企業研究を「面倒だから」という理由で、雑に済ませてしまう人は多いです。会社の特徴をリサーチする企業研究は、転職活動におけるもっとも重要なプロセスの1つです。ここで紹介する企業研究を効率的に進めるコツを参考にして、ぜひ企業研究への意識を高めてください。
企業研究はなぜ重要?
「企業研究が必要と言われても、イマイチ理由がわからない」という人は少なくないでしょう。企業研究が必要な理由は主に2つ。1つは、自分と最大限マッチする特徴を持った企業に出会うためです。企業研究では、個々の企業についてさまざまなことを調べます。
たとえば以下です。
- 企業理念
- 事業内容
- 売上高、利益
- 業界での位置付け
- キャリア形成の仕組み
- 労働条件
- 職場環境
- 将来性
リサーチから判明したこれらの企業の特徴と、自分の転職理由を重ね合わせることで、その企業に入社したいか否かが決まります。つまり、企業研究は転職活動において100%必要な作業です。
もう1つの理由は、調べた情報は履歴書や面接でアピールする材料になるためです。自己PRでは、企業理念に共感したことや業務内容に魅力を感じていること、貢献したいことなどを具体的にアピールする必要があります。こうしたアピールは、企業研究なしにはできないことです。また採用担当者や経営者から企業についての質問を受けた場合にも、慌てずに自信を持って答えることができます。
さて、企業研究の方法にはいくつかあります。
企業研究を効率的に進めるコツ 5つ
○企業のホームページを見る
企業のホームページからは、企業についての基本的な情報が入手できます。経営者の名前や沿革、売上高、業務内容、力を入れている事業、などです。面接までにどんなに時間がない場合でも、ホームページにある内容は最低限頭に入れておくことが必須です。
○転職サイトや転職エージェントを活用する
求人情報も大いに参考になります。特にホームページには載っていない、給与・賞与、将来的なキャリアプランについての情報が載っている点は、利用すべき大きな理由です。興味がある企業があれば、保存(お気に入り)して残しておくのも企業研究を効率的に進めるポイントです。
○その企業で働いている人に会う
合同説明会や面談といった方法で、実際に働いている人に会って話を聞くのもコツです。ネットにはないリアルな情報と、実際に働いている従業員の雰囲気を知ることができます。
その企業で直接働いている人ではなくても、競合企業や同じ業界で働いている人が近くにいれば、積極的に話を聞くといいでしょう。表向きの良い評判だけでなく、「実は早期離職者が多い」など、良くない評判も情報として手に入れられるメリットがあります。
○その企業や競合企業が載っている書籍を読む
企業研究においては、書籍も重要なツールの1つです。代表的なのは会社四季報ですが、その他、ビジネス・経済の雑誌などからも情報は入手できます。自分が探している企業だけでなく、同じ業界で活躍するライバル企業の情報にも積極的にアンテナを張りましょう。もしかすると、そこで知った企業の方が、自分にマッチする要素が揃っているかもしれません。
○口コミ・評判サイトを参考にする
ネット上には、さまざまな業界の企業が載っている口コミ・評判サイトがあります。これらも、実際に働いた経験がある従業員の良い評価・悪い評価が載っているので参考にできるはずです。ただし、中には誇張や虚偽の情報もあるので、あくまでも参考程度にしましょう。
5つを並行して進めることがポイント
これら5つのどれか1つに集中して取り組むのではなく、並行して進めていくようにしましょう。解説したように、それぞれの方法で入手できる情報は少しずつ異なります。さまざまな視点からの情報が多い方が、企業を相対的に見ることができるので、「自分とマッチしているか否か」の判断がより正確にできるはずです。
最後に、入手した情報を整理するコツについて簡単に紹介します。1つの企業から入手した情報は、まずリサーチの方法ごとに分けましょう。そして、それらから共通する情報を抜き出して、項目ごと(企業理念、業務内容、職場環境、将来性」など)にワークシートなどにまとめます。こうして整理すれば、会社のホームページや求人情報に負けない情報量が載った、自分専用のワークシートが出来上がるはずです。

作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。
作成日 2018/07/04
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