転職活動でまず取り組むべきは、業界研究や企業研究といったリサーチ作業です。「ネットで調べる簡単作業」と思われがちですが、しっかり取り組むと、意外に気力と体力を使います。
しかし、だからといって手を抜いて取り組むと、転職を失敗させるリスクにつながります。転職を成功させるには、業界・企業のリサーチに対するモチベーションが下がったときに、いかに上手くリスタートできるかが重要です。

業界・企業研究のポイントは「自己管理」と「試行錯誤」

厚生労働省のアンケート調査によると、「正直転職して後悔したことがある」という質問にYESと回答した人は、全体の65%いることがわかっています。(※1)

後悔する理由は、業務内容や給与・待遇、職場環境など人によって千差万別でしょう。しかしいずれの場合であっても、後悔している人の多くは、入社前の業界研究と企業研究にしっかりと取り組んでいなかった可能性があります。徹底的にリサーチした上で入社していれば、入社後のギャップが少なく、ミスマッチによる後悔は防げるはずです。

さて、業界研究と企業研究に真剣に取り組むと、当然、疲れます。自分の興味や本当にやりたいことが見つからず、転職活動そのものを途中でギブアップしてしまう人も少なくありません。粘り強く続けるためには、メンタルとフィジカルの自己管理とやり方の試行錯誤がカギを握ります。

業界・企業のリサーチに疲れた人がやるべき対処法 5つ

○方法を変えてみる

リサーチする方法は、単にネットで調べるだけではありません。実際にその業界で働いている人に相談したり、調べた情報を自作のワークシートにまとめたり、といった方法があります。
単純なリサーチ作業で疲れている人は、こうした別の方法を試してみることをお勧めします。特に「実際に人と会う」ことは、ネットではわからないリアルな情報を手に入れられるので有効です。

○目的や条件を再確認してみる(自己分析をやり直す)

リサーチがスムーズに進まない理由には、そもそも転職の目的や設定した労働条件などが、自分に合っていないことも考えられます。ですから、自己分析をもう一度やり直して、転職の目的や希望の条件を再確認してみましょう。例えば、IT業界に入りたいと思っている人はIT業界の景気動向や人気企業などをメインに調べるでしょう。しかしよくよく自己分析をしてみると、自分がやりたいことは金融の仕事に近かったというケースもあり得ます。
このように、本来の転職動機を改めて明確化することができれば、再びリスタートできるはずです。

○モチベーションを上げる

リサーチに身が入らないのは、転職活動そのものへのモチベーションが下がっていることが原因かもしれません。ビジネス書や啓発書を読む、転職経験のある友人と会う、将来の夢や目標を紙に書き出す、といった工夫をして転職に対するモチベーションを高めましょう。
「やっぱり自分は転職がしたいんだ!」と思うことができれば、業界・企業研究にも自ずと取り組めるはずです。

○思い切って休む

上記3つの方法を試しても積極的に取り組めないときは、思い切って休みましょう。真面目な人や完璧主義な人ほど「継続すること」にこだわってしまいがちです。ただ、疲れたまま中途半端に続けることは、判断を迷わせるため逆効果になり得ます。
「来週の休日は転職のことは一切考えず趣味に打ち込む!」などと決めて、心と体をリフレッシュさせましょう。休むことは、次に取り組むときに、これまで集めた業界や企業の情報を客観視できることにもつながります。

○仕事のやり方を見直す

今の仕事が原因で、体や心が疲れている場合もあります。転職活動は健康な身体が資本です。今の仕事を効率化したり、任せられる部分は担当者に任せたりするなどして、転職活動のために動ける体力と時間を作りましょう。
ただ、転職活動のためだからといって、今の仕事を雑にこなすのはNGです。転職活動をしていることを疑われたり、職場での評価を下げたりするリスクがあります。

転職は中長期の視点で考えることも必要

近年は空前の転職ブームです。「同僚や友人の中にも転職を成功させた人がいる」という人はたくさんいるでしょう。こうした状況から「半年以内に絶対に転職を成功させる!」と期限を設けて、焦って転職活動を始める人が少なくありません。焦りは、業界研究や企業研究をないがしろにしてしまい、ひいては転職したことを後悔してしまう原因にもなり得ます。

自分自身で、「今は今の会社に満足している」と感じている場合、無理に転職するのはお勧めできません。
特に20代前半〜半ばの比較的若い年齢の人は、「20代後半〜30代前半に実行しよう」と長い目で転職計画を立てる余裕も必要です。こうした人は、今の仕事で実績とスキルを積みながら、業界と企業のリサーチに少しずつ取り組みましょう。その方が、将来的に、より自分にマッチした好条件の企業に転職できる可能性が高まるかもしれません。

※1 データ参考:厚生労働省

作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。

作成日 2018/07/05