
どのように進めたらよいのだろうか?と不安に思うことは多いと思います。
専門的なスキルを持っていない方にとって、将来のキャリアアップを考えた時、営業職は1つの選択肢としてとても大きな存在となります。
なぜなら、コミュニケーションスキルやロジカルシンキングなど、専門的な知識や技術がなくても、社会人になってから十分磨けるスキルで勝負できる仕事ですし、成果や実績が見えやすい仕事だからです。
この記事では、そんな営業職に初めてチャレンジしたいという方に、営業職への転職を成功に導くための8つのステップを解説します。
1.準備編

ステップ1.営業職の仕事の本質を理解する
なぜなら、営業職の仕事の本質を理解していなければ、せっかく営業職に転職したにもかかわらず、結果が出ず、転職が成功しにくいからです。
頑張って努力をすれば、それなりに成果を出すことができるのが営業職です。
しかし、壁にぶつかりやすい職種でもあります。
例えば、
・経済環境が悪くなり、お客様とのアポイントすら取れず全く売れなくなってしまった
・はじめは順調に営業成績が伸びたが、どうしても一定水準を超えることができない
など、営業職として壁にぶつかったり、スランプに陥ることが十分考えられます。
その時に、そこから早く抜け出すために重要なのが、営業の本質を理解しているかどうかなのです。
では、営業職の本質は何かというと、具体的には次の3つを満たすことだと考えます。
②お客様と課題を共有し
③お客様と一緒に課題を解決する
①お客様の抱える課題を発掘する
ですので、お客様の状況をヒアリングして、その課題を見つける、ニーズを発掘してあげることが必要となります。お客様が現状で困っている本当の理由を見出さないと、課題の解決には至らないのです。
例えば、弊社のような求人広告の営業の場合、お客様が採用活動でうまくいっていないから、自社のサービスを提案するというのは、営業の本質を理解していないことになります。
採用活動がうまくいっていないことは、結果であり、課題ではありません。
例えば、母集団(候補者)をうまく集められていない、母集団(候補者)を集める際のペルソナ設定が間違っている、選考プロセスが応募者のニーズに合っていない、など採用活動のどこに課題があるのかをもっと深掘りすることが必要です。
この課題の抽出なしに自社商品やサービスを提案すると、単なる押し売りになってしまい、ニーズの顕在化しているお客様以外に買ってもらうことが難しくなります。
これが、営業として伸び悩んだり、スランプに陥る理由でもあるのです。
②お客様と課題を共有する
通常、売り手の方が買い手より容易にニーズや課題を見出しやすいものです。
しかし、買い手であるお客様自身がその課題に気づいていなければ、なかなか課題解決には至りません。
ですので、①で発掘した課題をお客様と共有し、課題への認識をすり合わせる・合意を取るといったプロセスが大事になります。
③お客様と一緒に課題を解決する
営業の役割はお客様の課題の解決なので、売って終わりというスタンスではなかなか信頼関係は築けません。
取り扱う商品やサービスによって、購入後に具体的にサポートできるケースもあればできないケースもありますが、課題解決に役立っているかどうかは把握しておくことが大事です。
単純に売り切ることで満足していると、最終的にお客様の課題の解決ができておらず、知らず知らずのうちにお客様の満足度が下がっている、信頼を失ってしまっているということにもなりかねないので、要注意です。
ステップ2.営業職の種類を把握する
営業職への転職を成功させるためのステップ2は、営業職の種類を把握することです。
なぜなら、営業職と一括りで呼ぶものの、営業職には数多くの種類が存在し、それぞれの種類によって、仕事の特徴や求められるスキル、働き方などが異なるため全く違う仕事だと捉えることもできるからです。
営業職の種類の把握の仕方は様々ありますが、わかりやすい例として、例えば、次の3つの要素で分類してみます。
②営業スタイル :新規顧客の開拓営業か既存顧客への深耕営業か
③取り扱う商品やサービス:有形商材か無形商材か
この3つの要素で分類すると、2×2×2の8種類に分かれることになります。
それぞれの特徴を簡単に解説します。
法人向け×新規開拓×有形商材
取り扱う商品例 | OA機器の販売、コーヒーサーバーの販売など |
販売手法 | 飛び込み営業やテレアポが多い |
給与体系や働き方 | 成果に対してインセンティブがつくケースが多い、対面での営業が多い、土日休み |
法人向け×新規開拓×無形商材
取り扱う商品例 | 広告やシステム開発、クラウドサービスなど |
