雇用契約は企業と従業員の信頼関係を長く支える、とても重要なものです。正社員やアルバイトを問わず、契約前に労働条件の確認や提示を怠ったことで、後々トラブルに発展した事例は少なくありません。ここでは、雇用契約を結ぶ前に、必ず確認するべきポイントについて解説していきます。

雇用契約はいつ結ぶもの?

雇用契約を結ぶタイミングは、最終面接に合格した後(内定をもらった後)が一般的です。企業から契約書が提示された瞬間は、誰にとっても辛かった転職活動の疲れが一気に吹き飛ぶ瞬間でもあるでしょう。
しかし、そこで「YES」を即答するのはお勧めできません。契約を結ぶ前には、労働条件のしっかりと再確認する必要があります。このプロセスを飛ばして入社を決めてしまうと、「そんな話聞いてない!」と入社後に後悔する可能性があります。

通常、労働条件は「労働条件通知書」として、内定通知のタイミングで企業からメールの文面やPDFファイルで提示されます。そもそも内定者に労働条件を明示することは、労働基準法によって明記されているため、全ての企業に必要です。同法律によって明示が規定されている項目は、例えば以下のようなものです。

  • 労働条件の期間
  • 就業場所
  • 始業と就業の時刻
  • 賃金や昇給
  • 退職に関する事項

その他にも8つの項目があります。厚生労働省が詳細を開示しているので、気になる人は以下のページを参考にしてください。
厚生労働省 労働基準法に関するQ&A

企業によっては、入社日まで提示しなかったり、電話や口頭で簡単に伝えたりするところもあるようです。しかし労働条件は契約締結前に確認することが何より重要です。YESを答える前に、「労働条件についてもう一度詳しく確認したいのですが」とお願いするようにしましょう。

では、いくつかある労働条件のうち、事前確認が特に重要な項目について見ていきます。

雇用契約を結ぶ前に確認するべき労働条件 4つ

○業務内容

「こんな仕事がしたい!」と望んで転職を決めた人にとって、従事する業務はとても重要です。労働条件にある業務と実際の業務が大きく違う場合、企業はその業務を労働者に無理に課すことはできません。
ですから、契約時点で自分が従事する業務内容を確認し、希望と齟齬(そご)がないかをしっかりとチェックしておくことが大切です。

○所定外労働時間(残業時間)

労働条件通知書には、残業の有無や固定の残業手当の金額、それに相当する時間を明記するのが通常です。働き出してから無理な残業やサービス残業を強いられないためにも、記載があるかどうかを確認しておきましょう。

○賃金

求人情報や面接時に確認した給与の額であるかどうかを確認しましょう。企業によって月給、年俸など制度が分かれますがこの点も確認すべきポイントです。
また、賞与やインセンティブ報酬(成果報酬)の設定が、詳しく書かれていないこともあります。不明点が多い場合は、直接企業の担当者に「どのような支給体系になっていますか?」と確認することも必要です。

○休日及び勤務日

企業は労働条件通知書に明記した通りの勤務をさせなければなりません。ですから、休日や勤務日も、労働条件と著しく差がある場合は無効になります。「土曜日は月2回出勤してもらいます」などと条件に記載がないことを後で強制されたとしても、法律に則って正当に断ることができます。
また、「土日休み」が保障される完全週休二日制であるかどうか、なども確認しましょう。例えば、週休二日制と書かれていても「土日以外の平日が休み」である場合や、「週に1回しか休みがない(月に最低1回2日の休みがあれば週休二日制と書けるため)」といったこともあります。トラブルを回避するためには事前のチェックが必要です。

もし契約書の内容がおかしいと感じたら...

もしこれらの項目以外にも、事前に聞いていた内容と違う点があれば、企業の担当者にしっかりと伝えることが大切です。「わざわざ言うのも面倒だからまぁいいや」と妥協してしまうと、入社後のトラブルの元になりかねません。
また、これまで時間とお金をかけて取り組んできた転職活動を、100%満足して終わらせるためにも必要なことです。自分で直接伝える場合は、まずは失礼のないよう丁寧な口調で伝えましょう。企業はわざと内容を変えているとは限りませんし、自分が確認不足なだけかもしれないからです。

自分で確認したり伝えたりすることが難しい場合は、担当の転職エージェントに相談し、お願いすることもお勧めです。転職アドバイザーやキャリアアドバイザーと呼ばれる人たちは「転職のプロ」なので、抜け目がないよう入念にチェックしてくれるはずです。

作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。

作成日 2018/07/06