転職活動をしていると、面接のときに「他にはどんな企業に応募していますか?」と質問されることがあります。ついつい「御社だけです!」と答えてしまいたくなりますが、面接官に嘘をつくのはNG。
今回は、企業が他社の選考状況を質問する理由と、好印象を与える答え方を紹介していきます。
1.複数応募を話したらマイナスになる?
まず大前提として、複数の企業へ同時に応募することは、転職活動における定石です。
そのことは採用担当者も十分理解しているものです。「御社しか受けていません!」と答える求職者は企業にとって理想の人材ではありますが、もし嘘だったことが発覚した場合、信頼関係にヒビが入ることは避けられません。
求職者からしてみても、不採用となって経済的に負担がのしかかってくるリスクを考えれば、複数の企業へ応募するのは合理的な判断です。ほとんどの企業は、そのような転職活動にちゃんと理解を示してくれるのです。
ですので、複数の企業へ応募していることに罪悪感を持ったりせず、正直に答えることが大切です。面接でも職場の人間関係でも、誠実さは大事なポイントです。「他社も受けていますか?」という問いに、堂々と「はい。」と答えられることが、あなたの誠実さを伝えるチャンスになります。
2.なぜ他に応募している企業を聞くのか
それでは、企業の採用担当者はどんな目的を持って他社の選考状況を尋ねてくるのでしょうか?大きく分けて3つの理由が存在します。
一貫性を持って企業選びをしているか
まず1つ目は、企業選びに一貫性があるかどうかです。
応募している企業の業種や職種がバラバラなら、「もしかすると受かればどんな会社でもいいのかも」「手当たり次第に応募しているだけなのかな」という予想が立てられます。
一方で、業種や職種に強いこだわりがあったり、一見バラバラでも共通する要素がある企業選びをしている人なら、「この人は自分の軸をしっかり持っている人だな」という印象につながり、「きちんと長く働いてくれそう」というイメージにつながります。
転職活動で一貫性を持って動ける人は、ビジネスでも自分の軸を持って働ける人物です。だからこそ企業は、一貫性ある人物かどうかをこの質問で見極めようとしているのです。
すでに内定をもらっている企業がないか
もし求職者がすでに内定をもらっているなら、企業は「自社としても早めに内定を出さないと、ライバル企業への就職を選んでしまうかもしれない」と考えます。その人が企業にとって採用したいと思う人物なら、競合他社に取られる前に内定を出して確保したいと願うものです。
一方で、まだ内定をもらっていない人であれば、応募書類や面接の手応えをみてじっくりと時間をかけて選考を進めることができます。
このように、自社の選考をどのように進め、どのタイミングで内定を出すべきかを考える基準として、他社の内定の有無を質問しようと考えているのです。また、他社に内定をもらっているなら、少なくとも別の会社では採用に値する人物であるというわかりやすい指標になることも理由です。
どのくらい熱意を持っているか
企業としては、たとえ複数の企業へ応募していたとしても、自社を第一志望として転職活動をしているなら、安心してその人物を採用することができます。
しかし、いわばすべり止めのような気持ちで応募してきたのであれば、「すぐ辞めてしまうかも...」と考え、内定を躊躇してしまうものです。入社直後に辞められてしまえば、採用活動や研修に費やしたコストがムダになりかねません。
そこで、他社の選考状況を確認しつつ、自社に入社したいという熱意はどのくらいあるか、長く働いてくれそうな人物かを判断しようと考えます。求職者としては、「御社で働きたいです」「御社が第一志望です」という気持ちをアピールすることが大切です。
3.よい印象を与える答え方
それでは最後に、複数の企業に応募しているかどうかを聞かれた場合や、他社の選考状況を質問された場合に有効な回答例を紹介していきます。好印象を与える答え方で、選考を有利に進めましょう。
どんな業界の企業かを答える
まず基本は、どんな業界に絞って応募しているかを答えることです。特に、面接を受けている企業と関連性のある企業をあげながら回答するとよいでしょう。
「○○業界を中心に、A社やB社を受けています」でもOKですし、「A社は一次選考を通過し、B社からは内定をもらっています」と選考状況を言い添えてもよいでしょう。
希望している職種について答える
続いて、希望する職種についてまとめて答えることも大切です。応募先企業では営業職を希望しているなら、他社でも営業職の求人に応募していることをアピールすると、一貫性ある人物という印象を与えることができます。
「会社の魅力をアピールする営業の仕事をやりたいと思い、A社やB社でも営業職の求人に応募しています」などと答えるとよいでしょう。
他社にない志望動機を答える
同時に応募している他の企業にない特殊な志望動機をアピールすることができれば、入社への熱意をしっかり伝えることができます。そのためには、企業同士の比較や研究を通じ、「その会社の特徴は?魅力は?強みは?」という点について深掘りしておく必要があります。
「同業他社のA社やB社の営業職に応募していますが、特に御社の●●サービスに魅力を感じたので、もっと多くの人に知ってもらう提案活動にチャレンジしたいと考えました。」など、応募先企業の具体的な商品名やサービス、実績などに触れるのがおすすめです。
まとめ
以上、面接で複数の企業へ応募しているかどうか尋ねられたり、他社の選考状況を質問されたりした場合に役立つ回答例を紹介してきました。企業も意地悪で聞いているのではなく、明確な目的を持って質問していることがわかったと思います。
企業の質問の意図を知り、一貫性や入社にかける熱意をアピールすることが、この質問への回答のコツです。ぜひ覚えておいてください。
作成日 2018/07/09
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