販売手法 | 飛び込み営業や新規テレマ、IT系のサービスではWEBマーケティングや展示会でのプレゼンに力を入れる会社も多い |
給与体系や働き方 | 成果に対してインセンティブがつくケースが多い、ITサービスを扱う会社などはリモートでの商談も増えている、土日休み |
法人向け×既存深耕×有形商材
取り扱う商品例 | 建築や製造用の資材・部品・消耗品、小売店に卸す商材など |
販売手法 | 既存顧客への配送を伴うルート営業 |
給与体系や働き方 | 対面での営業が多い、インセンティブは生じにくい、一部土曜日や祝日出勤の会社もある |
法人向け×既存深耕×無形商材
取り扱う商品例 | 職域向けの保険、教育研修など |
販売手法 | 既存顧客への継続アプローチ(訪問やWEBマーケティングなど) |
給与体系や働き方 | 対面が多い印象だがリモート商談も増えている、土日休み |
個人向け×新規開拓×有形商材
取り扱う商品例 | 食材の宅配サービスや通信機器、水の販売など |
販売手法 | 飛び込み営業、ショッピングモールなどでのイベントや催事 |
給与体系や働き方 | 成果に対してインセンティブがつくケースが多い、対面での営業が多い、平日休み(シフト制) |
個人向け×新規開拓×無形商材
取り扱う商品例 | 保険、ITサービス |
販売手法 | カウンターセールス、コールセンターによるインバウンド営業 |
給与体系や働き方 | 成果に対してインセンティブがつくケースが多い、平日休み(シフト制) |
個人向け×既存深耕×有形商材
取り扱う商品例 | 自動車、住宅 |
販売手法 | 店舗での営業、既存顧客のフォロー営業 |
給与体系や働き方 | 対面での営業が多い、平日休み(シフト制) |
個人向け×既存深耕×無形商材
取り扱う商品例 | 住宅やリフォーム |
販売手法 | テレマやWEBマーケティングによるフォロー営業 |
給与体系や働き方 | アプローチは非対面だが最終的には対面となる、平日休み(シフト制) |
以上のように、同じ営業でも種類によって、販売手法が異なりますし、勤務形態、給与体系なども異なってくるので、その違いを把握しておくことが重要です。
ステップ3.営業職に求められるスキルを理解する
なぜなら、営業職に求められるスキルを理解していなければ、自分のスキルが通用するかどうか、今後、自分のどんなスキルを磨いたらよいかが判断できないからです。
例えば、法人営業職には、大きく次のようなスキルが必要だと考えます。
・ヒアリング力(お客様の抱えている問題の本質を引き出す力)
・論理的思考力(物事を筋道立てて考える力)
・コミュニケーション力(お互いの意思疎通をスムーズにする力)
・プレゼンテーション力(相手に変化や行動を促す力)
・問題解決力(問題を解決する力)
・目標達成力(目標を計画する力とやりきる力)
これらを理解しておくことで、営業未経験であっても、別の職種で磨いてきたスキルが役立つかどうかを判断したり、今後努力して磨いていきたいうスキルの方向性が見えるようになります。
また、前述の営業職の種類によって、どのスキルが強く求められるかどうかも変わってくるので、営業職の種類と合わせて理解することが大事です。
ステップ4.営業職としてのキャリアプランを立てる
なぜなら、キャリアプランを立てなければ、そもそもどのタイミングで転職するのがよいのか判断できませんし、ステップ3のスキルをどのように磨けばよいのか、いつまでに磨けばよいのか、などスキルアップの方向性を定めることもできないからです。
例えば、営業職のキャリアプランとして、以下のようなプランが考えられます。
・インサイドセールスのプロフェッショナルになる
・メールマーケティングのプロフェッショナルになる
・ルート営業のプロフェッショナルになる
・マーケティング職になる
・営業アシスタントになる
・カスタマーサポート職になる
・営業マネージャーになる
・他部署のマネージャーになる
・提携企業として独立する
・社内で独立する
・全く別企業として独立する
転職を前提にキャリアプランを描くこともできますし、社内でキャリアアップをしていくこともできます。また、キャリアアップをしてから転職という選択肢もあります。
このように、初めて営業職に転職した後に、将来どうなっていきたいのかをイメージしておくことが大事です。
2.実践編
ここからは、営業職への転職を成功させるための実践編について解説します。
ステップ5.自分に合った営業職の求人を探す
営業職への転職を成功させるためのステップ5は、自分に合った営業職の求人を探すことです。そのためには、自分にあった求人の探し方を知っていなければなりません。
