若いうちから何度も転職を繰り返している場合、「職歴を書き切れない」「短い職歴を省いてしまいたい」という気持ちになることがあります。しかし在職期間を実際より延ばして書くなどした場合、もしかすると経歴詐称にあたってしまうかもしれません。

ここでは転職回数が多い人向けに、履歴書の書き方のポイントについて解説していきます。

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転職回数が多いとイメージダウンにつながる理由

今でも日本では、海外と比べて「1つのことを長く続けることはよいこと」と考える文化があります。転職回数が多いということは、1つのことを長く続ける能力に欠けているとみなされ、人物評価で不利になることが通例です。

一方で転職大国のアメリカでは、18歳〜46歳の間に11回以上の転職を経験することが平均的というデータがあります。「腰を据えて働く」というスタイルがグローバルな視点でも評価されているかというと、そうでもないわけです。

転職回数が多いということは、それだけチャレンジをした証拠であり、ベストな職場を探そうと努力した証です。さまざまな分野を渡り歩き、より広い視点を持っている人物ともいえるでしょう。

しかし昔ながらの慣習が根づく日本では、転職回数が多い人は警戒されがち。その理由を調べてみましょう。

中途半端なスキルしかないのでは?

転職回数が多い人に対して企業が懸念するのは、「中途半端なスキルしか持っていないのでは?」ということです。1つの職場で長く働いていないということは、それだけスキルや経験に乏しいと考えられてしまいます。

これは一見不利なようにも思えますが、「中途半端ではなく、しっかりとスキルを身につけている!」ということをアピールできれば、多種多様なスキルと視点を持つ貴重な人材にもなり得ることにもつながあります。

ストレスに耐性がないのでは?

いわゆる「ゆとり世代」の方々は特に、転職回数が多いと「ストレスへの耐性がないのでは?」と思われてしまいがちです。

面接官の先入観はこちらからは変えることはできません。であれば、私たちができることは1つ。履歴書の自己PRや面接での受け答えで「ストレスに弱いせいで転職を考えたわけではない」ことを主張できるかがポイントになります。

自社もすぐ辞めてしまうのでは?

転職回数が多いと、それだけで「自社もすぐに辞めてしまうのでは?」という印象を持たれてしまいます。会社としては雇った人材がすぐに辞められてしまうと、採用コストがムダになり損をすることになるので、できるだけ避けたいという心理が働きます。

ですので、企業を安心させて「腰を据えて働きます!」ということをアピールすることが大切になってきます。

転職回数が多い人向け!履歴書の書き方

では、実際に履歴書はどのように書いたらよいのでしょうか。ここでは特に気をつけたい3つのポイントを取り上げていきます。

幅広い経験をアピール

転職回数が多い人には、まったく転職を経験したことがない人が持っていない魅力があります。

さまざまな職場を経験してきたからこそ発揮できるスキルは1つや2つではないはずです。たとえば職場の人間関係でうまくやっていくスキルや、幅広い視点で物事を捉えられるスキル、挫折を経験したからこそ人の気持ちを察することに長けるスキルなど。

転職回数が多い人の武器は、こうした転職未経験の人にはないスキルです。職歴の多さに引け目を感じることなく、堂々とした態度で志望動機・自己PRを書くとよいでしょう。

「最後の転職」を強調

履歴書を読む面接官の気持ちを考えると、「これを最後の転職とし~」といったフレーズは「自社もすぐ辞めてしまうのでは?」という不安感を拭い、安心感を与えることができます。

この職場で一生働きたいという気持ちをアピールすれば、企業からしても採用しやすくなるわけです。相手の立場になって不安を感じそうなポイントを先読みし、志望動機欄などで先手を打つことが効果的です。

職務経歴書では「キャリア式」を

転職活動では、履歴書のほかにも職務経歴書を書くことが多くなります。職務経歴書には、編年体式・逆編年体式・キャリア式の3つの書き方がありますが、転職回数が多い人向けにおすすめなのは「キャリア式」です。

キャリア式の職務経歴書の特徴は、時系列ではなくスキルや職種ごとに経験をまとめて書く点にあります。「営業」「技術」といった職種でまとめることで、転職回数の多さよりも充実した経験の方をアピールしやすくなるわけです。

ただし、「不都合な職歴を隠そうとしているのでは?」と思われる場合もあるので、面接時にしっかりと説明できるよう対策しておきましょう。

経歴を省いたらどうなる?

転職回数が多くなると、履歴書の職歴欄に収まりきらなくなることが出てきます。もしくは、「数ヶ月で辞めてしまった職歴を省いてしまいたい」と考えるシーンもあるでしょう。
果たして、応募者が自由に職歴を省略してもいいのでしょうか?

アルバイトや派遣はOK。正社員は省かない

結論としては、アルバイトや派遣の職歴は省いてもOKですが、正社員の職歴を省くのはNGです。
「なんとなく書きたくないから...」と正社員の職歴を省くことは、経歴詐称にもつながり、会社側にバレたら即解雇されるリスクがあります。どうしても履歴書に書き切れない場合には、職務経歴書で別途書くスペースを設けるといった工夫をするとよいでしょう。

アルバイトや派遣の職歴は省いてもOKです。ただし応募先企業の仕事内容と関連する内容であれば、あえて追記しても損することはないでしょう。あまりに空白期間が長いようなら、「この期間にはアルバイトや派遣で働いていました」とフォローを入れると安心感を与えることができます。


まとめ

以上、転職回数が多い場合の履歴書の書き方について解説してきました。正社員の職歴は省いてはいけませんが、アルバイトや派遣であれば省略しても問題ありません。 もし書き切れないほどの職歴があるなら、職務経歴書を活用してみてください。

作成日 2018/09/21

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