実際に転職を経験した人の中には2種類います。ズバリ、「成功した人」と「失敗した人」です。両者の違いはスキルや学歴の高さだけではありません。転職活動への取り組み方が、成功・失敗の分かれ目になったケースがたくさんあります。ここでは転職前に知っておくべき、成功と失敗を決めるポイントについて解説します。
転職に成功する人と失敗する人はどこが違う? 4つのポイント
転職目的の設定
転職の目的を明確に設定しているか否かは、成功する人と失敗する人の最大の違いと言っても言い過ぎではありません。「自分はなぜ転職をするのか」がわかっていなければ、転職する意味そのものが失われます。
たとえば、「今の会社が嫌だから転職したい」という人は多いですが、これでは不明確です。次のように考えましょう。
なぜ今の会社が嫌なのか?(現状分析)
↓
給料・賞与が低い、人間関係が悪い、業務が楽しくないetc.(転職する目的を設定)
↓
目的が叶えられる会社を目指して転職活動
目的がないまま運よく内定をもらったとしても、入社後に新しい会社とのミスマッチが起こりやすくなります。「前の会社の方が良かった」、「なんで転職したんだろう」と後悔しないためにも、より明確化しておくことが大切です。
スケジュール管理
普段からスケジュール管理をおろそかにしている人は、転職活動で不利になる可能性があります。
転職活動は開始から内定まで2〜3ヶ月が平均と言われますが、その間の細かいスケジュールを計画しておくことが重要です。たとえば、「初めの1週間は応募する企業を選定する」、「次の2週間は実際に応募し面接に望む」、といったように具体的に計画しましょう。
また今の仕事のスケジュールにも余裕を持たせておくことも重要です。応募した企業から指定された面接日時を、何度も断ったり変更してもらったりすることになると、「本気でうちの会社に来たいのか?」と思われます。面接を2回キャンセルしたら即不採用という企業もあります。
業務を減らすために、事前に後輩や同僚らにお願いするなどして、応募先の企業に合わせられる時間的な余裕を空けておくようにしましょう。
求人の探し方
「求人をどう探すか」も成功させるために重要なカギです。ネット上には数十種類以上の転職サイトがありますが、その中から自分に合ったものを有効活用する必要があります。
たとえば、IT業界に転職したい人であれば大手転職エージェントだけでなく、IT業界に特化した転職サイトも利用するべきでしょう。またUターンといった形で地元企業への転職を考えている人は、地域特化型の転職サイトがお勧めです。
そこでしか公開されていない求人もありますし、サイト上のコンテンツも、より専門的な情報が載っているはずです。
雇用契約書の確認
転職活動は内定を勝ち取って終わりではありません。雇用契約書にサインすることで終わりとなります。
ただ、内定が出たことで浮かれて、契約書の内容も確認せずにサインするのはNGです。特に、「自分が希望している条件」については入念に確認しましょう。曖昧な点があれば、サインする前に採用担当者に直接聞くのもいいでしょう。この確認を怠ってしまうことは、転職失敗のリスクを高めることになります。
転職する「時期」も成功させるポイント
他に参考にしたいポイントとしては、「転職活動を始める時期」も重要です。企業の中途採用は、2〜4月、9〜10月が活発化するのが一般的です。4月と10月はどの企業も新しい期を迎えるためです。定年で退職する人が増えたり、新入社員が多く入ってきたりするのもこの時期です。
ですから、中途採用の募集も増える傾向にあります。今、漠然と転職を考えている人は、この時期の少し前から転職サイトやエージェントに登録したり、具体的なスケジュールを計画したりするといいでしょう。
(参考:https://doda.jp/guide/saiyo/009.html)
ただし、業界や職種などの希望条件がすでに明確に決まっている人は、時期にとらわれる必要はありません。自分の希望する企業の求人がいつ出るかわからないので、こまめにチェックするようにしましょう。
成功と失敗の定義
転職における成功とは、単に「前の会社より給料が上がった」、「休みが増えた」といったことではありません。成功とは、「自分の希望が最大限叶えられる会社に入れたこと」を指します。つまり転職の動機や目的が達成できるような会社で働けることです。
前職で培ったスキルをフルに活かせる、成果に応じて適切に評価してくれる、将来のキャリアプランが明確に設定されている、など目的は人によってさまざまでしょう。
つまり転職失敗とはその逆です。「転職先でも前職と同じ不満がある」もしくは、「前職よりも不満が増している」という転職は失敗と言えます。ただ、一次的には希望条件が叶えられず失敗だと感じても、そこから奮起して転職先で活躍している人もいます。慣れないうちは、まず前職との違いや変化に対応することが大切です。
転職活動を始める前から勝負は始まっている
転職活動というと、転職サイトで求人を探す、履歴書や職務経歴書を書く、面接を受ける、という表面的な活動をイメージする人が多いと思います、しかし実際の転職活動は、こうした本格的な活動を始める前からすでにスタートしています。上記で紹介したような「転職動機の設定」や「スケジュール管理」などがそれに当たります。一見煩わしい作業に思えますが、こうした細かい活動を計画的に少しずつ行うことが、転職活動を成功に導きます。
作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。
作成日 2018/08/20
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