすることが十分考えられるからです。

例えば、商品やサービスの企画に関するアイディアが湧くことがあるでしょうし、組織体制の課題に気づくこともあるでしょう。また、マネージャーやリーダーとして組織を引っ張ったり、成長戦略に関わり経営的なポジションを狙うといったキャリアビジョンが見えてくることもあります。

同業他社に転職することで、これまで以上にキャリアアップに向けたイメージが広がり、キャリアアップしやすいというメリットがあります。

 

同業他社に転職するデメリット

デメリット①:評価が厳しくなることもある
同業他社へ転職することで、評価が厳しくなるというデメリットがあります。
なぜなら、業務に求められる期待水準が上がるからです。企業から即戦力として期待されている以上、平均的な成果を上げるだけでは期待値を超えられないということが考えられます。

例えば、同じ業界であっても、一人あたりに求められる成果の大きさが異なるということがあるでしょうし、そもそも成果の判断基準が違うといったこともあるかもしれません。

また、仕事の進め方や考え方、組織内のルールが違うこともありえますので、今までのやり方がすぐに通用しないというケースや、逆に今までのやり方を否定されるケースもあるかもしれません。

このように、場合によっては、評価が厳しくなるということを想定しておくことが大事です。違う環境にもしっかり適応し、結果を出すという強い意志が必要となります。

 

デメリット②:顧客に不信感を抱かれる可能性がある
同業他社へ転職することで、顧客に不信感を抱かれる可能性があるというデメリットがあります。なぜなら、前の会社でうまくいかなかった理由があるのではないか?というネガティブな印象を持たれてしまう可能性があるからです。

例えば、スキルや技術が足りなくてあまり活躍できなかったのではないか?上司や同僚とうまくいかなった個人的な理由があるのではないか?といった疑念を抱くお客様もいらっしゃるかもしれません。顧客や組織とうまくやっていれば同業他社に転職する必要などないという考え方もできますから。

このように、同業他社に転職することで不信感を抱かれる可能性があることは留意しておくことが大事です。ネガティブな評価があることを想定した上でお客様と関係性を築くことが必要となります。 

2.同業他社への転職活動中

転職中の注意事項

①社内外で同業他社への転職活動中であることは伏せる

転職活動中は、社内に対しても社外に対しても、同業他社への転職活動をしていることは伏せておいた方がよいでしょう。

なぜなら、同業他社への転職を検討していることを伝えた時点で不信感を持たれる可能性がありますし、業務に悪影響がでる可能性もあるからです。

例えば、上司や同僚が転職そのものに否定的な考え方を持っている方や倫理観や正義感の強い方であれば、表面上は変化がなくても、内心で不快に思われているということが起こりえます。

また、お客様においても、個人的な信頼関係を築けていたと思っていたのに、実は会社対会社におけるこれまでの実績や関係性に守られていただけで、退職すると知った途端に態度を変えられてしまうということが起こりえるのです。

その他、正直に話したばかりに猛烈な引き止めにあい、辞めづらくなるといったこともあるかもしれません。

同業他社へ転職することに対する価値観は人によって大きく異なりますので、そのことに留意して、慎重に行動することが大事です。

②面接では現職企業の機密情報や悪口を話さない

面接では、現職企業の機密情報や悪口は絶対に話してはいけません。なぜなら、競業避止義務違反に問われる可能性があるだけでなく、信用できない人物と評価される可能性があるからです。

例えば、うっかり伝えた機密情報が面接先から漏れて、そのことが自社にバレるということがありえますし、自社に対する不満を他社に話すことで転職後も同じ行動を取る可能性が高いと判断されることもあるのです。

自分の行動が相手にどのような印象を与えるかを十分認識しておくことが大事です。ですので、面接では、前職の機密情報や悪口は絶対に話さないようにしましょう。

③志望動機にネガティブな要素を入れない

選考や面接では、志望動機や退職理由にネガティブな要素をできる限り入れないことが大事です。
なぜなら、現職への不満や不適合などのネガティブな要因による転職は、繰り返す可能性が高いという印象を持たれる可能性があるからです。

例えば、待遇や評価に不満があったとことが退職理由であれば、「今回も同じように待遇に不満を持つのではないか、評価に納得がいかなければ数年で同じように辞める可能性が高いのではないか」といった疑念を持たれるかもしれまぜん。

志望動機(退職理由)を伝えるときには、「高い目標を持って働きたい」「営業の仕事により打ち込みたい」といったポジティブな印象を与えられるように工夫することが大切です。

とはいえ、不満などのネガティブな要因が退職のきっかけであることもあるはずです。その際は、その不満に対してどのように向き合ったのか、どのように改善しようとしたのかといった具体的な行動を語ることが大切です。

待遇や評価を高めるために行動を起こしたのか、どのように行動したのかは、採用企業側の不安払拭の重要なポイントとなります。

④応募先に自分を大きく見せ過ぎない               

選考にあたっては、自分を大きく見せすぎないことが大事です。
なぜなら、自身の実績やスキルをアピールしすぎると、転職後に評価が下がったり大きなプレッシャーになる可能性があるからです。