なぜなら、検索方法を知らなければ、数多くの求人の中から適した求人を見つけ出すことができませんし、応募する際に迷ってしまうことが考えられるからです。
例えば、前述したように営業職の種類によって、仕事の内容や求められるスキル、労働環境などが大きく変わります。ですので、働く環境、給与体系、価値観、やりがいなど、いくつかの軸で自分に合った求人を探すための手法をしっかり理解しておく必要があります。
例えば、求人の探し方には大きく3種類あります。
②仕事を紹介してもらう
③企業に見つけてもらう
まずは、これらを知り、自分にとってどの手法が適しているのかを検討することからスタートすることが大事です。
ステップ6.見つけた求人に応募する
営業職への転職を成功させるためのステップ6は、ステップ5で見つけた求人に応募することです。応募しないことには転職活動が進まないからですね。
応募する方法は大きく2つに分かれます。これらの2つの方法を併用することが効果的な転職活動につながると思います。
・転職エージェントを通じて応募する
自分で応募する際は、直接電話で応募することもあれば、転職サイトなどの応募フォームを使って応募することもあるでしょう。その他、ビジネスSNSを使って直接興味のある会社の人事にアプローチする方法などもあります。
最近は、カジュアル面談など、正式な面接の前にざっくばらんな面談を組めるケースも増えていますので、応募自体へのハードルは下がってきているように思います。
一方、転職エージェントを通じて応募する際は、アピールするべきポイントなど、応募企業ごとに書類作成のサポートをしてくれたり、面談で話した内容から推薦状を書いてくれることもあります。ただ、自分で応募する際と比べて、全体的なスピードは遅くなる可能性もあります。
2つの方法を併用した方がよい理由など、さらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事(転職サイトと転職エージェントの違い)で解説していますので、参考にしてください。
ステップ7.営業職の選考でアピールする
営業職への転職を成功させるためのステップ6は、選考でアピールすることです。
なぜなら、未経験からの転職において、自分をうまくアピールしなければポテンシャルを判断してもらうことができないからです。
例えば、
・目標を達成するまで粘り強く活動できる特性を持っていそうだ
など、未経験ながらも営業職として大きく成長する要素を感じさせることがとても大事です。
企業が営業職の採用において未経験者に期待するのは、今後の成長スピードと成長の伸びしろだからです。書類だけでなく、面接においてそのポンテシャルを感じさせることが、営業職としての転職成功のポイントとして重要ですね。
ステップ8.入社後に取り組むべきことを理解して実践する
なぜなら、入社後に取り組むべきことを理解していなければ、入社後に早い段階で組織に馴染んだり、早いスピードで成長していくことが望めないからです。
例えば、
・お客様の立場で自社商品を利用するシチュエーションやメリットを理解する
・数多くロールプレイを行い、具体的なトークスキルを磨く
など、未経験で営業職として転職し、入社後にやるべきことは多くあります。
具体的には、知識の習得とスキルの習得です。スキルの習得は時間がかかることもありますが、知識の習得は自分の努力次第という面があります。知識習得への意識が高い方の方が、先輩からのサポートが手厚くなることもあるでしょう。
これらを理解して、入社後に早いスピードで成長できるための準備を整えることが、営業職としての転職成功のための大事な最後のステップとなります。
3.まとめ
この記事では、初めての営業職への転職を成功に導くための8ステップについて解説しました。
8ステップのまとめ
ステップ1.営業職の仕事の意味を理解する
ステップ2.営業職の種類を把握する
ステップ3.営業職に求められるスキルを理解する
ステップ4.営業職としてのキャリアプランを立てる
ステップ5.自分に合った営業職の求人を探す
ステップ6.見つけた求人に応募する
ステップ7.営業職の選考でアピールする
ステップ8.入社後に取り組むべきことを理解する
前書きでも書きましたが、営業職は、社会人になってから十分磨けるスキルで勝負できる、成果や実績が見えやすいといったメリットがあります。しかし、営業職には数多くの種類があり、一括りに捉えてしまうと転職の方向性を誤ってしまうことも考えられます。
営業職の種類や求められるスキル、キャリアプランなどをしっかり考えて準備した上で、ステップ5以降の実践に移ることが、営業職としての転職成功にはとても大事だと思います。
ぜひ、この記事を参考にしていただき、営業職への転職を成功させてください。