一般的に転職活動は、在職中に行うのが有利と言われます。しかし、会社を辞めた後から転職活動を始めて成功させた人も、たくさんいるのが事実です。不利と言われる退職後の転職を成功させた人たちは、どのような方法で転職活動に取り組んだのでしょうか。
ここでは、すでに退職した人や退職する予定の人に向けて、会社を辞めた後の転職活動の進め方(コツ)についてご紹介します。
会社を辞めた後の転職活動 重要ポイント
退職後は、それまでの忙しい日常が嘘だったかのように、時間が有り余ることになります。思わず、「時間はたっぷりあるから転職活動もボチボチやろう」と油断してしまう人が多いですが、これは危険です。退職後の転職活動は短期集中で進めることが重要です。
ダラダラと取り組むことには以下のようなデメリットがあります。
- 収入源がないので、生活や転職活動に必要な資金が底を尽きる
- キャリアが途切れている期間が長いほど、転職では不利になる
- 働くことへのモチベーションが下がり、転職活動への意欲が下がる
こうしたデメリットを生じさせないためには、できるだけスピーディに転職活動を進める必要があります。通常、仕事をしながらの転職活動は3ヶ月〜半年はかかると言われます。仕事をしながらだと、履歴書・職務経歴書の準備、面接対策、企業探し、面接・面談の日程調整、などを行いながら内定を目指すと、どうしても3ヶ月はかかることになります。
一方、すでに会社を辞めている場合、これらの活動は自分の意識次第でスムーズに進めることが可能です。ですから早ければ1ヶ月、基本的には2ヶ月以内に内定をつかみ取ることを目標に、転職活動を進めていきましょう。
ただし焦って闇雲に進めてしまうと、非効率的になってしまいかねません。
次の4つの転職活動の進め方を意識しながら、取り組むことがポイントです。
会社を辞めた後の転職活動の進め方 4ステップ
ステップ1.転職活動のスケジュールを計画
まずは、大まかなスケジュールを立てることから始めましょう。例えば4月から転職活動を始めるなら、5月〜6月末までの内定を目指すことになります。1週間ごとに、取り組むことを決めてワークシートやメモ帳に書いていきましょう。「1週間以内に細かい志望業種と職種を絞り込む」、「この週は業界研究・企業研究を徹底的に充てる」といった具合です。計画したスケジュールは、選考の状況や志望先の変化などに応じて柔軟に変更していきましょう。
ステップ2.応募する会社をリストアップ
計画を立てたら、応募する企業をリストアップします。転職では10〜20社の企業に応募するのが通常です。リストアップが多い方が、選択肢は広がります。注意点は、先に「絶対に譲れない条件を決めておくこと」です。その条件を軸にして企業を探さなければ、ただリストが増えるだけで、いざ応募する際にどれが優先順位の高い企業かわからなくなってしまいます。
また、使用する転職エージェント・転職サイトも自分に合ったところに登録しましょう。転職エージェント・転職サイトには1つの業界に特化したものや、地域特化型のものがあるので、よりマッチする企業を見つけるために活用できます
ステップ3.応募~面接
応募から面接までのステップでは、在職中に転職活動をしている人よりも、退職している人の方が有利になる点があります。それは、「面接や面談の日程を相手(企業)に合わせられる」ことです。
在職中だと、「その日はどうしても時間が取れなくて...」と仕事の都合で断らざるを得ないこともあります。その点、すでに仕事を辞めていれば時間の都合は自分次第で調整可能です。「その日で問題ありません」と即答できれば、志望の本気度が伝わることにもなるので、企業からの印象も良くなるはずです。
ステップ4.内定後、入社までの準備
転職活動は、「内定が出て終わり」ではありません。入社までに時間がある場合は、その仕事に関する知識やスキルを、少しでも多く身につけておくことが大切です。これは、仕事を辞めている人だからこそできる準備でもあります。
在職中だと、退職手続き、引き継ぎ、引っ越しなどに時間が取られて、どうしても準備万端で入社を迎えられない人が多いです。入社前にできるだけ多く知識やスキルを持っているほど、スムーズに仕事に取りかかれるため、入社後のストレスや不安を軽減できるはずです。
計画より長くかかっても焦らない
「早ければ1ヶ月、通常2ヶ月で内定を目指そう」と言いましたが、当然、計画通りに進まないこともあります。そうなった時に大事なのは、決して焦らないことです。「早く内定を決めなきゃ!」と焦ってしまうと、内定を取ることそのものが目的化してしまいます。すると、焦りや不安から、希望条件に大きな妥協が生まれるようになります。焦って内定を決めたとしても、条件に100%満足できなければ、転職したこと後悔してしまいかねません。
「スピーディに進めること」と「焦って進めること」を履き違えないように注意が必要です。不採用になっても気持ちを切り替えて次の企業に臨む意識を、常に念頭に置いておきましょう。
会社を辞めた後の転職活動を、より有利に進めるには?
周りの人の協力を得ることで、会社を辞めた後の転職をより有利に進めることができます。例えば、「内定が決まるまで実家で暮らす」というのは有効な方法です。食費や光熱費、家賃などを負担する必要がないため、金銭的にも精神的にも、安定した状態で転職活動に臨むことができます。
また「時間がある」という利点を生かして、ビジネスセミナーや関連する業界のコミュニティなどに参加するのもいいでしょう。こうした場に積極的に足を運ぶことで、志望する業界や企業に関する有益な情報を得られる可能性があります。
作成:尾崎 海(おざき かい)
東証一部化学メーカー(営業職)から転職を経てライターに転身。就活・転職活動で悩んだ自身の経験を活かし、求職者や仕事で悩んでいる人に向けた記事をメインに執筆中。
作成日 2018/09/14
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