転職活動において気をつけるべきポイントは、年代によって異なります。ここでは「30代の転職」にスポットを当てて、注意したいポイントをいくつかご紹介します。
ポイントを押さえて転職活動を進めることは、転職成功の確率をアップさせることにつながるので、ぜひ参考にしてください。
30代の転職理由で多いのは?
まず、一般的な30代はどのような理由で転職を決めるのでしょうか。人によってさまざまですが、ほとんどは「今の仕事や会社に何らかの不満や物足りなさ」があるからです。
そう言える根拠は、厚生労働省が実施した平成28年雇用動向調査の結果(※1)を見ると分かります。この調査によると、転職入職者(過去1年の間に転職した人)が前職を辞めた理由は、男女別では以下のようになっています。
男性
【30~34歳】
1位:給料等収入が少なかった 18.2%
2位:会社の将来が不安だった 15.7%
【35~39歳】
1位:会社の将来が不安だった 14.4%
2位:労働時間休日等の労働環境が悪かった 12.5%
女性
【30~34歳】
1位:職場の人間関係が好ましくなかった14.4%
2位:契約期間満了 12.2%
【35~39歳】
1位:職場の人間関係が好ましくなかった 12.8%
2位:労働時間休日等の労働環境が悪かった 12.1%
このように「自己実現(「こんな仕事に挑戦したい」など)」よりも、「給与や休み」、「働く環境」を転職理由として重視している人が多いことが分かります。
30代というと、すでに家族を養っていたり結婚して家庭を持とうとしたりする年代です。これから転職活動をする30代の人は、自己実現だけでなく「経済的な側面」や「長く働き続ける労働環境」といった要素も、十分に考慮して実行する必要があります。
これらを踏まえて、転職活動で注意したいポイントを具体的に見ていきましょう。
30代の転職で注意したいポイント 5つ
1.転職実行は慎重に検討する
30代からの転職は20代からの転職と違い、失敗すると次の仕事が見つかりにくいという弱点があります。
また企業選びや労働条件を妥協してしまうと、今よりも給与や待遇が下がることも大いにありえます。本格的に実行に移す前に、自分が考えている転職が長い目で見て本当に意義のあるものなのかを、しっかりと検討することが最初のポイントです。
2. 目的を明確にする
「なぜ転職するのか」の目的を、ワークシートなどを作成して明確化しましょう。
キャリアプラン、理想の労働環境、夢や標などを書き出しながら、「どうすれば実現できるのか」、「本当に今の会社では実現できないのか」といったことを検討します。
そしてそれらを実現する手段として転職がもっとも最適だと判断すれば、自分自身、迷わず実行に移すことができます。また目的を明確化することは、半年以上など、長期戦になるかもしれない転職活動のモチベーション維持のためにも必要です。
3.即戦力が求められる
30代ならではの、履歴書や面接に臨む上での注意点があります。転職が未経験の人は、就活の知識や経験から、つい「自分の性格的な強みや個性」や「仕事に対する熱意」をメインにアピールしてしまいがちです。
ですが企業が30代に求めるのは、即戦力となる実績やスキルです。ポテンシャルや熱意がメインに評価されるのは20代後半までなので、実績や貢スキルを具体的にアピールできるように準備をしておきましょう。
「〇〇のプロジェクトで会社の利益を10%上げた」、「〇〇の資格を取得しており実務経験も豊富」というように、数字や目に見える形で証明できると、なお高評価につながります。
4.未経験の業界は厳しい
30代からの転職では、未経験の業界に入るのは難しいのが現実です。もちろんまったく可能性がないわけではありませんが、給与や待遇アップを目的にした転職の場合は、特に厳しいことは覚悟しておきましょう。
ただし、未経験の"業種"は厳しいものの、"同じ業種で未経験の職種"であれば可能性は大いに広がります。例えば、IT企業でSEをしていた人が同じIT業界の営業に転職する、といったケースです。未経験の職種でも、前職での知識やスキルを活かすことができます。転職の動機が「今の仕事がマンネリ化している」、「新しいことに挑戦したい」といったことであれば、このように同じ業界の未経験職種をねらうのも手段の1つです。
5. 転職エージェントを有効活用する
転職を効率的に進めるには、転職エージェントや転職サイトの活用が必須です。ただし、闇雲に登録して使っていると、自分に不要な求人や情報まで入ってくる可能性もあります。
転職エージェントや転職サイトの中には、1つのジャンルに特化したものがあります。例としては、30代の転職に特化したものや、Uターン・Iターンの転職に特化したものがあります。こうした「特化型サイト」を賢く使うことが、転職活動を有利に進めるために重要なポイントです。
転職を思いとどまるのも勇気
近年は、転職することそのものに勇敢なイメージを持っている人が多くいます。しかし転職には「有意義な転職」と「あまり意味のない転職」があります。前者はもちろん自分の目的(給与アップや職場環境の向上、など)を実現させるための転職です。
一方、後者は転職そのものが目的になっている転職のことです。転職自体に意義はありません。特別な目的もなく、今の労働環境や会社に不満がない場合は、「転職を思いとどまるのも賢明な判断」だということはぜひ覚えておいてください。
※1 データ参考:厚生労働省 平成28年雇用動向調査結果
作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。
作成日 2018/06/22
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