例えば、これまで上げたことのないような高い成果を期待されてしまったり、自分の実力以上のポジションをいきなり任されてしまうこともあるかもしれません。結果、負担を感じたり、周囲の期待に応えられなくて苦しんだりするケースも生じます。

前述しましたが、同業他社であっても、社風や仕事の進め方はもちろん、具体的な業務内容にも細かな違いがあります。選考にあたっては、今までのやり方がすぐに通用するという甘い考えは持たず、自分を大きくみせすぎないことが大切です。

3.同業他社への転職活動終了後

転職活動後の注意点

①円満退職する

同業他社に転職が決まった後に必ずやるべきなのは、円満退職することです。
なぜなら、転職後に前職の上司や同僚と顔を合わせる可能性がありますし、前職の社員を通じて退職の経緯が漏れる可能性があるからです。

例えば、前職の上司や同僚と営業先のコンペで出会うということがあったり、業界の会合で出会うということがあるかもしれません。
また、新しく担当したお客様と前職には関係がないと思っていたのに、実は経営層では交流があり、情報が筒抜けになっていたということもあるかもしれません。

退職時にトラブルを起こしていると、気まずい思いをしますし、その事が原因で転職先での業務に影響が出るかもしれません。業務の引継ぎを丁寧に行う、誠意をもって退職の挨拶をするなど、できる限り円満に退職することが大切です。

※参考記事:【トラブル回避】転職検討~円満退職するための全手法

②前職企業への配慮を忘れずモラルある行動を取る

転職後は、前職企業への配慮を忘れずモラルある行動をとることが大事です。なぜなら、前職企業への配慮をしない人は、新しい職場や新しい取引先からの信用を獲得できないからです。

例えば、前職で得た情報やお客様との関係性を活かして強引な営業をしたり、前職企業内の問題点を流布することで一時的な成果やメリットを得られるかもしれませんが、それらの行動は新しい同僚や顧客からの評価は得にくいものです。

モラルのない行動をすることで、いらぬ噂が立ったり、足を引っ張られたりとしっぺ返しを食らう可能性もあります。
一度は自分が選んで関わった組織ですから、退職後もうまく付き合っていくことが理想ですし、余計なトラブルの種は作らないのが無難です。

転職後は、前職企業への配慮を忘れずモラルある行動を取りましょう。

③新しい環境を受け入れ、早期に適応する

同業他社への転職後は、新しい環境を受け入れ、早期に適応することが大事です。
なぜなら、同業他社への転職でうまくいかないケースは、仕事のスタンスや組織風土・文化の違いが原因になることが多いからです。

例えば、社内での情報共有や業務の効率化に対する考え方、IT化の推進度、変化への許容度など、同じ業界にいながらも会社の文化や組織風土は全く異なります。

ですので、「前職ではこうだった」と以前のやり方に固執するのではなく、まずは、新しい職場の環境、やり方を受け入れ、早期に適応することが大事です。

過去の成功体験を振りかざさず、郷に入りては郷に従えの気持ちで、新しい職場のやり方を吸収しようとする姿勢を持ちましょう。

※【補足】中小企業、意外に同業他社への転職は意外に嫌がられるもの
ちばキャリ掲載中のお客様の中には、同業他社からの転職を嫌がる企業様は少なくありません。同業他社から採用するくらいなら、未経験者を取りたいとおっしゃる経営者の方も多くいます。

中小企業が同業他社の人材を採用したくないという最大の理由は、過去に失敗した経験があるから。期待をして採用したのに、全く成果を出せずに辞めてしまったという経験を少なからず持っているのです。感覚値ですが、多くの経営者から話を伺う限り、失敗の理由としては、採用者が前職のやり方に執着した、新しいやり方や文化に馴染めなかったと受け止められているケースが多いように思います。

新しい職場のやり方を受け入れない人は、社内での人間関係の構築に時間がかかりますし、孤立しがちです。結果、期待ハズレで早期に退職してしまう。そんな経験を多くしている企業では、同業他社の経験者よりも未経験者の採用に力を入れるようになるのです。

特に規模の大きい会社から規模の小さい会社に移った場合などは、良かれと思って前職企業でのやり方を提案してしまいがちですが、そこはぐっとこらえて、まずは受け入れるところから始めたいですね。

4.まとめ

この記事では、同業他社に転職するにあたっての9つの注意点を、転職活動のステップに沿って解説しました。

同業他社への転職は、即戦力として活躍できる可能性が高い、キャリアアップしやすいという大きなメリットがある一方で、9つの注意点をしっかりと留意しておかないと、トラブルや失敗に至るリスクがあることをご理解いただけたと思います。

記事を参考にしていただき、しっかり行動計画を立てた上で、慎重に転職活動を進めていただければ幸いです。

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