転職しようか迷っている人は、まず転職先として人気の業界を知ることが大切です。人気の業界には、「将来的に市場が拡大する可能性が高い」など、必ず「人気になる理由」があるからです。ここでは、転職先として特に人気の業界を5種類ご紹介します。
自分に合った業界を見つけよう!
転職において重要なのは、まず自分に合った業界を探すことです。まず業界を絞ってから企業や職種を選んでいかなければ、日本に約400万社(うち大企業は約1万社)もある企業の中から、到底マッチする企業など見つけることはできません。
日本企業の業界は、ザッと挙げただけでも、以下のようにたくさんの種類があります。
- メーカー(食品、自動車、住宅、スポーツなど)
- IT、ソフトウェア
- 金融(銀行、証券、クレジットなど)
- 小売(コンビニ、スーパーなど)
- 商社
- サービス(不動産、ホテル、旅行、教育)
- 福祉、医療
- インフラ(鉄道、航空、電力、ガスなど)
- 広告、マスコミ、出版
- 公務員(市役所、警察、消防など)
「自分にマッチした業界を見つけよう」とは言いましたが、これだけある業界の中から自分に合った業界を探すことは"言うは易し行うは難し"です。
まだ業界を選定できていない人は、次に紹介する「転職先として人気の業界5選」を参考にしてください。人気の理由も解説しています。
転職先として人気の業界 5選
1.IT・ソフトウェア業界
ITやソフトウェアと聞くと、とっつきにくい印象を持つ人も多いのではないでしょうか。しかし、私たちが普段使っているスマホアプリやネット通販といった機能は、IT・ソフトウェア業界の活躍によって支えられています。とても身近な業界なのです。
ただ、AIやIoTの発達によるIT・ソフトウェア業界の盛り上がりとは反対に、IT人材は将来的にどんどん不足していくと言われています。経済産業省の調査、「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、以下のような予測となっています。
・2020年 供給人数約92万人/不足人数約30万人
・2025年 供給人数約90万人/不足人数約43万人
・2030年 供給人数約86万人/不足人数約59万人
参考:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」
これは転職志望者にとってはチャンスです。今、IT・ソフトウェア業界に転職すれば、将来的に多くの企業からニーズが出る可能性が高い(仕事が無くなる可能性が低い)ということにあります。IT・ソフトウェア業界は、こうした将来的なメリットを理解している人から、特に人気の転職先なのです。
2.インフラ業界
電気、ガス、水道、鉄道、運輸、などのインフラ環境は社会に欠かせない存在です。仕事が無くなるリスクが低い点が、転職先として人気の理由でしょう。たとえ中小企業であっても、大手電力会社や鉄道会社などの子会社・関連会社であることも多いため、経営悪化による倒産のリスクが低いと言えます。
もちろん、社会貢献度が高い業界でもあることから、仕事に意義を見出したい人からも人気の業界です。
3.不動産業界
不動産業界の中でも特に人気なのは、賃貸仲介業者の仕事でしょう。未経験採用のハードルも比較的高くない割に、インセンティブ報酬などが充実している仕事です。キツいイメージがある不動産業界ですが、宅建などの資格取得のサポート制度があったり、顧客と直接関われる仕事であったりすることから、未経験者にも人気があります。
「営業のスキルを上げたい!」という人は、中古や新築の不動産を販売する不動産売買の仕事に就くこともおすすめです。
4.福祉業界
介護業界は、IT業界と同じく慢性的な人材不足に陥っています。不足は将来的にも続く見込みです。職種によっては深夜勤務がある、給与や待遇などが他の業界・職種に比べると良いとは言えない、といった点が人材不足の理由でしょう。ただ、「未経験者でも採用されやすい」、「直接人のためになる仕事ができる」といった特徴もあります。こうした点に魅力を感じて転職先として選択する人が増えているようです。
5.公務員業界
やはり公務員は不動の人気です。厳しい成果主義的風潮がなく、給与や待遇、立場が安定していることが何よりの人気の理由でしょう。また福祉業界に近い要素としては、「直接、人や地域に貢献できる仕事がしたい人からも人気」という特徴もあります。
また県庁や市役所などでは、近年、民間企業からの中途採用者を積極的に採用しているという流れもあります。
未経験業界にチャレンジする際のポイント
未経験の業界への転職を目指す人のために、2つのポイントを書いておきます。
現職と同じ「職種」であれば成功しやすい
現職と違う業界に転職する場合、今の仕事と同じ「職種」に応募することで、採用される可能性が高まります。例えば、金融業界の営業職→不動産業界の営業職、不動産業界の事務職→福祉業界の事務職、といった具合です。扱う商品やサービスは変わりますが、現職で培った職のノウハウは生かすことができます。即戦力として評価されることもあるでしょう。
なぜ未経験を積極採用しているのかを調べる
未経験者を積極的に採用している企業は、募集要項に「未経験者OK」、「初心者歓迎」などと記載しています。転職志望者にとってこうした求人は魅力的ですが、応募する前に一呼吸置くことが大切です。
まずは「なぜ未経験者を積極採用しているのか」の実態を調べましょう。もしかすると、残業が長いことで早期離職率が異常に高い、パワハラ・モラハラなどが常態化している、というブラック要素がある企業であるために、人材が不足しているのかもしれません。
まとめ
人気の業界に絞ったからと言って、それだけで自分にマッチする企業が見つかるとは限りません。ただ紹介したように、人気の業界には「人気になる理由」があります。5つの業界の中に、みなさんの目指す労働条件やキャリアの希望を実現できる業界があれば幸いです。自分の求める業界じゃないと感じた人は、「人気」や「現職の経験」といった範囲に捉われず、色んな業界・職種をリサーチしてみましょう。
作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。
作成日 2018/09/17
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