現在国内では、慢性的な人手不足が問題視されています。新しい人材の供給が追いつかず、既存の社員に負荷がかかったり、新規事業に取り組めなくなっている現状があります。
そんな業界を背景として生まれたのが、従来の採用活動とは一線を画す「1日選考会」です。説明会から内定まで1日で完結するところも少なくありません。
今回は、この「1日選考会」の特徴と、企業側の狙い、そして対策方法についてみていきましょう。
1.その日のうちに内定がもらえる「1日選考会」の特徴
従来は一次面接・二次面接と、別日を設けて選考を進めることが一般的でした。しかし最近では、人材不足解消や優秀な人材の確保を目的として、説明会から内定までを1日で完結させる「1日選考会」も増えています。
文字通り1日で選考が終わることが特徴で、会社説明会、書類選考、一次面接などがその日のうちに進行し、内定が出るところも少なくありません。場合によっては、合否結果のみ1週間後に通知という企業もありますが、それでもスピード選考であることに変わりはないでしょう。
特に新たな取り組みに積極的な大企業や、IT企業・コンサルティングファームなどでよく開催されています。
1日で選考が完結するため、結果待ちの間に他社の面接を受け、比較しながら入社する会社を決める、といったことができないのがデメリットですが、転職活動にかかる時間も交通費も大幅に削減でき、応募者にとってはぜひとも利用したい機会であることは間違いありません。
さらに、1日選考会は平日だけではなく休日に行われることが多く、現職の仕事が忙しい人や、地方・海外に住む人にとっては貴重な採用活動の場となるでしょう。
2.1日で選考を完結させる企業の狙いとは
企業はなぜ、あえて選考期間を圧縮して採用活動を行なっているのでしょうか?容易に予想できることですが、選考期間を短縮することは、応募者だけでなく企業にとっても大きなメリットがあるのです。
たとえば、面接官を何日にもわたって拘束する必要がないので、本業により多くの時間を注げるという側面があります。たった1日の休日に面接を担当してもらえばOKなので、従来よりもずっと負担が減ることになります。
採用担当者の負担が減るということは、企業にとっても大きなコストダウンにつながります。選考に要する人件費はもちろん、会議室の利用時間を削減することができるので、本業への影響を最小限にとどめることができるわけです。
さらに、スピード感ある採用活動のおかげで、優秀な人材を確保しやすいというメリットもあります。ゆっくりと選考を行なっていると、その間に同業他社からの内定を受諾し、自社の選考を辞退されてしまう...なんてことにもなりかねません。
一方で1日選考会なら、他社に先駆けて優秀な人材を得ることができ、低コストで採用活動を進めることができるので、生産性向上につながる可能性が高くなるのです。
3.1日選考会で内定を獲得するための対策方法
では、1日選考会にはどのような対策をとったらよいのでしょうか?
1日選考会は、よくも悪くも選考期間が非常に短いことが特徴です。結果が出るのはたしかに早いですが、その分考える時間も減ってしまうことになります。
ですので、まず大切にしたいのは事前に企業情報をしっかりと集めておくことです。求人サイトをチェックするのはもちろん、企業HPやリクルートサイトを調べて職場環境を確認しておくことも重要になります。
加えて、自分が重視する労働条件を明確化しておくこともポイントです。ついその場のノリとスピード感に押されて衝動的に内定を決めてしまいたくなりますが、狭い視野で決定するのは失敗のもと。
自分が重視するのは仕事のやりがいか、給与か、それともキャリアパスなのか。それらが1日選考会を開催する企業に備わっているかをチェックするようにしてください。この点を押さえておけば、理想の会社に理想の待遇で入社することも難しくないでしょう。
まとめ
以上、1日選考会の特徴と企業の狙い、そして対策方法について見ていきました。ごく短期間で選考が終わるというのは、時間もお金も限られている転職者にとっては魅力的な話だと思います。しかし、無理に1日で内定をもらおうとしなくても構いません。他社の仕事内容ややりがい、待遇といった点を比較し、じっくりと検討しながら職場探しをするというのも立派な戦略です。
「なにがなんでも1日で内定を」と意固地になってしまわないように気をつけましょう。
作成日 2018/09/06
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