就活を経験した人は、業界研究の意味や基本的なやり方について理解していると思います。
しかし、転職における業界研究ではもっと詳細なリサーチが求められます。調べる業界ごとに異なるベストな方法を押さえた上で、業界研究に取り組むことが大切です。
業界の特徴や動向はさまざま
ひとくちに業界研究といっても、その方法や見るべきポイントは業界によって異なります。
違いを知った上で業界研究を行わなければ、転職活動に活かせる有益な情報を得ることができません。ひいては、履歴書や面接で有効なアピールができないことにもつながります。
そもそも業界研究とは、特定の業界の景気動向や主な事業内容などを調べるものです。
ただ、調べるテーマを決めて、全ての業界から同じ情報を得ようとするのはベストな方法とは言えません。業界ごと必要な情報が異なるためです。
転職における業界研究では、それをいかに効率てきにゲットするかが重要となります。
業界ごとに違う業界研究の方法と例
転職先として人気の3つの業界ごとに、調べるべきポイントをまとめています。
実際に業界研究に取り組む際の、参考にしてください。
金融業界
金融業界には、銀行(地銀・都銀・メガバンク)、保険(生保・損保)、証券(株など)、などさまざまなジャンルがあります。
まずは自分が希望するジャンルを絞ってから調べるようにしましょう。ジャンルごとに調べるべき情報が違うので、先に絞り込むことがポイントです。
例えば、地銀に興味がある人は、銀行全体の景気動向とともにその地域の景気動向も調べる必要があるはずです。一方、証券会社に興味がある人にとって、特定の地域の景気動向はあまり必要のない情報です。地銀では必要にならないような、企業買収や合併についての情報をリサーチすることが必要となります。
メーカー業界
メーカー業界も金融と同様、さまざまなジャンルがあります。
食品、医薬品、自動車、化学、電機・電子、生活用品、スポーツなどが代表的です。
メーカー業界を志望する人も、まずは自分の希望により近いジャンルを選定しましょう。全てのジャンルをしらみつぶしに調べていると、企業研究や履歴書作成・面接対策といった他の活動に充てる時間がなくなります。
例えば、自動車メーカーに興味がある人は、若者の車離れ、シェア経済化、国ごとの生産台数・売上高といった情報を調べることになるはずです。
一方、食品メーカーに興味がある人は、こうしたグローバルな視点よりも、日本の消費者のニーズに焦点を当てた動向を調べることが求められるでしょう。
世界的に有名な大手企業であればグローバルな視点からのリサーチも必要ですが、業界・メーカーごとに調べるポイントが違うことはおわかりいただけるかと思います。
IT・ソフトウェア業界
IT・ソフトウェア業界は、数ある業界の中でも、発展と変化が急速に進んでいる業界です。
オリジナルで全く新しい商品やサービスを扱っている企業も多く、他の業界に比べて、ジャンルの区切りが明確ではないという特徴もあります。ですから、独自の情報を調べることが特に求められます。
例えば、IT・ソフトウェア業界の業界研究では、メーカーや金融の業界研究で調べるべき、業界全体の売上高や景気動向といった情報はあまり価値がないでしょう。それよりも、特定の商品・サービスについての動向や将来性を調べる方が有効と言えます。
この点から言えば、IT・ソフトウェア業界を調べる場合は、業界研究よりも企業研究から始めていく方が有効と言えるかもしれません。業界・ジャンルの線引きが曖昧で、独自の商品・サービスを取り扱っている企業が多いため、企業を先に調べることが業界を調べることにつながる可能性があります。
まとめ
ここで紹介した業界研究の方法のポイントを参考にしながら、それぞれの業界に特化した情報を効率的に手に入れましょう。そして、手に入れた情報を履歴書や面接でアピール材料として生かせば、大きな武器になるはずです。
作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。
作成日 2018/09/10
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